029_継暦141年_夏/02 + LIST
よっす。
変な女に話しかけられた賊のオレだぜ。
「そう言えばルル、武器は持ってないみたいだけど」
「あー、武器は」
そう言って腰のポーチを漁り、そう大きくない彼女の手のひらで握り込めるくらいの鉄球を見せる。
「これだよ」
「鉄球?」
「そうそう、これを──」
彼女が言いかけたときに「ぜぇぇぇいぃぃぃん、しゅううごぉぉぉう!」と野太い集合の号令が響く。
「行こっか。
それについては道々に聞かせてよ」
「その代わり君のも教えてよ、ヴィー」
愛称呼び。
距離の詰め方がエグい。
嫌ではないが、これほどに人当たりに長けているわけではないので圧されてしまう。
見せるのはやぶさかではないが、見せるための材料が手元にはない。
集合場所の道すがら良さそうな石を見繕って幾つかをポケットや懐に忍ばせることにした。
あとは元から持っていた短剣やら何やら。
残念ながらこの体は明日を持ち合わせてはいなかった。
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「お前らあ!やってっか!」
バカでかい声の主。
この賊のカシラだ。
西方の種族である牙鬼の血を継いでいるようで、深緑の肌に鋭利な牙のような歯が特徴的だった。
身長も大柄、2m近くはあるんじゃなかろうか。
腕だって丸太みたいで、大して多くの記憶が残っているわけではないが、カシラって括りで見れば上位の存在に思えた。
「許容者ゴーダッド、このあたりじゃあ彼ほど有名な賊はいないだろうね
ヴィーも彼の名を頼って流れてきたんだろ?」
「うん」
とりあえずルルには頷いておこう。
ゴーダッドって名前も知らない。つまりはこの肉体はふらっとここに来ただけなのだろう。
ただ、少なくともルルは、『ヴィーも』と言っている辺り、彼の名声を知って流れてきていそうだが。
「やってねーカシラ!」「やりてえー!」
「準備万端だぜえ!」「ブリバリだあー!」
ゴーダッドの言葉に応じる多くの賊たち。
その熱狂ぶりが彼のカシラとしての人気の指標として十分に作用していた。
「よーっし!
それならブリバリなお前らに朗報だ!
前から俺たちに喧嘩を売ってきたマシアスどもをぶっ飛ばす準備が整った!
連中のヤサぁぶっつぶして、血祭りにあげんぞ!」
再びの大歓声。
見渡せばわかるが、賊の数はいつのまにやら50、いや、60ほどになっている。
「おい、アレ持って来い!」
カシラが言うと、手下が馬車を数台引き連れてくる。
荷台に掛けられた幌を剥がすと大量の武器。
それも賊が使うようなチンケなものではない、どこぞの正規兵が扱うようなキラッキラで素材もしっかりしたものだ。
「こいつぁ、ビウモードとツイクノクの軍需品を扱っていた商人から強奪した代物よ!
なんちゃって放出品とはわけがちげえ!
俺の側にいるお前らにこそ使ってもらいてえ!!早いもの勝ちだが、一人一個!
『俺が許す』のは一人一個だ!いいなッ!」
ぴり、となにかを感じる。
胸にじりじりとした痺れ。なんだ?
「ヴィーは取りにいかないの?」
「あんな酸っぱい臭いの濃度が高いところ入りたくないよ」
口調は体に合わせておこう。可愛げってやつさ。
「あはは、私もいいかな」
群がっている彼らを遠巻きに見ていると、
「お前ら!どうした!要らんのか!」
ゴーダッドが声をかけてきた。見た目に反して世話焼きなのか?
「あー、オレはああいう武器使わないから」
「私も」
彼は特に不快感があるという顔はしないで、少し悩むような声をあげてから。
「ちょっと待ってろ」とその場を離れる。
オレとルルが顔を見合わせるが、お互いに予測は立たなかった。
少しして彼が戻ってくると、ほれ、と籠を渡してきた。
ピクニックバスケットってやつだ。
「あいつらにバレんように俺の背中に隠れてこっそり食べな」
声をひそめて言う。
バスケットの中には見た目からして美味しそうなサンドイッチや付け合せ、それにクッキーなどが納められている。
それに瓶入りのシードルが二本。
何を持ってくるかと思えば、どうやらゴーダッドからするとオレとルルは子供に見えたらしい。
ルルは恐らくオレより少しは年上だとは思うし、オレも一桁ってわけでもないのだが。
再びルルと顔を見合わせてから、バスケットを受け取って二人で分け合うことにした。
腹が減っていないといえば嘘になるが、ひとまずはルルに好きなものを取ってもらって、
オレは余ったものをもらうことに。
最初こそ遠慮していたが、お腹の音を鳴らした彼女は恥ずかしそうに笑って、肉が挟まれたサンドイッチに手を伸ばした。
結構な量があったバスケットの中身のお陰でお互いに満腹となり、気持ちもほぐれる。
それを見たゴーダッドは満足そうに頷いた。
が、それもつかの間、彼は小さく呻くとゆっくりと馬車の方へと振り返った。
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「俺との約束を守れなかった奴がいるみたいだなあ!」
地を震わせるような怒号が響く。
賊の何人かはそれに怯えるではなく、敵対的な感情をむき出しにして睨み返した。
「こんな上等な武器を一つだけだあ?
てめえのヌルい仲良しごっこにゃ愛想が尽きてんだ!
武器を持てるだけもらってよ、俺たちゃマシアスに付くぜ、あっちは奪い放題やり放題だからよお!」
その数名が武器を構え、ゴーダッドへと向ける。
「俺は容赦してやったってのに、お前らはそれを容赦できねえんだな。
悲しい。
俺は悲しいぞ」
両手を広げるようにして、天を仰ぐ大男。
「《容赦》は尽きた」
武器を構える連中から実にささやかなインクがゴーダッドへと流れ込む
しかし、当のゴーダッドは明らかに流れ込んだものとは比べ物にならない量のインクを発露していた。
「《容赦》の請願。
他者と約束を交わし、反故されたときに特定の条件を発動する。
けど、そのリターンが少なすぎるから殆ど活用されないものなんだけど」
ルルがぽつりと言う。
「商売とかに使えそうじゃん」
「契約を破ったらどうにかなるってやり方じゃ、罰則そのものに重い効果を付与できないんだよ」
つまり、ゴーダッドは何かしらで《容赦》の請願をトリガーにして自身の強化をするトリックを持っているってことか。
などとオレとルルが話しているとカシラは正規品の武器を一つ、近くの賊から借りると尋常ではない速さと膂力で裏切り者たちを肉塊に変えていた。
圧倒的な力の差に三度目の大歓声。
オレの胸がちくりとしたのは請願の影響を与えられたからか?
……ううん、請願のことは専門外すぎてわからないんだよな。
「ちょっとしたイレギュラーはあったが、気にするな!
さあ、マシアスのヤサぁ……荒らしに行くぞぉ!!」
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ここでの人物データの初出時は、名前が出たタイミングを参照しています。
例えば008でイセリナ自身が出てきていますが、名前が出たのが009なら初出は009になります。
ネームドのみを記載しています。どんなに目立っていても名前が出てない人は記載されていません。
外見や行動が目立っていて、「後々出てきそう!」って雰囲気があってもネームドでなければ記載していません。
ネームドでも名前だけしか出てきてない場合も記載してません。定食屋で働いているシャーロットちゃんとか。
◆ヤルバッツィ
初出|005_継暦133年_夏/01
職能|戦士 装備|木こりの斧
身長|176cm 体格|がっしり 年齢|10代後半
ビウモード冒険者ギルドの駆け出し冒険者。
グラム曰く『褒めて伸ばすタイプの男』。
愛称は『ヤルバ』。
◆ウィミニア
初出|005_継暦133年_夏/01
職能|僧兵 装備|メイス、小盾、軽甲冑
身長|166cm 体格|締まっている 年齢|10代後半
ビウモード冒険者ギルドの駆け出し冒険者。
金髪のショートカットに活発そうな雰囲気。
癒やしの請願を使えるらしい。
謝るべきときに謝れる子。
何らの宗教的なシンボルも持っていないことから元僧職だと思われる。
◆ルカルシ
初出|005_継暦133年_夏/01
職能|魔術士 装備|杖
身長|140cm 体格|平坦 年齢|10代中頃
ビウモード冒険者ギルドの駆け出し冒険者。
片腕がない。
魔術を詠唱なしで発動できる特徴を持つ。
◆アルティア
初出|007_継暦135年_冬/04
職能|商人? 装備|なし
身長|180cm 体格|細マッチョ 年齢|20代中頃
メイバラから来てマーケットを開いた男性。
赤毛の蓬髪が特徴的で、カリスマがある。
◆ハルティア
初出|007_継暦135年_冬/04
職能|子供 装備|なし
身長|138cm 体格|少女 年齢|10才
アルティアの娘。
利発。
主人公にぶん投げられた経験あり。
◆イセリナ
初出|009_継暦141年_春/08
職能|受付嬢 装備|なし
身長|163cm 体格|恵まれている 年齢|20代前半
ルルシエット冒険者ギルドの受付嬢。
長い金髪に整った顔立ち、面倒見のいい性格。
事務方のスペシャリストでもあり、多くの事務に弱い冒険者は彼女に助けられている。
過去にビウモードで何かがあったらしい。
◆ガドバル
初出|009_継暦141年_春/08
職能|戦士 装備|大剣
身長|183cm 体格|マッスル 年齢|20代中頃
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
鉄色位階の冒険者。
◆フェリシティ
初出|009_継暦141年_春/08
職能|僧兵 装備|大盾
身長|158cm 体格|恵まれている 年齢|10代中頃
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
ヴィルグラムと年齢が近いこともあってか、過保護気味。
聖堂の猟犬と呼ばれていた過去があるらしく、聖堂の関係者(元関係者)のようだ。
愛称は『フェリ』。
◆ニチリン
初出|009_継暦141年_春/08
職能|斥候 装備|戦輪
身長|173cm 体格|布まみれ 年齢|布まみれ
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
斥候であるが、当人曰く職能は『ニンジャ』。
語尾がゴザル。
愛称は『リン』。
◆カグナット
初出|011_継暦141年_春/08
職能|商人 装備|大きな背負子
身長|144cm 体格|年齢相応 年齢|10代中頃
ルルシエットを中心としたエリアの行商。
父親(故人)がルルシエット冒険者ギルドのギルドマスターであり、
その引き継ぎ的に同ギルドの幹部の椅子を持っている。
一人称が『ウチ』。
◆ローム
初出|012_継暦141年_春/08
職能|戦士 装備|大斧、全身甲冑
身長|160cm 体格|ムキムキ 年齢|40代に見える
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
鉄色位階。
ドワーフなので実年齢が不明。ドワーフはヒト族より長生き。
◆ナスダ
初出|013_継暦141年_春/08
職能|戦士 装備|初級者向けの剣
身長|166cm 体格|普通 年齢|10代中頃
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
黄色位階。
きれい好き。カレー作りが上手い。
トマスの相棒。トマスよりやや多弁。
かつての仲間にズノイ、ポール、シャーロットという人物がいたらしい。
◆トマス
初出|013_継暦141年_春/08
職能|戦士 装備|初級者向けの剣
身長|162cm 体格|普通 年齢|10代中頃
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
黄色位階。
きれい好き。カレー作りが上手い。
ナスダの相棒。ナスダよりやや大食い。
◆ギネセス
初出|013_継暦141年_春/08
職能|剣士 装備|故知らぬ魔剣
身長|177cm 体格|がっしり 年齢|20代後半
ルルシエット冒険者ギルドの冒険者。
鉄色位階。黒剣のギネセスとも呼ばれている。
無形剣と呼ばれる、剣を模した力で遠距離から攻撃ができる。
ルルシエットでも上位の実力者。
◆セニア
初出|015_継暦141年_春/08
職能|メイド 装備|ロングスカートのメイド服とメイド装備一式
身長|184cm 体格|とても恵まれている 年齢|20代中頃
カルザハリ王国の少年王に仕えていたメイド。
最終防壁と二つ名を与えられていたというのに少年王を守ることができず、結果として幽霊となった。
素手による戦闘をこなす他、投擲術などにも秀でている。
アンデッドであるための楔であったギネセスの先祖が消えたはずだが、楔が別のものにでも移ったかのように存在を続けている。
◆スオウ
初出|019_継暦141年_春/09
職能|武士 装備|刀
身長|149cm 体格|ほそい 年齢|10代中頃
東方から流れてきた少女。
正義感と独自の倫理観で生きている。
剣の腕は冴えているが、未だ成長途上。
ゼログを相棒と呼び、これから先の人生も共に歩めると信じていた。
◆ティリオ
初出|020_継暦141年_春/09
職能|魔術学者 装備|なし
身長|167cm 体格|ガリ 年齢|10代後半
イミュズ魔術ギルドの学者。
研究内容はドブ川をキレイにするための魔術の開発。
凄まじい多弁で、他者を情報量で押し潰そうとする無意識の悪癖がある。
魔術士と魔術学者の違いは戦闘を指向できるかどうかの差が大きい。
逆に言えばその程度の差とも言える。
◆アルドハース
初出|022_継暦141年_春/09
職能|行動騎士 装備|刀、全身甲冑
身長|174cm 体格|恵まれている 年齢|20代中頃
ツイクノクの行動騎士。
スオウと同じ、刀と呼ばれる武器を扱う。
種族は蜥人のようで、尻尾を手足のごとくに扱える。
ゼログに対して同病相憐れむような感情を向け、亡骸を相棒であるスオウの元へ運んだ。
◆ヘンソン
初出|023_継暦141年_春
職能|町長 装備|ツイクノク伯爵家の色んな情報
身長|169cm 体格|太め 年齢|40代後半
ツイクノク伯爵家の人間。
同家に裏切られたためイズミストへと亡命した。
◆ドップイネス
初出|025_継暦141年_夏/01
職能|御用商人 装備|仕立ての良い服
身長|154cm 体格|太い 年齢|50代前半
ツイクノクの御用商人。
人材を始め多くのものを取引材料にしている。
権力を愛しており、やがては伯爵に次ぐ権力を得ようとしている。自分を守るブルコ、ジャド、オーフスの三人の実力を信用している。
◆ジャド
初出|025_継暦141年_夏/01
職能|剣士 装備|片手剣、軽甲冑
身長|173cm 体格|がっちり 年齢|20代後半
ドップイネスの護衛。
元は闘技場で戦っていたが、運営が潰れて売り払われた。
◆レティレト
初出|026_継暦141年_夏/01
職能|魔術士? 装備|なし
身長|142cm 体格|少女体型 年齢|10代前半
ドップイネスがウィミニアに献上するために運んでいた少女。
『不朽のレティレト』と呼ばれており、どうにも危険な存在だったらしいが、ドップイネスが何かしらをした結果無力な状態になっていた(らしい)。
グラムの血液を利用し、魔術を起動していた。
◆キース
初出|026_継暦141年_夏/01
職能|魔術士 装備|なし
身長|159cm 体格|ガリ 年齢|30代前半
ドップイネスに雇われた魔術士だが、その学識などから秘書としての役割をさせていた。
魔術士としての大成を諦めきれず、グラム撃破後にレティレトを連れてビウモードのウィミニアのもとに転職を求めた。
オーフスの持ち味である『暗殺魔術』を見て覚える辺り、魔術士としての才能は秘めている可能性もある。
◆オーフス
初出|026_継暦141年_夏/01
職能|魔術士 装備|軽甲冑
身長|179cm 体格|普通 年齢|30代前半
ドップイネスの護衛。
魔術士であり、『暗殺魔術』と呼ばれる熱(体温)に反応する鋭利な刃を発生させるものを使うのが得意。
基本的に一方的な戦いばかりで、自分が危険な立ち位置に来ることがないせいで、そこを衝かれて撃破されている。
◆ビウモード
初出|028_継暦141年_夏/02
職能|伯爵 装備|不明
身長|183cm 体格|がっしり 年齢|33
ビウモード伯爵。
知識を得る特異な請願を手にしてから性格が変わったらしい。
◆ルル
初出|028_継暦141年_夏/02
職能|賊 装備|賊っぽい鎧
身長|166cm 体格|恵まれている 年齢|20代前半
賊らしくない雰囲気を持つ女賊。
ルルシエットの方角を見てから名乗った。恐らく偽名であろう。
◆ゴーダッド
初出|029_継暦141年_夏/02
職能|カシラ 装備|賊っぽい鎧
身長|200cm 体格|超ムキムキ 年齢|30代前半
流れ者が多く行き着く賊の群れのカシラ。
『許容者ゴーダッド』と呼ばれることもある。
それは彼が扱う請願《容赦》に由来するのかもしれない。
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土地の情報は全て、ルルシエットを中央であるという仮定で説明されます。
但し、これはシナリオ目線での中央であり、実際にこの世界の地図や話題などでルルシエットが世界の中心であるというわけではありません。
◆ルルシエット
場所|中央
相続戦争において主役とも言える勢力を誇っていた一つ。
ビウモード伯爵家との戦いを長く続けていたが、最終的には互いの疲弊を以て休戦の約束を交わした。
巨大な城郭都市であり、商業・娯楽の両面で大いに発達している
また、ルルシエット冒険者ギルドは、冒険者ギルドの中でも最高峰の成績を誇っており、ルルシエットで功績を挙げたということは冒険者にとっての一つのステータスともなっている。
◆ビウモード
場所:西
相続戦争においてルルシエットと永く戦い続けてきた伯爵の首都。
城郭都市。
商業、娯楽においてはルルシエットに劣るものの、軍事や武具、魔術、請願などの技術水準で並ぶか、一部は上回っている。
◆メイバラ
場所|イミュズの北
ルルシエットからはかなり離れた場所にある土地。
アルティアやハルティアの故国。
◆イミュズ
場所|ビウモードの北西
自然の要害に守られた土地であるため、学術系のギルドが連絡会と呼ぶ組織の、その本部を置くことになった場所。
その影響から文化的な発展が非常に強い。
連絡会は中立中庸を謳っているが、そこに所属する組織はその限りではないため、しばしば問題が起こる。
◆ツイクノク
場所|北東
ビウモードと半ば同盟状態にある都市。
軍事力を求めすぎた結果、お財布が寂しくなってしまった。
人材商を大っぴらに御用商人や重要なポストに就かせたりするなど、評判はかなり悪い。
◆イズミスト
場所|ツイクノクの北東
ツイクノクに睨まれているものの、とりあえず現状は平和な土地。
鳥の水煮が名物。
◆ペンシク
場所|南
ルルシエットの衛星都市。
現在はルルシエット伯爵とその軍や協力者が身を寄せている。
元々ルルシエットでは規模的に限界があった商業活動を支えるため、より大規模な商業を進めるために作られた。
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既出用語の一部を簡単に纏めておきます。
◆超能力
突然変異的に個体が持つ能力。
一世代限りの能力であり、再現性がない。
技巧、魔術、請願より上位に存在するものというわけではない。
◆技巧
修練次第で獲得できる能力を『技術』や『技能』というのであれば、技巧はそれらが一歩深い場所に入ったもの。
超能力を扱えるレベルまでダウンサイジングしたものとも言われているが、実際には元の超能力に匹敵、或いは凌駕するケースもある。
◆魔術
詠唱とインクを利用し、特定の過程や結果を発生させる力。
火の玉が飛んでいって相手に当たると爆発する、という過程と結果を作り出せるのが魔術。
詠唱やインクなどを変化させることで無限にバリエーションを増やすことができるものの、アドリブでそういうことをすると暴発して自分に返ってくる可能性もあって大変危険。
◆請願
インクを扱い、請願の名前を乗せることで特定の過程や結果を発生させる力。
魔術との違いは詠唱やインク、或いはそこに関わる技術的、知識的な部分を必要とせず、自分が適応できる請願の素と実際に触れることで使用することができるようになる点。
ただ、請願は魔術のような自由度が殆どないという弱点がある。
◆忌道
技巧、魔術、請願のような特定のカテゴリというよりも、それらのカテゴリの中で禁忌、封印するべきものとされるものが押し込まれる枠。
◆インク
魔術や請願、一部の技巧を扱う上で絶対に必要な力の源。
生まれ持ったインクの量がある種の才能ではあるものの、
心理的な抑圧や解放、変化などによって増量することもある。




