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第30話 急いでます


 ――翌朝、月曜日。


 早朝トレーニングを終え、制服に袖を通した俺は朝食を食べていた。

 すると、シャルも制服を着て部屋から出てきた。

 入学が決まった時点で亜美と買いに行き、手に入れていた代物だ。


 フランス人美少女に制服……プロ野球選手が金属バットを使うようなズルさがあるな。


「おはよう、シャル。早いな」

「おはよう。転入前に先生と面談するのよ、龍二は?」

「俺は堂島に6時に呼び出されててな。さっさとケリつけてぇから行ってやろうと思ってる」


 スマホで海外のニュースを読みつつ、食パンを食べながら優雅にコーヒーを飲む。

 そんな俺を見て、シャルは眉をひそめた。


「すでに6時なんだけど?」

「おう、だから急いでるだろ。シャルも朝食食うなら作ってやるぞ」

「はぁ、全く。日本人は時間に厳しいって聞いてたんだけどなぁ」


 そう言いながら、シャルはパンと卵を用意してフライパンに油をひく。

 どうやら自分で作るらしい。


「じゃあ、そろそろ行ってやるか。シャルは学校の場所、分かるのか?」

「大丈夫よ、亜美さんに案内してもらったから」

「そうか、ちゃんと遅刻しないで行けよ」

「どの口が言うのかしら?」


 パンの上に綺麗な目玉焼きを載せながら、シャルはあきれ顔だ。

 俺は教科書が入ったスクールバッグを手に家を出て行った。


       ◇◇◇


 校門を通り過ぎたところで、俺は突然襲われた。

 襲われたというか、腕を引っ張られて校舎の陰に連れてこられた。

 目の前には何やら鬼気迫った表情の山城。

 そう、こいつに襲われたのだ。


「アンタ! なんで来てるのよ! 堂島がアンタを殺そうとしてるって言ったでしょ? 大人しく不登校になりなさいよ!」


 不登校になれという新しい脅し文句。

 いや、元をたどればお前がキッカケで虐められてるんだが……?

 なんてツッコミはもはやどうでも良く、俺はそのまま教室に向かう。


「話し合えば大丈夫だって。俺があいつに句読点の使い方もちゃんと教えてやるし」

「そんなハズないでしょ! ていうか、そもそもアンタ遅刻してるし!」

「これでも急いだんだぜ? 朝食の食パンも5枚しか食べてない」

「滅茶苦茶食べてるし、急ぐどころかあくびしながら歩いてるじゃない! ていうか、そんなのどうでも良いから堂島たちに見つかる前に――」


「よう、伏見。テメェ、髪型を変えれば俺にバレねぇとでも思ったか?」


 そして、校舎に入ると堂島たちに見つかった。


 すでに俺が血祭りに上げられる様子を期待しているのだろう。


 周囲には俺のクラスメート達がニヤニヤと気味の悪い笑顔を浮かべながらスマホで動画を撮影している。

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