第6章
唯「私、霊能者の祖母に連絡してみる」
翔子「唯ちゃんのおばあちゃんって霊能者だったんだ!これでなんとかなるかもね!」
唯「うん、きっとおばあちゃんがなんとかしてくれる」
私は祖母の家に電話した。
しかし...
唯「翔子ちゃん...おばあちゃんでない...」
受話器口から発信音だけが鳴り響く...
翔子「と、とりあえずさ...この部屋から出よう...ここに居るの怖いし、もしかしたら外に居る内にかかったくるかも...」
唯「うん...そうだね...」
私と翔子ちゃんは部屋を出た。
翔子「とりあえずどこに行く...?また次の場所であの女性に襲われたりしないかな...?」
翔子ちゃんは不安そうに話した。
唯「たぶん人がいっぱい居る所なら大丈夫だと思う...」
唯「昨日もケーキ屋とか人がいっぱい居る所ではまったく気配が感じられなかったの...」
翔子「そうなんだ...」
唯「とりあえず駅前の喫茶店にいこうか...あそこなら人も沢山居るだろうし...」
私達は人が沢山居そうな駅前のお店に向かった。
喫茶店に着いたが依然として祖母から電話はこない...
唯「私、お母さんにも電話してみる...」
翔子「う、うん、分かった...」
私は母にも電話した。
........
母も出ない
唯「だめだ..お母さんも出ない...」
翔子「そんな...」
私達はこの事実に暫く無言になってしまった...
翔子「ねえ、唯ちゃん、あの女性は引っ越してから出てくるようになったんだよね?」
唯「う、うん...」
翔子「不動産にいってみない?もしかしら不動産の人なんか知ってるかも...」
唯「確かにそうだね...行ってみようか...」
私達は手掛かりを探すべく、不動産にむかった
不動産
唯「翔子ちゃん、ここだね」
翔子「うん、入ろう」
私達は不動産のドアを開けた。
中に入るとお客さん用の1つの細長い机にスーツを着た男の人がずらっと並んでいた。
男の人の前に必ずイスが1つある。
ドアの右脇に小さなテーブルの前にお姉さんが立っていた。
ここで受付するのかな?
そんな顔をしているとそのお姉さんが話しかけてきた。
お姉さん「いらっしゃいませ」
お姉さん「お客様、今日はどういったご用件ですか?」
唯「はい、この伊澤コーポレーションさんの物件に住んでるのですが、そちらについて伺いたいです。」
そう答えるとお姉さんは近くの小さなテーブルにあるメモ書きとペンを持ち
お姉さん「かしこまりました。お客様のお名前お住いの住所と、マンションアパートでしたらそちらの名前をこちらのメモ紙に記載ください。
書く際はこちらのテーブルをお使いください。」
唯「あ、はいわかりました。」
メモ紙を受け取り、お姉さんの指示通りに書いた。
唯「こちらでお願いします。」
書いた紙をお姉さんに渡す。
お姉さん「ありがとうございます。ただいまお調べしますので、そちらでお掛けになってお待ちください。」
書いた紙を受け取ったお姉さんは近くのイスに私達を案内した。
唯「ありがとうございます。」
翔子「ありがとうございます。」
私達は案内されたイスに掛けた。
お姉さんはメモ書きをスーツの男の人に渡す。
お姉さん「自店の物件にお住いの方で、住まいについて伺いたいとのことです。お願いします。」
スーツの人「うん。ありがとう。」
受け取ったスーツの人は目の前のパソコンでメモ書きを見ながらマウスをクリックする。
しばらくするとスーツの人は顔色を変え、店の中のドアを開け奥の部屋に入っていた。
やっぱりなにかあるのかな?
そしてまたしばらくして
スーツの男の人と他のスーツの男の人が出てきた。
あ、あのアパートを決めた時の担当の人だ。
担当の人が私の所に駆け寄る。
担当の人「おまたせしました。近藤様こちらでお話伺います。お連れの方もご一緒に話されますか?」
唯「あ、はい、お願いします」
担当の人「畏まりました」
私達は左側にある仕切りがついてるテーブルに案内された。
そこはテーブルとソファーがある。
担当の人「こちらにおかけください。」
唯「はい」
翔子「はい」
私達はソファーに腰掛ける。担当の人も腰掛ける。
担当の人「ではお話伺いたいと思いますので、お願いします。」
私は話し始める。
唯「はい。実は信じ難いお話なのでずが数日前から…」
ここ数日家鳴りにあった話をする。
話をしている最中、担当の人半信半疑の顔をしていた。
唯「…なにか、あの202号室でそーゆうことがあったという話はきてないですか?」
担当の人「そうですね…信じ難い話ですね… 今の所そういった話はきてないですね…」
担当の人はなんというか私を怒らせないように気を使いながら答えた。
いやいやそんな幽霊とかいないからという顔だ
唯「そうですか…前に住んでた人からもそんな話は出てないという事ですよね…
前の人はいつ頃あの部屋出られたんですか?」
この話をすると、担当の人が姿勢を正し始めた。
担当「実はあの前の住人さんもうお亡くなりになってるんです。」
私達ははそれを聞いて驚いた。
唯「えっ!そうなんですか?」
担当「ええ。アパートの公園で事件に巻き込まれましてお亡くなりになったんです。」
私はその話を聞き、怒りが込み上げてきた。
翔子ちゃんも同じ気持ちだったのか、先に担当の人に喰ってかかっていた
翔子「おかしくないですか!?そんな物件貸していいんですか?」
さらに続ける翔子ちゃん
翔子「さっきから黙って聞いてましたけど、担当さん今の話信じてないですよね?!」
すると担当さんは慌てふためき
担当さん「お、落ち着いてください!我が社と致しましては常日頃、お客様に安心して住んで頂くように提供させて頂いております。」
担当さん「お2人方にそのような気持ちは一切ございません!」
さらに担当さんは続ける
担当さん「今回のケースは自店の物件で亡くなっていないので会社規定としてはお客様にお貸ししても大丈夫なケースなのです。どうか落ち着いてください。」
さすがのこれに私も担当さんに
唯「それはそちらの都合ですよね!
だったとしてもなんで入居の取り決めの時に言わなかったんですか!」
部屋中に大きな声が響き渡る
担当さん「お、落ち着いてください!事件は3年前に起こりましてそれ以降はあのアパートの住人さんからそういったご報告も頂いてなかったのです」
唯「そんな!じゃー私まだあの部屋に住まなきゃいけないんですか。ううぅ。」
思わず私は泣き出してしまった。
翔子「唯ちゃん...」
伊澤コーポレーションは悪くない。
でもあの部屋に住みづつけるのだけはイヤ!
そんな私を見て担当さんはどうしたらいいかわからないという顔をしている。
すると他のスーツの人が入ってきた。
他の人「失礼します。郡山くん。この子達の言ってる事は本当かもしれない。
とても演技で泣いてるとは思えない。」
担当さん「か、川村さん!」
担当さんは驚いている。
そしてその川村さんは郡山さんの隣に座り、私に向かって話し始めた。
川村「失礼します。私川村と申します。お話、後ろで聞かせて頂きました。3年前にあの物件を担当していました。」
唯「あ、はい…」
少し泣き止む私
川村さんはさらに続ける
川村「この郡山の言う通り、特にあのアパートでは悪い報告は頂いないです。ですが近藤さん方の今の状態からすると本当の事だと思われます。
こちらと致しましては、1度お部屋見させて頂けたらと思います。いかがでしょうか?」
唯「あ、はい、そうですね…
できれば1度見て頂きたいです。」
もしかしたらあの部屋出られて他の部屋にうつれるかも。
川村「郡山くん、すぐに車を出しなさい。表にまわしてくれ。」
郡山「わかりました。」
郡山さんは店の中のドアを開け車を取りに行った。
翔子「とりあえず良かったね唯ちゃん...」
唯「うん...」
そして、私、翔子ちゃん、郡山さん、川村さんと共にアパートに向かった。
アパート 202号室
私は鍵を開け翔子ちゃんと不動産の2人を中に入れた。
そして2人に部屋の天井で家鳴りが起き、女性が現れると説明した。
2人は脚立を使い天井を調べた。調べるといっても叩く程度だった。
天井の隅々まで調べた2人。
川村さんが口を開く
川村「そうですね、、特になにもわからないというのが率直な意見ですね。。家鳴りが起こるのは基本的に夜ですか?」
唯「はい、そうです。」
それを聞いた郡山さんが
郡山「いやー、実は夢をみていたのかとじゃないんですか?」
唯「そんなことないです!」
私は郡山さんの態度にまた怒りが込み上がる。
すると川村さんが郡山さんを制し
川村「やめたまえ。郡山くん。彼女の話は本当だ。」
唯「これを見ても信じられないですか?」
私は腕と左足にある掴み後を見せた。
郡山「え!?」
川村「こ、これは!?」
2人とも驚いている。
川村「すいません、そちら良く見せてもらってもよろしいですか?」
唯「いいですよ。」
私は腕の掴み後から見せた。
川村「こ、これは女の人の手の跡、女の人でここまで深く掴み跡をつけれる人はそうそういないですね…」
唯「そうですね。」
川村さんは少し考えてから
川村「わかりました。近藤様には当社から別の別件を紹介させて頂きます。引っ越し費用等々はこちらで保証いたします。」
私はあまりの良すぎる提案に驚いてしまった。
唯「え、そこまでいいんですか?」
川村さんは笑顔で
川村「ええ、大丈夫です。元々審査にかかった物件に関しましては保証が多くついております。
入居1ヶ月以内で自店の物件に移動する場合は保証がきくようになっております。」
唯「そうなんですね。ありがとうございます。」
私は頭をさげてお礼をした。
川村「ただ、色々と処理がございまして、物件変更処理などがあります。
早くて明日に引っ越してもらう流れになるかと思います。そちらはよろしいでしょうか?」
川村さんは少し申し訳なさそうにして話した。
唯「あ、はい。大丈夫です。」
川村「ありがとうございます。では明日当社におこしください。」
そして2人は挨拶をして帰っていた。
翔子「良かったね唯ちゃん...」
唯「うん...とりあえず荷造りしないとね!」
翔子「私も手伝うよ!」
私と翔子ちゃんは引っ越すように荷造りをした。
一通り荷造りを終えた私達
翔子「唯ちゃん...電話ってまだこない...?」
唯「ちょっと待って...」
私はスマホの画面をみる。
不在着信なし
唯「きてない...」
翔子「そんな...」
また黙り込む2人
唯「翔子ちゃん...一緒におばあちゃんの家、修善寺に行かない?」
翔子「え...そうだね...直接行けば会えるしなんとかなるね!」
唯「うん、きっと行けばなんとかなるよ!」
私達2人は修善寺に向かった。