第5章
深夜1:20
翔子の部屋
スースー
カンカン!!
カンカン!!
う、ううん…
なんか鳴ってる…
カンカン!
カンカン!
カンカン!
う、ううん、あの家鳴りの音…?
え!?
私は思わず飛び起きてしまった。
こ、この音は…
もう一度この音を聴きなおす。
あの家鳴りの音!?
チョット待って私、今翔子ちゃんの家にいるんだよ!
な、なんで!?
唯「翔子ちゃん起きてる?」
翔子「……」
寝てる。。こんなに大きな音が鳴っていのに起きないなんて…
もしかして私にしか聞こえないの?
ピピピピ
ピピピピ
ピピピピ
え、うそ…
またお、音が近づいてくる。
翔子ちゃんはまったく起きる気配はない。
い、いや!
私は昨日の恐怖が蘇り、慌ててふとんの中に入り込む。
そして目を瞑る。
私は蒼ざめてわなわなと震えてしまった。
お願い来ないで。
来ないで来ないで来ないで来ないで。
私は願った。
願い続けた。
安心したいという願いから両腕をさする。
お願いします。
お願いします。
お願いします。
しかし。
サーーー
そう思い続けている私に冷たい風が突き抜ける。
そしてそれと同時に家鳴りが消えた。
!!!
い、痛い!
ひ、左腕が痛い!!
それと同時に目を開ける。
キャ、キャアアア!
せ、鮮血女性が目の前にいる。
ふとんの中で横たわる私に向かいあうように鮮血女性が横たわっている。
そして、ジッとこちらを睨んでいる。
な、なんで!?あの部屋にいないのに鮮血女性が目の前にいるの!?
や、やだ!やだよ!
そして睨んでいた鮮血女性が口を開く
『逃がさないから…」
え!?何を言ってるの!?
『逃がさないから!!!」
鮮血女性は大声を出した!
唯「い、いやああああ!!」
私は気を失ってしまった。
………
こ、ここは…
小学校の教室…?
私はなぜたか、小学校の教室にいるみたいだ。
1人の男の子がクラスメートの机の中をゴソゴソあさっている。
それをクラスメートの子達がニヤニヤしながら見ている。
ガラガラ
女の子が教室に入ってきてその机に座った。
そして中からなにかを出そうとしている。
教科書だ。
教科書を出した。
教科書を出した瞬間
ボタボタボタ
なにか沢山落ちてきた。
む、虫?!
沢山の虫が女の子の膝に。
ダンゴ虫、芋虫、毛虫、
女の子は慌てて椅子から倒れる。
その様を見るやいなや
あはははは!
クラスメートは一斉に爆笑した。
うわー気持ち悪いー!
アイツ机の中で虫飼ってんのかよ
やだー〇〇(奇怪な音を入れる)さん気持ち悪いー。
うん?名前が聞こえない?
〇〇(奇怪な音)キモイ!
〇〇(奇怪な音)キモイ!
〇〇(奇怪な音)キモイ!
そうかこの子イジメられてるんだ。
でも名前だけ聞こえない…
とにかく、あの子助けなきゃ!
唯「みんな!やめなよ!」
そう言って私は女の子に駆け寄る。
女の子は下を向いている。髪の毛で顔が見えない。
唯「大丈夫?」
女の子は無言だ。
唯「とりあえず、この教室からでよう。」
私は女の子を連れて教室からでる。
相変わらず女の子は下を向いている。
唯「ひどいことするね。私はあなたの味方だよ」
女の子を連れながら優しい言葉をかける。
すると
女の子「本当に?」
女の子が私にそう答えた。
唯「本当だよ。安心して。」
すると女の子は
女の子「じゃー、私の為に死んで。」
唯「え?!」
それを聞いて私は驚いた。
さらに繰り返す女の子
女の子「死んでって言ってるの。」
この子気が動転してるかな?私はさらに優しい言葉をかける
唯「ど、どうしたの?私はあなたの味方だよ?こ、怖がらないで...」
すると女の子は髪の毛から顔を覗かせながら
女の子「死んでって言ってるの!!!!」
鮮血女性!!
唯「キャアアアア!!」
私は女の子が鮮血女性だと分かり、気を失ってしまった。
翔子「う、うんん」
私は目を覚ました。
ベッド下の唯ちゃんを見る。
翔子「まだ唯ちゃん寝てる」
翔子「よーし、せっかく唯ちゃん来たし、朝ごはん豪勢にしちゃおうかな!」
私は唯ちゃんが起きないようにそーと歩き、台所で支度を始めた。
翔子「卵焼きは外せないよね!」
カンカン!
カンカン!
カンカン!
翔子「あれ?洗面所から何か音してる?」
私は洗面所に目を向ける。
ピピピ!
ピピピ!
ピピピ!
依然として音がしてる。
なんだろう?
私は気になって洗面所に向かった。
そしてドアを開けた。
特に何もないなー。
お風呂場かな?
お風呂場の扉を開ける
こっちも特にないかな。
そして洗面所を背にまた台所に戻る
気のせいかな?
サーーーー
翔子「う...」
冷たい風が私を吹き抜けた。
もわっ
肌に張り付くような重い空気を感じた。
そして後ろに何かいる。
私は思わず振り向いてしまった。
翔子「きゃ、きゃあああ!!」
洗面所に髪の長いじょ、女性!?女性が下を向いてたっている。
翔子「え?!何この人!?」
この女性の恐ろしい空気に私はその場に腰を抜かしてしまう。
女性が右手から左腕に刺さっているクギを抜き始めた
グ、グ、グ、グチャ
肉が千切れる音...
そして私に視線を合わせ、近づいてくる。
翔子「い、いや、やめて!!!」
私は思わず叫び声をあげた。
唯「はっ!」
あれ?今小学生が...夢...?
近づいてきた女性は左横を向いた。
唯ちゃんの方を見てる...?
女性は顔を下向きにしてお風呂場の方向に消えていった。
スーーーーー
わ、私助かったの...?
え?!翔子ちゃん...座り込んでる。ま、まさか!?
私は翔子ちゃんが座り込んでる様を見て、理解してしまった。
そしてそれと同時にあの家鳴りがこの家で起きた事も思い出してしまった。
唯「しょ、翔子ちゃん...」
翔子「あ、唯ちゃん...あ、あのね...変な女性に襲われたの...」
翔子ちゃんは声を震わせながら私に呟いた...
やっぱり...あの女性に襲われたんだ..
唯「翔子ちゃん、もしかしてその女性、顔が血だらけじゃなかった...?」
それを聞いた翔子ちゃんの表情が変わった。
翔子「え...?そうだけど...なんで知ってるの...?」
唯「実はここ最近私の部屋で起きていた家鳴りの正体は...」
唯「その女性の仕業なの...」
翔子「え...それって...」
普段優しい笑顔の翔子ちゃんの表情が変わった
翔子「なんで言わなかったの!?唯ちゃん!ねえ!」
翔子ちゃんは私の体揺らした。なんども
翔子「え...唯ちゃん...この腕の掴み跡...」
唯「うん...そうなんだ...」
私はついつい泣いてしまった。
翔子「唯ちゃん...」
翔子「そうだよね...一番怖い目にあってたのは唯ちゃんなんだよね...」
翔子ちゃんは私を抱きしめた。
唯「翔子ちゃん...巻き込んでごめんなさい...」
翔子「ううん...私こそひどい事言ってごめんね...」
私と翔子ちゃんはしばらく女性が残していった恐怖でその場を動けないでいた。