第10章
電車の中
唯「悟浄君、綾女さんの実家の親御さんに確認とかってとったの?」
悟浄君の表情が変わった
悟浄「実は...綾女の親御さん亡くなってるんです」
唯「え?!」
翔子「そうなんですか!?」
当然翔子ちゃんも驚いている
悟浄「ええ、これを見てもらってもいいですか」
悟浄君はスマホを取り出し、画面を私達に見せる。
そこには
20日伊豆市の別荘地にて8人の変死体が発見された。
8人全員はクギで一刺しされていて皆苦しんだ顔だったという。
唯「これって...」
翔子「うん...」
悟浄「間違いなく綾女の仕業でしょうね...」
私達2人は無言になる...
翔子「そんな所に行って大丈夫なんですか...?」
翔子ちゃんの反応は当然だ。私だって怖い...
悟浄「だからこそ行くんです」
悟浄君は決意した顔をしている
悟浄「僕の経験上、恐らく親に怨みがあって呪い殺したと考えられます」
唯「そ、そうなの...?」
悟浄「ええ、この8人の中にメイドも含まれていると書かれていますが、おそらくこの家の住人すべてに怨みがあったと思いますね」
翔子「そ、そんな...そんな所私行きたくない!!」
翔子ちゃんはその場にうずくまる。
そして震えている。
唯「翔子ちゃん...」
私は翔子ちゃんを抱きしめる
悟浄「確かに危険です。ですが、もうそこしか手掛かりはありません...」
唯「う、うん、そうかもね...」
でも、私だって怖いよ...
今頼れるのは悟浄君しか...
悟浄「一応すぐにはその家には入らない予定です。少し外壁などを調べてから入る予定です。」
翔子「でも、中に入るんですよね...」
悟浄「ええ、そうなりますね」
翔子「そんな...」
悟浄「最悪2人には逃げてもらえるように、僕が全力で守ります。安心してください」
唯「悟浄君...」
翔子「わ、わかりました」
「次は伊豆ー次は伊豆ー」
悟浄「着きましたね...行きましょう」
唯「うん...」
翔子「......」
私は震えている翔子ちゃんを抱え、ホームを出た。
悟浄「ここからバスに乗ります」
そして私達は綾女さんの実家の近くのバス停で降りた。
悟浄「行きましょう」
唯「うん」
翔子「はい」
実家らしき前に私達は着く、見るとそこは洋館風の豪邸だった。
唯「大きい家...」
翔子「そうだね...」
悟浄「確かにでかいですね...」
悟浄「とりあえず周りを調べてみましょう」
唯「うん...」
私達は洋館の周りを調べてみた。
周りを見ると柵が張っていて至る所に立ち入り禁止の札が張られていた。
悟浄「やはり立ち入り禁止か...」
唯「やはりって...?」
悟浄「こうゆう事故物件はだいだい立入禁止が多いんですよ」
唯「そうなんだ...」
翔子「あれ...だれかいる...」
唯「え?あ、ほんとだ...」
洋館の屋敷のちょうど裏側に位置する所に女性がいる。
お花を摘んでいる。
唯「この家の知り合いの人かな...?」
悟浄「そうかもしれないですね、もしかしら何か知ってるかもしれません」
唯「そうだね、声をかけてみようか」
翔子「うん...」
私達3人はその女性に声をかける事にした。
唯「あの...すいません...」
女性「あ、はい!」
その女性は急に声をかけられて驚いている。
唯「そのお花は、このお屋敷の方用に摘んだお花ですか?」
女性「はい、そうです...」
女性「あなた達もこのお屋敷の方の為にいらしたのですか?」
唯「あ、私達は...」
悟浄君が前に出る
悟浄「実は自分達は、信じ難いお話なのですが、この伊藤家の娘さんに呪われているんです」
唯「ちょっ、悟浄君」
そんな単刀直入に...
女性「娘さん?!」
女性は少し考えてから
女性「もしかして綾女様に...」
翔子「知ってるんですか!?」
唯「しょ、翔子ちゃん落ち着いて」
私は逸る翔子ちゃんを止めた。
唯「知ってるいるんですか...?」
女性「私、ここに勤めていたメイドだったんです」
悟浄「お話聞いてもよろしいですか」
女性「はい...」
私達4人は近くの喫茶店で女性の話を聞くことに
女性「私の名前は村田静といいます。あの屋敷のメイドとして勤めてました」
唯「私は近藤唯といいます」
翔子「松井翔子です」
悟浄「梨田悟浄です。自分は霊能者です」
静「そうですか...」
悟浄「静さんは綾女さんとはいくつの時からの付き合いなのですか?」
静「はい、私が16歳、綾女様が11歳の時からの付き合いです。私の家系は代々伊藤家に勤める仕来りで、私も若い内から勤めていました」
悟浄「綾女さんはどんな生活をされていたのですか?」
静「はい、綾女様は...」
それから静さんから綾女さんの話を聞いた
幼少期から長女と比べらた綾女さん。
成績で常にトップの長女
中間ぐらいの成績あやめさん
伊藤家では常にトップを取らないと厳しい躾をうける。
長女もその妹を見て蔑む目で見る。
学校では授業参観で親が来ない事や虐められていた。
家に帰れば母親からの虐待。
ひどい時には別荘地の裏の森林に夜吊るし上げにされ、朝までそこで吊るし上げられた。
唯「ひ、ひどい...」
翔子「う、うん...」
静「私も当時、心を痛めておりました...」
静「そして、綾女様が22歳の時に家を飛び出されて数日後に亡くなってしまって...」
静「ご不憫でした...」
唯「そうだったんですね...」
悟浄「そしてその10日後に屋敷の人は皆亡くなった。変死体となって」
私と翔子ちゃんは悟浄君のその言葉に現実に引き戻された。
そう、私達は近い将来、海堂さんやお母さんのように殺されてしまうのだ。
静「やっぱりそこまで知ってますよね...」
悟浄「唯さんすいません、あの傷跡を静さんに見せてもらえますか?」
唯「あ、うん」
私は長袖をまくり掴み跡を静さんに見せた。
静「.....う...」
静さんの表情が変わる
悟浄「僕達には一刻の猶予もありません」
悟浄「あの屋敷に入る方法はありますか?」
静さんは少し無言になる
そして
静「あります...裏口から入れます....」
悟浄「案内してください」