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悪夢

クラスメイト達は目の前で色々な能力を見たことで興奮し、

自分の能力を自慢し合っていた。


「おい、剣俺の能力は一度見た剣を作り出すことだぜ。

剣お前の能力はなんだ? ていうか剣を作るなんてお前の名前にピッタリなのに俺の能力なんだな」


「やかましいぞ。この馬鹿がお前に教える能力なんてないな」


「つれねぇこと言うなよ。剣お前と俺の中だろ俺に教えろよ」


「断る!」





「勇希君の能力ってあの光ったヤツ? なんか凄かったよね」


「ああ僕の能力は電気なんだ」


そう言い勇希は手から光を出した。


「わあ、凄い光」


「眩しい」


クラスメイトの女子達が勇希に集まり騒いでいる。


「その能力とあの能力ならあの能力のほうが勝るか、いや実際戦ってみないとやはり解からないか? 能力についてはまだ不確定要素が多いからな……」


異常者は他のクラスメイト達を見ながら、独り言をつぶやき続けていた。

俺は周囲の興味が自分に無いことを知り、部屋から出ようとする。


「やっぱり部屋に行くのか?」


「能力を使えば部屋に行ってもいい。そういう約束だったろ」


「約束だからな止めねえよ。俺は少し情報を集めてから、部屋に行くわ。先休んでろ」


言われなくてもそうするつもりだ。俺は騒がしい部屋から逃げ出すように、大部屋を出た。

大部屋の外には数人のメイドがいた。その中のメイドの一人に部屋に行くことを伝えると、

「かしこまりました。ついて来てください」と言われた。

メイドの言葉に従い、俺はそのメイドの後ろを付いていく。

「こちらのお部屋をどうぞお使いください」その言葉を聞き、

案内された事の礼をすると、メイドは微笑みながらその場を離れた。


俺は案内された部屋に入った。

部屋はどうやら一人部屋のようで、一人づつに割り当てられるみたいだ。

俺たちのクラスは四十人、転移時の大広間にいたのは三十九人、不登校児が

居なかったことを考えると転移されたのはクラスメイト全員ではなく教室内に

居る事が条件だったようだな。それと今居るこの場所は一人一部屋少なくとも

四十以上の今居る部屋と同じものが有ると言うことは、外からはまだ見てないが

ここはどうやらかなりの豪邸もしくは城らしい。


俺は部屋にあったベットに横になりそんなことを考えていた。


ベットに横になっていた時に寝てしまったのだろう。

俺は夢を見ていた。いつもの悪夢だ。

目の前で妹が殺されようとしている。俺はその光景を手に付けられた手錠をガサガサと揺らし外そうとする。だが無慈悲にもその手錠を外すことはできない。

妹が無月が目の前で殺されそうになって居るのに俺は何もできずにただ無月が殺されているのをただその場で見ていた。目の前の無月を殺した人物は俺に理解出来ない言葉で話す。当たり前だ。ここは異国の地、俺は日本語しか知らず。海外の言葉など理解できないからだ。だが何となく何を喋っているのかは解る、それは俺を俺たち家族を馬鹿にする言葉だろう。殺人鬼は俺を笑いながら、妹の前に殺された

両親の死骸とも区別できない物を指さす。次は妹のまだ暖かい死体を死後も変わらず陵辱の限りを尽くすつもりだ。俺は何度目になるか解らない叫び声を上げる。恐怖からでは無く怒りからだ。必ず殺す。俺は陵辱され続けるもう冷たくなったもう妹と区別できない死体で遊ぶ殺人鬼を睨み続けた。妹だったものを興味の無くなったおもちゃを捨てるように適当に放り投げ。こっちを見て笑う次はお前だ。そう言うように俺を見る。俺はその眼を睨み返す。絶対にこの手でこの殺人鬼を殺す妹に両親にそう誓う。

だがその誓いが果たされる事はなかった。目の前で殺人鬼が撃たれて死んだ。


「すまない。もう少し早く来られてたら……有月お前の家族は……」


そう日本語で喋る、銃を持った一真が俺に謝る。俺はその言葉を聞き一真を睨んだ。

妹の仇を打てなかったことを理解し、一真をただ睨み続けた。


ここで実際に味わったこの悪夢は終わるはずだった。

夢は終わらず何処か遠くの方から声がする。見た目は解らないが少女の声だと理解する。


(……ん、……素質が有る。……でも、まだ世界と馴染んでない)


俺はその少女の声を夢見心地に聞く。


(……まだ、契約はできない。……だけど絶対に契約する。……ん。……眠くなってきた。

…………おやすみ……またね)


俺はその声を聞き終え、目を覚ました。


俺に与えられた部屋の中には寝てる間に入ってきたのであろう一真がいた。

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