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混乱の中で

「突然魔王討伐しろとか言われたけどどういう事よ!!」


「元の世界に戻れないってどういうことだよ!!」


サンクが出ていきクラスメイトたちが自分たちの混乱を口に出す。


「大変なことになったな、有月」


コップに注がれた飲み物を飲みながら一真が話しかけてくる。


「今は食事中だ。静かにしろ一真」


俺は一真を無視し、目の前にある異世界の食事に

手を出した。この異世界では米が無くパンや肉中心の食生活のようだなと

俺は食べながら分析を続ける。


「おい、こんな状況でも普段通りかよ」


一真がこいつになにを言っても無駄だったなと諦めたような声をだす。

俺はそれを無視し食事を続ける。


「じゃあ俺が一方的に話すぞ。俺は飲み物にしか手を付けてないからな」


食事を取ってないから話しても問題ないだろと言うように一真が話続ける。


「まず今の状況だが非常にまずい状態だな。春馬の馬鹿のせいで俺たちは魔王討伐に協力するはめになっちまった。しかもどうやらサンクってやつは俺たちにできた能力を使い同盟国との戦争にも協力させようとしてやがるみたいだしな」


俺は食事をする手を一度止め一真に聞く。


「……同盟国との戦争にも手を貸す事になる。魔王討伐のみじゃないのか?」


俺は出てきた疑問に答えるように一真に聞き出す。


「ああ、サンクは、出ていく前に魔王討伐などと言った。

これは、魔王討伐以外の面倒事を俺たちの能力を使い解決させるつもりだろうな……」


一真の話を聞き、俺は中断していた食事を再開した。


「勇希のやつが上手く舵を取ってくれれば良かったんだが……

春馬のやつが二つ返事で答えやがったからな、あいつはこれからサンクの言うことは全て聞き面倒事や争いごとは俺たちクラスメイトに任せて、うまい汁だけ吸うつもりだぜ。この状況を何とかしないといけないが、この異世界の情報が足りなさすぎる。どうにかしないとな」


「……ごちそうさまでした」


クラスメイトたちが混乱をぶつけあってる中俺は食事を終わらせ静かに席をたった。


「有月お前、まさか……」


一真がなにかを察したように俺を止めようとする。

周りではクラスメイトたちが今後について言い争ってるようだ。


「部屋が用意されてるみたいだからな……先に行ってる。ここは騒がしいからな」


「有月……今の状況解ってるのか?」


俺が一真のその質問に答えようと口を開けようとすると。


「いや答えなくていい、長い付き合いだからお前の考えは全て解ってる。

部屋に行く前にお前も能力あるって言ってたよな? どんな能力なんだ? 

お前の口に糸を置いたそれに小声でいってくれないか?」


そういうと俺の口の前に糸が置かれた。


「……俺の能力か」


俺は自分の身体に力を込める。そしたら身体全体に能力が染みわたり

今まで身体でしか感じられなかった能力が本能を通し直観で理解した。

理解した能力をそのまま糸で一真に伝える。


「俺の能力は触れている物や自分自身の力を上げ下げできる。能力みたいだな」


「……なるほど解った」


一真は少し考えこんでるみたいだ。


「もう、行ってもいいか?」


「いや少し待ってくれ……その能力って間接的に触れた物にも発動するのか?」


一真のその問いに俺は答える。


「ああできるな」


「じゃあ今そこにある糸を通してそこにある種火を大きくできるか?

できるならやってくれないか? そしたら部屋に戻っていいぞ」


俺の目の前にあるテーブルの前に消えかけの小さな火があった。


「大きくしたら部屋に行っていいんだな」


「ああ俺はお前を止めない」


俺は一真に渡された糸から今にも消えそうな火に能力を込めた。

すると火は大きくなりテーブルに燃え移った。


「これでいいか、一真? 俺は部屋に戻るぞ」


一真はニヤリと笑みを浮かべた。

俺は周りを見る。するとさっきまで騒がしかった

クラスメイトたちがこっちを見ているのが解る。

ハメられた。俺は一真を睨んだ。一真は笑ったままだった

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