一方的な交渉
サンクと名乗った男に案内され俺たちは大広間から離れ
巨大な机と六十ちかいイスが配置されてる部屋にきた。
机の真ん中には大量の異国を思わせる食事が置かれていた。
クラスメイト全員が着席すると、サンクは話始めた。
「勇者の皆様、あなた方はさぞ混乱していることでしょう。
一から説明させて頂きますので、どうぞ食事をとりながら、お聞きください。」
そう言われたが俺は出された食事に手を付けず、サンクの話を聞く。
クラスメイトたちも一部を除き食事に手を付けず話に集中するみたいだ。
「我々アースライト帝国はただいま大変な危機に陥っています。
北にある魔王城からの魔物たちの進行に、東にあるユーステュラーネ同盟国からの
攻撃により多大な被害により今私が担当している植民地は崩壊寸前なのです。
そのため特別な能力を持つ勇者の皆様にお助けしていただきたく、こちらの世界に召喚させていただきました。どうか皆様の能力をお貸しください」
サンクの話を聴き、御手洗勇希が答える。
「ちょっと待ってください。俺たちはただの学生で、勇者などではありません!
特別の力など持っていませんし! 俺たちを元の世界に返してください!」
「申し訳ありませんが元の世界に返すのは現状不可能です。
それに特別な力なら持っているではありませんか? 身体に力を込めてみてください」
その言葉を聞き疑問に思いながら御手洗勇希は身体に力を込めたみたいだ。
すると彼の身体が光始めた。
「おお、それこそが勇者の能力です!! どうかその能力で帝国をお救いください」
「それと、これは話が別です! 俺たちを元の世界に返すのが不可能とはどういうことですか?」
御手洗勇希が能力を消し問いかける。
「……この世界は魔王の張った結界により、現在異世界との接触が困難な状態にあります。
この結界の割れ目を抜けあなた方を何とか召喚させて頂きましたが現在はその結界は閉じており、
結界の解除には魔王を倒す必要があるのです!!」
「いや、でも……それは……しかし……」
「そういうことなら仕方がないんじゃあねぇかァ、優等生様ァ、それよりもサンクさん。
魔王討伐に協力すればそれなりの褒賞は有るんだろうなァ?」
サンクと勇希の会話に春馬が割り込む。
「はい。それはもちろんでございます。魔王討伐後はもちろんのこと
討伐までの間のサポートも精一杯させて頂きます」
「なら、話は決まりだなァ。文句あるやつはいるかァ?」
「春馬くん勝手な行動は……」
「いねぇみてぇだな。じゃあ決まりだァ! サンクさん魔王討伐任俺たちがしっかりこなしますよ。
それまでのサポートよろしくお願いしますよォ!」
春馬が下衆な笑みを浮かべる。
「はい。魔王討伐などの件よろしくお願いします。勇者様たち。
皆様今日はお疲れのようなので細かい話などは明日説明させて頂きます。
お部屋などは準備しておりますので、皆様でどうぞごゆっくりしてください」
サンクは笑みを崩さず部屋から出た。
残された俺たちはその場にあった食事を食べたり、周りのクラスメイトたちと話始めた。