第9章 明日への希望・・・
コスモの絆☆☆☆ 第9章 明日への希望・・・
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Scene.19 失われ行く大地にて
先ほど途絶えてしまったものの宇宙船「トルストイ」との奇跡的な交信に成功した立花博士は意気揚々としていた。
おお、あいつらも無事に地球を離れて行ったな・・・それにしても浮谷の奴、「宇宙病」には勝てなかったか。優秀な奴だったが誠に残念だ。老いぼれの私より先に天命を全うするなんて、なんとも・・・
涙をこらえるあまり目の前の茶碗を引っくり返してしまった。
新しくお茶を入れよう。
それにしてもあの「マヤの古文書」の一節に登場したあの「炎の鳥」が舞い降り、こともあろうか宇宙船を誘導しているなんて・・・宇宙空間の時のなせる業か?
途方も無く過去に現れたであろう「炎の鳥」。
私も見たかったなぁ、浮谷教授にも見せたかった・・・
シェルターの窓外の様子を伺う。
多分この星の火山活動もこちらに向かってくるに違いなかろう・・・・・
そうだな、私の研究人生も無駄ではなかったろう。
そして古文書の解明も半ばにしてはいたが、新たに浮谷の愛弟子ナティス君に引き継がれたことで、私も安心して天寿を全うできよう。
嗚呼、私も会いたかったなぁ、「炎の鳥」よ!
火山活動の揺れのせいか、シェルター全体がグラッと振動する。
嗚呼もはやこれまでか・・・立花博士は覚悟を決める。
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と、次の瞬間、シェルターの窓外からまばゆい金色の光が差し込むと、眼も眩まんばかりに光量を増し始める。慌てた立花博士は外部カメラでシェルターの周囲をモニタリングする。
「こ・・・これは・・・・・」
するとそこに映し出された光景に眼を疑う。
溶岩流の赤々とした流れが迫る中、地上からシェルターが浮き上がっている様子。
そしてシェルター前方には、なんとも神々しい光を放った金色の鳥が舞っている。
そして・・・ついにその金色の鳥に導かれるようにシェルターもろとも追従する。
「ああ・・・・た・す・け・てぇ~」
恐れをなした博士の口から思わず弱々しい悲鳴が漏れる。
顔から脂汗、鼓動は急激に高まり血圧が一気に上昇するも、顔から血の気は引いてゆく。
嗚呼、あれはまさしく「炎の鳥」、どうして?
立花は眼を真ん丸くしながらモニターの発光体に食い入る。
なんということだ、いや、夢でも見ているに違いない。
だって「炎の鳥」はナティス君の船を誘導している筈なのに!
いいや、夢なんかではないぞ。まさしく「炎の鳥」だ。
そうか、私を助けに来てくれたのか。
それにしても何故に?こんなことって・・・
シェルターは旧宇宙ステーションを流用しいているから宇宙空間においても問題はない。
装備にしてもどうレベルの水準で確保されている。
気圧レベルも私一人には必要十分に安定している。
植物達も十分な食料として確保できよう。
しかし・・・・一体何処へ向かおうというのか?
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////// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆