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第73章 砂のSHADE Ⅳ・・・ -

コスモの絆☆☆☆ 第73章 砂のSHADE Ⅳ・・・ -

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


Scene.98


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――


「流石くん、流石クン、流石クン----ここは・・・何処だ?」


ナティスは意識を取り戻すと辺りを見回す。


するとそこは一面の砂漠地帯が広がっている場所であった。

そしてナティスの隣には流石の姿もある。

「SHADE」の伝授中であったナティスが今まで居た場所から何処かに飛ばされたことに気づく。

しかしそこは幸恵のいる「名もなき影」ではなく、先ほどまで居た「宇宙船・トルストイ」からしばし離れた場所の様でもあった。


「ナティスさん、目が覚めましたか。」


「ああ。それより、ここは一体どこなんだ?」


「はい、ここは恐らく「名もなき星」の外れの地点と思われます。」


「そうなのか・・・ということはだ、「SHADE」の習得中に早くもたどり着いてしまったというのかい?しかし雨宮女史及びタイ国王達と一緒に来る予定ではなかったのでは?」


「ええ、もう少し練習してから立花博士との計画を遂行する予定ではありましたが、さすがナティスさんの習得能力のおかげか、早くも到着してしまったようでして・・・・」


「しかし、雨宮さん達は無事であろうか?心配だ。」


「それはどうでしょう、彼らはまだ「SHADE」をものにしていない事でしょう。貴方ほどの能力は持ち合わせていない筈ですから。」


「そうか、ならばまだあの砂の星に居る筈だな。そのほうが良いかもしれない、私の予測からすると今回のMissionにおいては過酷を

強いられる事になろうから。きっと彼らは足手まといになったであろう。」


「きっとそうですね。彼らは単なるツアー客のような存在なので、信念を持って今回の幸恵との戦いには臨めないでしょうから。」


「そうだね。ところで君はこれから如何するつもりだい?」


「はい、私はナティスさんの護衛として身をもって戦いに臨む志であります。この先は貴方の指示に従いましょう。以前のように・・・」


「そうか、ならば私はあの宇宙空間での志を持って、再び希望を持ってこの「名もなき影」に臨むとしようか。」


「ええ、勿論です。では参りましょうか。」


こうしてナティスとこれから巻き起こる幸恵の牙城での対峙の時を志を一にして突き進んでゆく二人であった----




-*-*-*-*-*-


その頃雨宮女史とタイ国王は突然の出来事に唖然としていたのだった。

先ほどまで「SHADE」の練習をしていた彼らの隣でナティスと流石助手が閃光とともに忽然と消滅してしまったのだから――――

何とも計り知れぬその様子におののいた二人は、すっかり意気消沈してしまい、呆然と佇むことしかできないでいたのだった。

彼方でくつろいでいた立花博士が駆け寄る。只ならぬ状況を察知したのだ。



「い、一体どうしたというんだね、先ほどの閃光は?」


「ええ、突然の事でして私たちも当惑しておりまして・・・ナティスさんと流石助手がいましがた旅立たれまして・・・「SHADE」を発動して・・・」


「な、ナニィ!私が先回りしてから彼らへのMissionを言い渡すつもりだったのだが・・・流石にも口を酸っぱくしてナティスが使いこなせるようになるまで此処に留まるように伝えていたのに何ということだ。ようし、こうしてはおれん。私も荷物をまとめて後を追うことにしよう。そうそう、君達の身の安全も危惧される、幸恵たちが此処に来ないとも限らないので相馬船長指導の下、安全を確保してください、いいですね。」


そういい残すや、早速船内に荷物を取りに急ぐ立花であった――――



-*-*-*-*-*-



Scene.99


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



その頃幸恵の牙城である「惑星・名もなき影」のオフィスビルの最上階では、ナティスの失踪について幸恵たちが議論を交わしていた―――



「未だ見つからないの、浮谷。一体ナティスは何処へ消えてしまったのか予測はつかないの?」


幸恵は尖った口調で浮谷教授に詰め寄る。困り果てた感のある浮谷はAI情報を確認して予測を立てている。傍らには植物星人犬・桜がうつむいている―――


「いいですか、もう一度整理しましょう。貴方がナティスに伝えた情報は、本日私と再会する事だけだったのですね?そして桜さんもナティスの監視を遂行していただけなのですね?目を話す前までは。他に彼は何か言ってなかった?特別変わったところは無くて?」


桜が脳波で幸恵にたどたどしく話し始める。


「あの日はナティスさんとミチヨというホテルマンの女性に連れられて、此処「モモ地区」に一足先に入り散策をしておりました・・・私としても幸恵さんにお会いする前に此処の様子やこの星のアンドロイドたちのことを知られてしまう事に不安はありましたが、ナティスさんは特に念入りなご様子ではなく、かつての地球に戻ってきたような郷愁に浸っているご様子でした。前日にも彼の元同僚のマチコさんという女性と流石さんとお会いして学生時代を振り返っているご様子でしたし、過去を振り返って懐かしんでいるようで落ち着いておられましたが。」


「そう。貴方の言葉だから信憑性はありそうね。長旅の間に私のSPYであることを打ち明けたりしなかったでしょうね?ほら、長い時間共同生活するとお互いに絆が芽生える事もあるでしょうから。」


桜はしばし無言で遠くを見つめている様子となるが、幸恵の質問をはねつけるように話し始める。


「いいえ、幸恵様。決して私にはそのような事を考えはしません。生粋の植物由来の星人でありますから。人類のような思考形態にはなっておりませんので悪しからず。」


植物星人犬・桜の強い口調にフォローするように浮谷教授が口火を切る。


「きっとそのような事は無いでしょう・・・彼の「惑星・ムソルグスキィ」で立花博士のもとから貴方と出会ってすっかり見方になったではありませんか!当時から彼女の忠誠心は我々人類をも遥かに超えているような気がしていましたから。現在も此処でこのようにお座りして忠犬そのものではありませんか。」


「ハハッ、浮谷君も機の利いたジョークを言う事があるのね。この星に生まれ直してからはじめて聞いたような気がするわ。そうよね、我々のタッグも永き月日を越えてきたのですから間違いないのでしょう。よく解りましたよ、貴方方のお気持ちは。そして私達の目下の目的である、「宇宙制覇」の中心的拠点としてのこの「惑星・名もなき影」の強固なシステムが外界からの侵入者をシャットしている以上、この我々の地位は普遍である事でしょう・・・一つの脅威以外にはね。」


幸恵の言葉に二人が改まったように向き直る。


「「一つの脅威」、と仰いますと?」


「ええ・・・そのキーを握っている人物とは・・・かつての私の夫でもあった立花です。」


その答えに忘れていた立花博士の暴挙が二人の脳裏に蘇ってくるのであった――――












-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆










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