第7章 妖艶たる炎の鳥よ永遠なれ・・・
コスモの絆☆☆☆ 第7章 妖艶たる炎の鳥よ永遠なれ・・・
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~
Scene.16 トルストイの漂流
~何人も天空より舞い降りるその岩盤で出来た「炎の鳥」によって凌駕され、そして導かれる頃、新たなる至高の文明の誕生の時が訪れよう~~~
地球に居る立花博士からの交信が途絶えてからも尚、ナティスの脳裏にはマヤの呪文のような古文書からの引用が離れないでいた。
宇宙船「トルストイ」は尚も惑星ムソルグスキィの軌道を周回し続けていた。
眼前の岩盤様の未確認飛行物体から放たれる光に導かれつつ、それは徐々に加速度を増していった。まるで「炎の鳥」に誘われているのは間違いではなかろう。
当て所ない漂流は続いている。
宇宙船「トルストイ」のAI自動操舵機能はもはや意味を成していない。
これが、現実かと相馬船長と流石助手も成す術も無く行く末をみつめている。
我が船の住民の運命は、もはや「炎の鳥」に凌駕されている。
「相馬船長、此れまでの未確認飛行物体により誘導された軌跡のデータを解析したところ、どうやら此処、惑星「ムソルグスキィ」の内周へと向かっている模様です。」
「ナニィ!内周だと?ということは・・・そうか!スイング・バイを利用しようということか!この星の大気圏が途方も無く厚いため、何者かがこの飛行船の推進力のみでは着陸が困難であることを見越して、誘導しているというのかっ!」
咄嗟に理解不能な言動をする相馬の様子に驚く流石助手。
「は、せ船長!ということは・・・この星には高度生命体が存在しているという証拠でしょうか?」
「ほぅ、いよいよ君の察しも本物になってきたようだね。そうだなぁ、生命体であるかどうかはさておいて、前方に見ゆる飛行体が誘導している事は間違いなかろう。その内部に生命体が乗っているのか、はたまた操られているメカなのか、詳細は君が調べたまえ。」
流石は早速AI解析を始める。
同じく船長の言葉を耳にしたナティスは尚も古文書に詠われた一節との因果関係について思案している。
~導かれる頃、新たなる至高の文明の誕生の時が訪れる~
今の状況で惑星「ムソルグスキィ」に到着し、そして新たなる文明が誕生するということなのか?とすれば、それは我が宇宙船「トルストイ」の住民の中の何者かが主導権をとってこの星を席巻すると言う意味なのか・・・
そして、~新たなる~ ということは、既にこの星には文明が存在しているということなのだろうか・・・
妖艶にも煌びやかに舞う、まるで「炎の鳥」と化した飛行体を呆然と見据えながら、ナティスは尚も「マヤの古文書」をむさぼりながら、新たなる文明のテーゼについて模索していった。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~
Scene.17 大気圏突入へ
船長と助手は交代に就寝につきながらも地球時間24時間体制でことの行く末を辿っていた。
この星には一体どんな生命体が暮らしているのであろうか、或いは地球からの先人がトックの昔にたどり着いていて、此処に文明を築いているのだろうか。
機械文明であれば時間軸的に、私達の知りうる人類の文明を遥かに超えたレベルまで到達しているに違いない。
そこから察するとこの宇宙船をコントロール不能なまでに牽引し、加速させることも容易いのだろう。恐るべき進化が期待される。
しかしだ・・・・
果たして我が船を牽引し導く意味とは一体何であろうか。
それは私達を歓迎するものなのか?
はたまた私達を利用するためなのか?
私達に友好的なのか?
或いは私達を軽蔑するのか?
わからない・・・・・
船長と交代し操舵室前方に着くと、流石助手は前方にて誘引する「炎の鳥」を不安げに見つめている。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~
////// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆