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第6章 未知の閃光に導かれ・・・・

コスモの絆☆☆☆                  第6章 未知の閃光に導かれ・・・・



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.14 ムソルグスキィの公転浮遊


「流石君、どう思う?」


「ええと、ただ目の前の岩盤様の未確認飛行物体にひきつけられているようで・・・この状況は安全なのでしょうか?」


「え、君は僕の答えを待ってでもいるのかね?そうだなぁ、私にとっても君と同じくこの状況は未知の世界。そしてただこの宇宙ステーション船「トルストイ」は導かれるままに加速度を増しながら引き攣られている・・・ある意味運命を委ねているに等しい。流石君、僕は今現実に成す術など無いのだよ。そしてAIが80%レベルでこの船を操っているにもかかわらず、時にそれさえも機能していない・・・そう、何も出来ない・・・」


「相馬船長、この未知の状況に対して、私達の運命は全く抵抗が出来ないというのでしょうか?」


「ああ。だがね、あくまで今現在の状況下での話さ。この状況がいつまで続くとも限らず、数分後には元通りにAIが機能することだって考えられる。流石助手、怖いかね?」


「はぁ・・・今現在は・・・」


未だ閃光に包まれながら前方に漂う未確認飛行物体、それは閃光をこちらに照射しながらも、ただ惑星ムソルグスキィの公転周期にあわせて周遊している・・・その速度はやはり先ほどまでよりも上昇し続けている・・・


と、客室から操舵室に一人の男が現れる。ナティスだ。


「船長、いつになったらムソルグスキィに到着するのですか?」


「おおこれは、ナティス君。丁度良かった、君の意見も聞きたかったところで・・・」


船長はそう言うや前方に浮遊している未確認の閃光を発しながら浮遊する物体を指差す。


「私達はAIコントロールに従って「ムソルグスキィ」に突入していたのだが、先ほどからあそこに居る飛行物体に先導されながらどうやら導かれてしまった・・・今やAIも機能しないまま成す術も無く着き合わされているのだよ。」


「それって・・・では、惑星には到着しないということですか?」


「ああ・・・・」


相馬船長がそう言うと、モニター上に受信アラートが点滅する。以前同様にそれは、今や遥か遠い星となった地球からということになっていた!

流石助手は慌てたように受信の取次ぎに当たる。


「アーアー、こちら地球という星に一人取り残された立花博士と申します・・・」


その声を聞くとナティスが神経を尖らす。

船長と助手も内容に聞き入る。


「受信できていましたら此れ幸い、私は終末を迎えております此処地球においての最期の高等生物となってしまった人類にあります・・・かつてこの星は青く美しい・・・・」


と、流石助手から交信手配が可能になったと知らせが入る。

ナティスが思わず受信機のマイクに寄る。


「立花さん、応答せよ!」


「え、おお、これは何ということだ!あ、あああ立花だが・・・」


「私は立花博士の旧友であります浮谷教授の愛弟子の・・・ナティスと申します!」


「浮谷!・・・おお、生きておったか!アーアー応答せよ。」


「え、いえ。教授は先般、宇宙病により他界されました・・・そして私が使命を仰ぎ教授の研究を引き継ぐことになりました・・・」


「ナニィ、宇宙病で・・・そうか、アイツ、死におったか。」


暫くの間沈黙が訪れる。

ナティスが続ける。


「それはそうと、立花博士。アナタはご無事で?」


「ああ、なんとかやってるよ。ほら、ここのシェルターまでは未だ火山活動の魔の手が届いていないから。植物合成のお陰も手伝って十分な酸素量と食物資材の供給にあやかっている。まぁ、それが尽きるか、私の命、もしくはこのシェルターが尽きるかは神のみぞ知る、ってところだがな!」


「はぁ、ご無事で何よりです。私は浮谷教授より立花博士監修の「マヤの古文書」を引き継いでおりまして・・・そしてライフワークとして使命を承りました。」


「そうだったのか、それは光栄だ。」


「そして今後たどり着いた星において新たな文明を構築するに当たり、参考として新たな人類の生活基盤を築こうと考えていた次第で・・・そして理想的な水資源のある惑星「ムソルグスキィ」に到着する矢先でありました。ですが、大気圏突入の矢先に、ある未確認飛行物体が出現し・・・・」


「ナニィ?そ、それは・・・・もしや岩盤様の物体では?」


「はぁ、何しろ私が今確認している目下の物体は閃光に包まれておりまして・・・」


「ああ、何ということだ!これは・・・もしや神のお告げであろうか・・・・」


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.15 マヤのお告げ


「すると、その物体が君達の宇宙ステーション船「トルストイ」を誘導していると?」


「はい。船長からのハナシによりますと、その誘導速度は徐々に加速しているようです。」


「おお、私の「マヤの古文書」研究の未だ不明瞭であった部分の内容が、事によってこの年になってもはや宇宙空間において現実のものとして・・・・何ということだ・・・・」


暫くの間、立花博士の声が途絶える。


「アーアー、ナティス君。これから私の言うことを信じようが信じまいが君の自由だ。

というのも、古文書の研究内容の未解決部分についての私なりの解釈なのだから・・・人は謎めいた事象について神の存在を定義することである意味において報われている。

例えば宗教なども偶像を神と奉り、神のみが全ての権限を有しているとの解釈で成り立たせている節がある・・・もっともこれも私の勝手な解釈と受け取ってもらってかまわない。


そこでだ、「マヤの古文書」の中にある一説なのだが、


「何人も天空より舞い降りるその岩盤で出来た「炎の鳥」によって凌駕され、そして導かれる頃、新たなる至高の文明の誕生の時が訪れよう」 と。」



立花博士のその言葉によって一同が立ち尽くす――――――



言葉のない時間が理不尽にも過ぎてゆく。



そして・・・・目の前にはその伝説の主であろうか「炎の鳥」と化している未確認飛行物体が我らの行く先を案じているように、ある意味優雅にもこの「トルストイ」を宇宙空間の彼方へと導き続けているのであった。








/////// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



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