表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/103

第58章 マホロバの友情Ⅴ ***

コスモの絆☆☆☆ 第58章 マホロバの友情Ⅴ ***

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



Scene.83


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



幸恵は浮谷教授とともに「マホロバ宮」目差して飛び立ったはずの「炎の鳥」たちが、事もあろうに「マヤ地区」上空から新型タンポポ爆弾を投下する様をモニター越しに見つめている。既に攻撃中止の指令を出していた幸恵に反し、ありったけ積んだ爆弾を投下し続ける鳥達を呆然と見つめるしか術はなかったのだ。



「どうして・・・・これは誰の仕業なの?」


「さて、私にもこれといって解決策は。鳥達の意志、或いは植物星人達の意志。そのどちらかでしょう。」


「立花博士の仕業と言う事は?」


「そうかもしれませんが、そうなると、こちらからのコントロールが既に不能ということになりませんか?」


「ならば、司令塔からの連絡は?」


「それが、どう言う訳か音信不通となっています。シンクタンクが「マヤ地区」に設置されているのが原因かも知れませんが。」


「まさか、オマエ、私を騙して変な指令を出してはいないか?」


「え、私が?逐次貴方のそばに居たではありませんか。どうしてそんなことが出来よう筈がありません!」


「ならば、一体誰が?」



タンポポ爆弾が「マヤ地区」を炎の渦に巻き込んでゆく。

「炎の鳥」たちは、それぞれにまるで意志を持ってでも要るように右往左往しながら尚も爆弾を投下してゆく。これが戦争と言うものなのか―――

モニターを凝視するかつての浮谷教授、今や幸恵の腹心の部下であったが、余りの惨状に憤りを隠せないでいた。


幸恵はこれまで築いてきた文明が滅びてゆくのを目の前にし、頭の中が漂白されたかの如く言葉を失う。


すると、幸恵の前に複数の植物星人たちが現れるや、二人を拘束した。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



「マヤ地区」の様子は立花博士のモニターにも映し出されていた。

今も尚、爆弾投下は続けられている。



「立花博士、たった今、植物星人からのアポが入りました。受け入れますか?」

従事からの意外な言葉に、立花は動揺し始める。



「よかろう、繋ぎ給え。」



モニターが切り替わると映像が流れ始める。


「立花博士、憶えておいででしょうか?

私はかつて貴方とともに宇宙空間を旅した一員の植物の末裔であります。

名前はジョーと申します。

この惨劇にさぞや驚かれたことと察します。


今回幸恵の企てた「マホロバ」への出陣に当たり、我々は幸恵の攻撃指令に離反して、本拠地である「マヤ地区」への侵攻へとターゲットを変更しました。


詳細な理由は後ほど説明いたします。

尚、我ら植物星人固有のネットワークを使っておりまして、その情報共有にてすでに「マヤ地区」の住民達の避難は完了しておりますので植物星人のダメージは皆無であります。



さて、本題であります我々星人が幸恵を裏切った経緯についてご説明しましょう。



博士もご存知の通り、我々植物星人達はこれまでの永きに渡って、幸恵をピラミッドの頂点とした文明を崇拝して参りました。


人類の末裔の方々が来られるまでの間それは続いていたのです。

誰も幸恵さんのことを裏切るどころか敬意の念を抱き続けてきました。

それどころか、立花博士、貴方の行っている「エゴ」に対して我々は常に否定的な態度を一貫して取った次第でもあります。


先般、人類の末裔たちが乗ってこられた「宇宙ステーション船トルストイ」のAIデータを解析したことで、我々が幸恵さんの統率に崇拝し続けることが、近い将来に我々の文明の滅亡を招くことに繋がると確信したのであります。


それというのも、人類こそが我が祖国「惑星ムソルグスキィ」の滅亡から脱却するための唯一の力である「フォース」を持ち合わせているということを悟りました。


同時に、我々のAIデータは幸恵さんの意志により事実を捻じ曲げた、いわば、幸恵さんの「エゴ」にとって都合の良い方向へ我々を先導するための洗脳教育のためのツールとして捏造されたものであることを突き止めました。


この期に及んで誠に恐縮ですが、我々「マヤ地区」の植物星人達の受け入れを希望します。

第一陣は既にリニアにて「マホロバ地区」を目差し向かっております・・・


唐突のお願いで申し訳ありませんが、私達を迎え入れていただけないでしょうか。

今までの背反をどうか、どうかお許し願います・・・」



切羽詰った突然の植物星人からの打診に、立花博士はたじろぐ。



ということは・・・幸恵の計画である「マホロバ宮」進行を阻止し、その直後に「マヤ地区」を攻撃したのは彼らだったのか・・・

人類の末裔が来てからその方向に転換したというのも急すぎはしないか――――


博士はあまりの驚愕で意識が混濁し始める。

そして眼を瞑ると、暫く博士は沈黙を形作る。



立花博士の側近が耳元で助言する。

「これは、幸恵陣営からの罠ではないでしょうか?要するに、あの攻撃は自作自演の体裁であって、不沈城である「マホロバ宮」にうまく入り込むために植物星人たちをコントロールしているに過ぎないのでありましょう。相手になさらないほうが・・・・」



その助言にふと我に返った面持ちの博士は、植物星人ジョーに意を決して告げる。



「君は大きな嘘をついているようだね?

よって、私は君達を受け入れる事など断固として断る!」









-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ