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第51章 失いかけのsoulⅤ ΩΩΩ

コスモの絆☆☆☆ 第51章 失いかけのsoulⅤ ΩΩΩ

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



Scene.74


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



焦土と化した此処「マホロバ地区」のエリアから、未知の旅の途上である一行の乗るリニアは尚も彼方へと理不尽にも滑り込んでゆく―――

それぞれはこれまでの旅路の意味について回想にふけりながら。



やがて焦土のエリアを抜けたリニアは、草原の大地をひた走って行く。

やがて夜は静かに深けていった。



窓外に広がる地平線にやがて星達が瞬き始める。その夜空は星の配置は変われどもかつての地球の光景と変わらないようでもあった。

緑化しながらもふと人類の末裔であったことを思い出すように、人々は地球の郷愁と回顧に浸るのであった。暫くして一行は眠りについていくのであった―――



夜は静かに深まってゆく。それでも尚もリニアは安らかに一行を乗せて静かな草原を掻き分けながら先へ先へと突き進んでいった。



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



翌朝は一行はどうやら朝もやに煙る草原地帯にたどり着いていた。先も見えぬ草原地帯を風を切りながら進むリニアであったが、徐々に減速するとやがて停車した。

立花博士が大きなあくびを一つするとステッキを突いてスックと立ち上がる。



「皆さん、長旅お疲れ様。それではご案内しましょう。我が拠点である「マホロバ宮」にようこそ!」



やがてリニアのハッチが開かれると、朝もやのひんやりした空気が車内へと流れ込んでくる。此処は高原であろうか、さわやかで澄み切った空気が一行を目覚めへと誘う。

先頭の立花博士に従うように一行は降車してゆく。

濃霧に霞む景色が、やがて静々と陽の光が増してくる頃、一行の眼前に聳える宮殿であろう輪郭を荘厳に浮かび上がらせてゆく―――



それはまさに立花博士が夢に描いた世界であった。

そう、彼の「マヤの古文書」に記載されている詳細を復元した文明の象徴である宮殿であった!



「こ、これは・・・」

相馬船長が余りの巨大な建造物に我を忘れたかのように突っ立ったまま見上げている。

一行も無言のまま、朝もやに浮かび上がり始めたその荘厳さに圧倒されていた。

それは朝もやで全体像は把握できぬものの、両側の先の先が見渡せない規模である高い石積みの塀で囲われている。例えるならば万里の長城の様相である。



「ワシじゃ!只今到着。」

博士が大声で唱えるや、その「マホロバ宮」の正門が重厚な石造りの扉を重々しくもゆっくりと両側へ開かれていったのだった・・・・



立花に促されるままに一行は宮殿の中へと入っていった。

石畳の続く通路の先へと歩みを進める。従事と思しき一陣が通路の両側に整列する。その中を果たして博士はこの「マホロバ地区」の王でもあるかの如く颯爽とシルクハットの風体で、カチカチと歩みにあわせてステッキの音を響かせてゆく。一体何処までこの道は続いているのであろうか。



一行は正面に更に巨大な建物が鎮座しているのに気付く。それは正に巨大な山のように聳え立っているのであった・・・

その天辺など霞んでいてどれだけの高さになるのかさえ見渡せないでいた。



「ここがマホロバ宮の本宮であります。」

立花がそう告げると、正面の幾重にも上昇している階段を登り始める。一行はそれに続く。

寝起きから大分しんどい思いをしながらも一行が登りきると、大きな正面玄関がそこにはあった。



「さあ、どうぞ。」

ことごとくスケールの大きさに圧倒されつつ歩みを進める一行、ようやく本宮の内部へと導かれていったのだった・・・・



それは朱色に塗りつぶされた建物内部であり、金色の装飾でふんだんにあしらわれた厳かなホールであった。巨大な空間の床面は大理石で出来ており、一面にに大きな曼荼羅図が精巧に描かれているのであった。

相馬船長はかつて沖縄にあった首里城にも似た本宮の光景を意外な思いで眺めている。

一行も言葉を無くしたまま、只呆然と辺りを伺っていた。

ホールの奥へと続く真っ赤な分厚いカーペットの廊下を音も無く進んでゆくと、一室へと促されてゆく。その部屋は真っ白な大理石の石室であり、ホール同様に巨大な空間が広がっている。真ん中には龍がとぐろを巻いたような姿で一段高い台座となって立派な玉座のようなものが鎮座しているではないか!

立花博士は被っていたシルクハットを従事に渡すと、その一段高い場所に登ってその金色の装飾に囲まれた玉座に腰を下ろす。



「皆さん、此処が私の住処です。さぁ、それぞれご着席下さい。」

すっかり緑化した顔があらわになった博士が回りに設えてある椅子を指差す。

一行は博士に見下ろされる形でそれぞれに着席してゆく。

次第に一行の表情に生気が失われていった。何故ならばまるでこの「マホロバ地区」、マヤ文明をモチーフにしたというこの拠点の玉座に佇む立花博士がマヤの国王と被って仕方がない様子であったからだ。一同に不安心だけが募ってくる~~~~



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~






Scene.75


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



「幸恵さん、どうか早まらないでください!」



幸恵の側近は急遽決まった「マホロバ地区」への「人類救出作戦」の開始を何とか留まらせようと、必死に説いつめていた。

幸恵は怒りに満ちたその形相で側近に食いかかる。すでにそれまでの冷静さは微塵にも存在していなかった。



「大体、立花のやつ、昔から変わっていないのよ!私のやること成すことに全てケチをつけるばかりでなく勝手な判断で相談も無く実行に移すの。しかし今回ばかりは私にとって最大の侮辱でもあるのよ。そればかりか、私のこれまで築いてきた世界を足元から覆そうとしている・・・そうに違いない!」



「いや、少々ご決断は急ぎすぎてはおりませんか?そもそも植物星人達の徴兵にしても兵役訓練さえ未熟な状態で実践に望むのならば、ともすると敗北するかもしれません。」



「いいえ、私の中でこれまで生きてきた何千万年もの時を費やし模索し続けた世界観が、とっくの昔に現実として此処に存在できているのがその証明なのです。

ある意味「人類救出作戦」によって更なるステージへと進化し、そして未来永劫安泰の宇宙を築くためでもあるのですからね!」



「仰る意味が良くわかりませんで申し訳御座いませんが、幸恵さんは何故そんなにも「人類」にこだわりをお持ちなのでしょうか?それってある意味貴方の「エゴ」なのでは?」



「な、なんですって?私に向かって最も私が嫌うその言葉、「エゴ」だと言うの?それじゃあ立花と全く一緒じゃない!」



「ですから・・・失礼しました。しかしですね、何故に人類を救出することによって未来永劫安泰の宇宙が構成できると言うのですか?話が飛躍しすぎてや居ませんか?」



「ウルサイッ!貴方は一体どういう立場で私に向かって物事を言っているのかしら?」



「それは・・・・私も人類の末裔である、立花博士の愛弟子でありますから。」



「そうなの浮谷。もしかして、貴方も立花と同じく私を裏切る訳じゃないわよね?」









-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆









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