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第50章 失いかけのsoulⅣ ΩΩΩ

コスモの絆☆☆☆ 第50章 失いかけのsoulⅣ ΩΩΩ

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



Scene.72


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



シルクハットにステッキの立花博士の登場によりいよいよ此処「マホロバ地区」での新たな旅路が始まった。

一行の乗るリニアは新型タンポポ爆弾による猛攻の大地を遠ざけながら彼方へと滑り込んでゆく―――

一体幸恵の目的は何なのだろうか、一行は先ほどの博士の言葉を繰り返し回想にふける。



相馬船長は隣席の立花博士の呟いた「般若心経」の一文について、自分なりの解釈を見出そうとしていた。そして人類のみに与えられたという「能力」について興味を膨らます。



「博士、我々人類はもしや、この宇宙の歯車の一部の機能として存在している、ということなのでしょうか。」



相馬の言葉に思わず眼をギョロッと丸くする立花博士。



「きっ、君!中々鋭いね。

だがね、まぁ答えは焦らないように・・・徐々に説明していくからね。でないと、他の人類の末裔の方々が動揺し、さもないと気に病んでしまわないとも限らないからね。いずれ解るからそれまでの楽しみにしておきたまえ。


それより、浮谷教授は残念だったね。まさか宇宙病でお亡くなりになろうとは・・・きっと私達が築いた此処マホロバ地区の実態を見れば、彼はさぞ喜んだことだろう・・・」



それを聞いた相馬船長は戸惑いの表情を浮かべる。

「実はですね、浮谷船長の愛弟子のナティス君から耳にしたのですが、そう、この話は本人にとっても現実なのか、はたまたAIからのバーチャル情報が脳波を伝って睡眠中にインストールされたものなのか未だ不明ではありますが・・・

宇宙病の伝染を食い止めるため浮谷船長が隔離されていたカプセルからどうやら脱出し、ホテルでナティス君と面会したようです―――


浮谷教授の話では、「桜」という何とも奇妙な植物星人が現れ、彼女にナティスのところまで案内されたようですが。

そして「桜」に教授はこれまでの事象を根掘り葉掘り聞いたようですが、奇妙にも「何れ解ります」の一点張りで何も答えてくれなかったようです。

そして立花博士がご存命であることを聞くと、ナティスの目の前で突っ伏したようですが、

その後ナティスは眠ってしまい、翌朝には教授の姿は忽然と消えていたそうです。」



再び立花博士がギョロッと眼を見開く。

「ナニィ!それは本当かね?浮谷が!そうなのか・・・・まぁ不思議は無いな。どう言う訳か私もこうして生きているからな。それにしてもおかしい・・・実は「桜」という植物星人は私と共に此処にやってきた一員なのだが、そんな話を一度たりとも耳にしていないぞ!」



博士の表情が曇る。暫く考え込むように二人は無言となった。

そして博士は眼を見張ると

「もしかして・・・幸恵の仕業か。」



相馬が動揺を隠せずにいる。

「「桜」は「何れ解ります」と言ったのだね?その言葉は幸恵の口癖だ。桜はそんな言葉は使わない筈、すると・・・もしや幸恵が浮谷教授を連れ去った可能性があるな。」



再び二人は沈黙の闇に巻き込まれていった――――



~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~



その頃、自然気象学及び宇宙物理学、科学、化学、地理、物理、生物学博士の面々の討論はヒートアップしていた。



「しかし幸恵の思惑とは一体何なんだ?植物星人達を牛耳ってブロイラーとすることでその頂点に君臨すると言う、いわばエゴなのか?」



「私が「モモ地区」の宮殿の部屋でAI情報の収集をした見解として、どうやら植物星人達はクーデターを画策しているような気がしたのですが。幸恵があまりにも「幸せ」を連呼しているのは、どうやら謀反を企てる星人達が暗躍し始めているからではないかと。表面的には幸恵に従い続けて無表情・無感情で奴隷の如く生活しているのかも。そしていずれ逃げ出そうと。」



「そんなことしたって無駄では無いかい?常に脳波を読み取られているのだからね。」



「へぇ、本当にそうでしょうか?植物星人達はまるで個々の固体ではあっても、根底でネットワークの如く繋がって居て、一つの植物のようでもありお互いに何かしらの手法で意志を共有している可能性もあるのではないでしょうか。」



「ハハハ、それではこちらの「マホロバ地区」の植物たちとも情報交換しているので?」



「ええ、多分。元々は立花博士が育てた固体の末裔に当たる筈ですから、DNAの編成も同様でしょうし、何かしらの意思疎通の術があるやも知れません・・・」



「先ほど博士の言われた「人類のみが持つフォース」と同様に、植物星人達だけが持つフォースとやらも身につけているやも知れないぞ。そして幸恵は多分宇宙人なのだろう。」



「その心は?」



「ほら、「宇宙船トルストイ」に乗り込んできた幸恵の様子を思い出さないかい?何とも無表情で。」



「そういえば、地球上で死んだ筈の立花博士の奥さんである幸恵さんが博士と対面したこともどうも説明がつかないし、もしや立花博士の脳波や船のAI情報をジャックして幸恵の記録を盗み出してコピーし変化したと言う可能性もありそうだな。」



「宇宙人の事はよく判らないが・・・肉体を如何様にも自在に変化することが可能なのかも知れんな。それと、立花博士とこの星で対峙している事が何よりの証拠ではないだろうか。」



「夫婦喧嘩の末に離婚したって事?」



「だからそういう事じゃなくって!宇宙人だと博士はある時気付いたのではなかろうか?」



「ならば立花さんに後で確認しよう。」




Scene.73


Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――



「それで、見つからないのか?」

幸恵が側近に厳しい口調で問い詰める。



「はい・・・しかし何処へ行ったというのでしょうか。厳重な警備のこの宮殿から忽然と消えるなんて。幸恵さんのテレパシーで判別できなかったのですか?」



「どうも人類の事はよく判らない。ある程度は脳波を解読できるのだが、何かしらの邪魔が入ってくるのだ―――立花の言う「人類のみ成しうるフォース」とやらが介在してくるのかも知れないが。」



すると監視カメラの情報が幸恵の脳にオートインストールされてゆく。

「こ、これはリニア?一体何者が寄越したのだろうか・・・と言う事は、立花の仕業か?

ううむ・・・こうしては居れない。君、直ちにブロイラーどもを召集し軍隊を編成しろ。」



「えっ・・・如何なされるおつもりで?」



「決まっているだろう、これより「マホロバ地区」へ向かう。人類救出作戦を開始する!」



「は、ははぁっ!」








-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆










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