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第5章 すすめトルストイ!

コスモの絆☆☆☆   第5章 すすめトルストイ!



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.12 流石の勇気


「流石君、今君の目の前に何が見えるかね?」


「相馬船長、勿論惑星「ムソルグスキィ」ですが。」


「はは、当然の答えが返ってきたな。そういうことではない、この星の未来が君には見えているのかね?」


「はぁ、未来ですか。近いところで言うと、これから大気圏に突入して無事着陸。現地調査ということですかね?」


「ああ。地球のような星の場合はその順番で良いだろう。この星の事については地球からの資料によって把握している範疇での知見しか持ち合わせていない。

ともすれば大気圏から突入の際に何らかの化学物質によってこの宇宙ステーション船「トルストイ」が溶かされてしまう危険性だって考えられるのだよ。

どうだね、君はそれでもこの星に僕らの未来が創造できると言うのかね?」


「はぁ、それもそうですね・・・」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ナティスは尚も「マヤの古文書」を頼りに宇宙空間においての新たなる文明のテーゼについて模索していた。その後立花博士からの音信は届いては居なかった。


浮谷教授から託されたこの古文書解読の使命が彼にとって重くのしかかっていた。

敬愛する教授からの遺言でもあるのだからこの使命を全うすることに勤しみながら。

それにしても今も地球に居るであろう立花博士は何を望んでいるのであろうか。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


その頃立花博士は残りわずかなシェルターでの生活を気に病んでいた。

今のところ物資に不足があるわけでもないが、この特殊な環境が長続きする筈もない。

ましてや老体のわが身が途絶えるほうが先かもしれないが。

外の世界は火山活動が活発である事に変わりは無い。

この状況下において、いずれこの強靭なシェルターでさえも飲み込まれてしまうであろう。

その後の地球はどうなるのであろうか・・・誰にもわからない。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「相馬船長、このまま行くと、大気圏突入となりますか?」


「私の意志ではそのつもりだが、AIによってこの「トルストイ」の進路の権限は委ねられているのであるから今のところ答えは見えないな。」


すると船体が「ガタン」と揺れる。軌道修正が行われている様子。


「この軌道方位の修正からすると、突入ルートではなくムソルグスキィ自転方向に進んでいます。一体何が起こったのでしょう。」


相馬船長は軌跡とAIデータを確認する。


「これは・・・・何か別の要因に操られているようだが・・・こんなことってあるのだろうか!磁場にしては軌道修正頻度が細かく行われている。何らかの外的要因?いいや、そんなことなど・・・・」


相馬船長の表情が強張る。それを伺う流石助手も息を飲む。


「あのぅ・・・外的要因と申しますと、「地球外生命体」とか?まさかそんなことは有り得ませんよね。僕もSF小説の読みすぎですかね・・・」


「いいや、まんざら無きにしもあらずじゃないかな。僕らが水のある星で生命体として成り立ってきたのだから、他にそういった可能性はこの大宇宙では五万と有りえると私は考える。人間が想像できる以上にこの宇宙は神秘的なものさ。」


冗談じみた船長のその言葉に流石助手は一瞬笑みを浮かべたものの、AIの解析データを見たとたん思わず口を噤んでしまった。

それは、トルストイの進行ルートがAIによる制御系と外れ始めたからだ。


「う~ん、いよいよ訳がわからん状況になったな・・・今の状況は何かに導かれているとも捕らえられるが・・・既にコントロール不能のようだが。無論この星に強磁力が働いて邪魔をしている可能性もあるが、それにしては自転方向に速度を高めながら引っ張られている。こんな状況は初めてだ。」


「船長!あれは?」


トルストイの進行方向に飛行物体らしきものが現れる。

その周りを浮遊している隕石の規模からして遥かに大型であることが伺える。


「これは・・・・間違いないな!」


相馬船長は覚悟を決めたような面持ちで操縦桿を強く握り締める。

AIからデータの受信のアラートが揚る。

二人は思わず背筋が凍りつく・・・・



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.13 恐怖の交信



AIデータ管理より交信履歴が解析されてゆく。

二人はその様子を固唾を呑んでモニター越しにみつめる。

そして結果が表示された。


「相馬君、君は神を信じるか?」


「唐突に何ですか?いえ特に信仰はしていませんので・・・」


「ううむ、これはある意味神のお告げのように考えられるが・・・」


「と、申しますと?」


「先ほど受信した暗号のような内容を解析した結果は、私達以外の知的生命体の存在を物語っている!」


その言葉に恐怖を憶え身動きを止めた流石助手の瞳孔が開く。

暫く二人に沈黙が訪れる。

すると、その岩盤様の彼方の飛行物体から閃光がきらめくと、トルストイの船体が急速に引き寄せられ始める。各表示板から「制御不能」のアラートが点滅する。

なす術も無く引き寄せられ続けるトルストイ。

その先の飛行物体は閃光に包まれ黄金に輝き始める・・・・・







/////// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆













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