第48章 失いかけのsoulⅡ ΩΩΩ
コスモの絆☆☆☆ 第48章 失いかけのsoulⅡ ΩΩΩ
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Scene.69
Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――
相馬船長は幸恵のその言葉の意味深さに当惑しながらも、しかしフフフと笑ったことに何かしらの疑義を憶えずにはいられなかった。
怪しげなサングラス集団は尚も体育座りの姿勢を保ち続けたままで微動だにしない。
それぞれの表情は未だ俯いたままでいる。黄金の地面と反比例的に。
「それでは後はヨロシク。研修は貴方方の意志でそれぞれ実施して下さい。又一週間後に会いましょう、では!」
幸恵はそう言い残すや、何と瞬間で消滅した――――
「こ、これは!!」
相馬は言葉を失う。
雨宮女史がタイ国王に震える声で問いかける。
「国王、これは一体全体・・・
「ううむ、どうやら取り残されたようですね・・・」
「へ?何ですって??」
「だから、取り残されたんじゃよ。へへへ・・・」
「じゃ、私達はこれからどうやって生きてゆけばいいのですか?」
「そりゃワシにもわからん。」
「はいっ?解らんって無責任な・・・」
一同がざわめく中、ようやく我に帰った相馬が立ち上がるや、
「これはまずい、そうだ皆さん、戻りましょう。」
そう言うやよろよろと我を失ったような足取りで来た通路を引き返し始める。
怪しい一行もそれを無言で追ってゆく・・・
先ほど来た黄金のエレベーターの辺りに辿りついた一行は再び言葉を失う。
それもその筈、エレベーターがその場から忽然と消えていたのだから・・・
相馬はうろたえながらも一息つくと、
「もう変える術はありませんね。我々はこれまで色んな状況に陥ってきましたので、今更いちいち驚いていても仕方がありません。これは幸恵さんの罠に掛かったと諦めて、ミッションである「研修」としての期間である一週間を此処で過ごしましょう。」
再び身をひるがえした相馬は、先ほどの通路へと戻り始める。
怪しい手段も同じくそれに従う。
黄金の迷路のような通路を右へ左へと辿っていた一同の目の前に、通路の所々にある扉の一つが開放されているのが確認される。
相馬はおそるおそるそこへとたどり着くや中を覗き込む・・・
「こ、これは!」
そしてその中へと一同は入っていった―――
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そこで一同が驚愕した目の前の光景、それは無数に居並ぶ金の卵であった。
雨宮女史は不敵な笑みを浮かべると、
「ねぇ国王、どうやら食料には困らないようですわねっ!」
その言葉に身震いするタイ国王。
「だ、だめじゃよ、食べちゃ。」
「でも私、そろそろお腹がすいてまいりまして・・・」
再び雨宮女史の言葉に寒気を憶える国王。
すると黄金の天井の彼方からこちらに何やら降りてくるではないか!
それは小さなテーブルであった。そこにはいつものウエルカムドリンクが載せられている。
「嗚呼良かった、さ、皆さん飲みましょう。」
雨宮女史はグラスを皆に配ってゆく。
怪しい集団はいつものようにウエルカムドリンクを嗜む。
ただ本日のドリンクが違うのは黄金色に輝いていることだった。
「あら、今日のこれはマンゴージュースではありませんか!私大好き。でも何かもう一品欲しいわねぇ。」
するとどうやら雨宮女史の脳波を察してか、やはり天井からもう一つのテーブルが降りてくるではないか。
そこには数々の黄金色に輝く料理が載せられている。
一同はここでランチタイムにする。
「ねぇ国王、此処の生活も満更ではなさそうですね!」
「そうかねぇ・・・しかしこの部屋に並ぶ卵は一体・・・」
相馬が呟く。
「多分此処は養鶏場でしょう。ここで彼の「炎の鳥」が羽化して巣立ってゆくのではないでしょうか。それではこの通路にある全ての扉を探索することにしましょう。もしかしたらそこにこの研修ミッションの答えが隠されているかもしれないから。」
一行は食事を終えると再び通路を歩き出す。
次の扉に差し掛かると相馬が開く。やはり先ほど同様に此処も養鶏場のようであった。
迷路にある全ての扉を一行は手分けして確認してゆく。
どこも同様な室内であった。
暫くすると先行していた一人が慌てたように相馬に駆け寄る。
「船長、ちょっとこちらへ・・・」
一行もその様子に気付くとそこへ駆け寄る。
そこにはそれまでの様子とは異なる、真っ白な通路が奥へと延びているではないか。
相馬船長を先頭に再び一行は通路の先へと駆け出して行った―――
突き当りまで差し掛かると扉が現れる。相馬が近づくと脳波が察知したのかスッと開かれてゆく―――そこには真っ白なホームに一台のリニアがまるで待ち構えていたのであろう様子でハッチを開けて停車していた。「モモ地区」のこの宮殿に到着したときと同様に。
一行は何も不思議も無い様子で乗車した。
リニアはハッチを閉じると音も無く走り始める。
モニターが表示を開始する。
「モモ → Q☆」
未だサングラスを掛けたままの一同はようやくそれを取り去ると、口をポカンと開ける。
Q☆って一体何処なのだろう?
相馬船長の脳がフル回転し始める~~~
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Scene.70
Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆Q☆――――
一同はランチの満腹と黄金の世界から脱出した安堵感も手伝って昼寝を始めている。
相馬船長だけが頭をフル回転し、自己問答を繰り返してゆく~~~
これは一体・・・誰かの差し金か?やはり僕達は幸恵に操られていたことで、それを見かねた反発勢力が救いを差し伸べたのだろうか??
やがてリニアは真っ白なトンネルを抜けると地上へと脱出した。
そこは何処までも続く草原が彼方まで広がっていた。
暫くすると草原の彼方に不思議な光景が現れる・・・・
草原の先へと何やらバリケードのように遠くまで横一線に境界が敷かれているエリアが広がっている。一体どこへ誘われるのだろうか―――
すると車内アナウンスが流れる。
「次はマホロバー、マホロバー」
何やら地球で聞いた電車のアナウンスにも似て相馬にとっては懐かしい。
「マ・ホ・ロ・バ?」
先ほどまで久々の外の風景に心を奪われていた雨宮女史が首をかしげる。
リニアの向かう先のバリケードの一部が開放されてゆくと、凄い速さでリニアが音も無く滑り込んでゆく―――
果たして一行は再び新たな脅威による囚われの身と化すのであろうか――――
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///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆