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第35章 緑の孤独***

コスモの絆☆☆☆   第35章 緑の孤独***


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~



Scene.54


我々よりも遥かに高度な進化を遂げた植物星人と我々人類としての末裔は、ここ「マヤ地区」においてそれぞれ存在している。今のところ唯それだけだった――――

この緑の植物星人が暮らす巨星の中で、それぞれの孤独に苛まれながらも我々はどのような進化を遂げてゆくのであろうか********



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



ナティスは今日の探索を終えてホテルの部屋に帰りついた。

成果らしいものは何も得られないことにもどかしさを感じながら。

ベットの上に体を投げ出すとWelcome drinkが用意される。

ん?今日のドリンクはトマトジュースか。

しばし宙を見つめながら眠りの闇へと脳波が途切れてゆく~



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



「トントン」



戸外からノックの音がすると同時に扉が開かれる。

ナティスは思わず眼を疑う。

現れた人物は立花博士に良く似た人物。


まさか立花博士である筈はないのだからそういう認識で応対するナティス。

そしてすっかり緑色の皮膚をしたシルクハットにステッキのその人物が語りかける。



「おお、やっとお会いできましたね。」


「アナタは・・・どなたですか?」


「ん?そうですね、無理もありませんね・・・私はこの星に先に到着した立花です。」



そうきたか。やはり・・・・

だが、大分用心深くなったナティスも簡単には信じる気にはならなかった。



これまでの想定外な出来事や脳波から察知される情報にしても、その中に正確さを見出す事などもはや絶望的に不可能であると、自分なりの回答を携えていたのだから。




「アナタはこの星のAIが作り上げた暁にワタシの脳波に作用してインストールされた虚像なのでしょう?」



ナティスの出したその回答にたじろぐ様子もなく不敵な笑みを浮かべているその人物。



「これはまた、鋭い見解ですな。さすが浮谷教授の御眼がねに叶っただけ御座いますね。」



「ワタシの洞察がここまで進んでしまったのは、アナタの奥さんである幸恵さんと会った時からです。その出来事以降、私は信じる力を失ってしまった・・・真実を探求する行為、貴方たちが研究していた「マヤの古文書」のその内容の解読すら疑い始めてしまったのです。果たしてワタシに託されたこの古文書の内容ですらフェイクではないかと・・・」



「ほう、そうでしたか。あなたの見解は一部は当たっていますね。」



「何ですって?それはどういうことなんですか?」



ナティスは一つの見解として吐いた言葉、それは目の前の人物の様子を伺うための術のはずだった。しかしその人物はナティスの言葉を全否定するどころか、全てを肯定していることに驚きを隠せずにいた。



「一部は当たっていますよ。しかしね、ナティスさん。例えばこの世に答えなど幾つあるのですか?そうですねぇ・・・


例えば、ほら、あなたがこうして生きているという証は?存在していることについての確信は何処から来ているのでしょうか?人に言われてからですか?そうかもしれませんね・・・先人が言った言葉を全て鵜呑みにしていたからに過ぎないでしょう。そしてあなたの勝手の判断で、自分が今生きていることを認識しているのであって・・・そう、あなたの五感によってのみそれは成り立っているのですよ。


それと同様に貴方に託されたこの「マヤの古文書」の内容の正否は何処から来ているのでしょうか。そしてこの古文書自体、これ自体がフェイクの可能性は無いかと、後世誰かによって作り出されたものではないか、それはそれは私も悩み続けていました。そして天よりある回答が私の脳波に届いてしまったのです。そう、それはある意味お告げのようなものでしょうか。ワタシは素直にそれを信じることにしました。ほら、何人も「信じるものは救われる」ってよく言うではありませんか。」



「それで、その「お告げ」とは?」



「では、申しましょう。その何処からか聞こえてくるその神のような声の言葉は、「アナタはこれまでよく解読なさいました。そしてアナタはこの古文書の創造主として貴方なりの良識において、この古文書を作り変えなければなりません」 と。」



「何ですって!すると・・・この古文書の内容は既にアナタによって作り変えられたものなんですか?なんということを・・・・」



「それはどうでしょうね。ほら、それを含めて解読するのがあなたの義務ではないのですかね。」



「そ、そんな身勝手な・・・やはりアナタは立花博士では有りませんね。こうしてワタシのKAIBAの中に進入して混乱させるためにやってきたのでしょう。言うなればアナタはウィルスだ!」



「ほほぅ!これはこれは。いいですよ、それでも。ですがね、その答えを出すのもあなた方の使命ではないでしょうかね。あなたも神からの使徒であるかもしれないのですから。そうであれば、これからのこの星の未来も貴方によって加筆され続けるのでしょうからね!」



そういい残すと目の前の虚像と思しき立花博士様の人物は闇の中へと消えていった。

ナティスはその残像に苛まれながらも混沌としたKAIBAの中へと深い眠りに陥っていった―――――










~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆







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