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第28章 プランテーション・パラダイス◆◆◆

コスモの絆☆☆☆   第28章 プランテーション・パラダイス◆◆◆


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.46



その光景を見たナティスは、その驚愕に寒気さえも憶えてしまった――――


何故?まるで此処にある現実、ともすると想像の範疇をも遥かに超えるレベルである時空の成せる業なのであろうか――――

ナティスはただ、眼下に広がっているこの「マヤ地区」の中心にそびえ立っているある一点に眼を奪われているのだった。



「た、立花博士・・・?」



このホテルのある中心街のロータリーの真ん中に、かつての見覚えのある風貌の巨大な像、

それはかつての立花博士にそっくりな面影の巨像がそこに鎮座していた―――――




~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~



やがてナティスのルーム内のボットが彼の脳波を察知したのだろう、AI情報ツールと思しき検索画面から立花博士の情報を表示し始める。これは!


そして桜という名の植物星人の崇拝したという、立花博士のストーリーが眼前に羅列されてゆく―――



その内容とは、どうやらこの星の植物由来の文明を創始者として司った桜と言う植物星人、その彼女は立花博士からの構想をもとに、此処「マヤ地区」を中心にこの星に新たな文明を構築したというストーリーであった・・・・



ナティスはただただ唖然としながらその情報を爪弾いては、なんとか習得しようと尽力してみるが、理解しがたいストーリーにただ無我夢中で解釈を試みるのみであった・・・・



するとスマホが鳴る。



着信は相馬船長のものであった。

情報解析に集中していたナティスにとって外界からの邪魔に翻弄されることがいささか理不尽なことにも思えた。


まぁ焦る事はないかな―――時間も空間も全てを越え、遥か一億年の時を費やしてしまっている状況において、今更焦りなどという概念も過去の遺物と化しているのだから。



ナティスはスマホを取る。



「如何かな、ナティス君。新たな生活がどうやら始まったようだが・・・」


「相馬船長、眼下の巨像、ご覧になりましたか?」


「ああ、あれは立花博士のようだね・・・それにしても大分緑色に染まっているが、もしかしてこの星に居ると万物は植物にでもなってしまうのかねぇ!」


「もしかしたら立花博士と宇宙空間て我々と交信していた時から、博士は緑色になっていたとも思えるのですが・・・・」


「うむ、そうかもね。植物研究の第一人者であり宇宙空間において植物星人の生育、もとい創造主として植物星人と共存していたのであろうから・・・・彼の生活環境としてはその期間は全て植物から生命線を獲得し、あの狭いシェルターで彼も食物連鎖の一部として成り立っていたのだからね。」


そして相馬船長の電話が切れる。



~☆~*~☆~*~☆~*~☆~*~☆~*~



ナティスは想う――

相馬船長のその言葉にやっとの思いで一つの回答が得られたような気がしていた。



立花博士は此処にたどり着く前から、生態系及び全ての生命活動、或いは思考体型までも植物的な活動の範疇に移項しつつあったのではないかと・・・・・・

確かにそれは間違いなかろう。



それと、この星に来る間に彼の「炎の鳥」の中で進化し続けていたAIの情報の中にあった「融和」というテーゼ―――


そのテーゼの回答とは、かつての植物星人と人類の末裔となった立花博士の中で何かしらの回答を見出したということがこの地の文明の起源なのであろうか?


その暁に博士達の机上において構築した新文明を生きる糧として星人たちの崇拝対象、まるで宗教のように、もしくは偶像として崇め続けて今に至っているとでもいうのであろうか?


あのロータリーの中心に鎮座している巨像の存在を今目の当たりに現実のものとする限り、それは間違いなかろう―――――




QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ

☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


Scene.47



ナティスは窓越しにその虚像を拝みながら物思いに耽っている。

そしてこれまでの事象で頭の中がかき混ぜられた思いがして何か飲み物がほしくなった。

すると、先ほどのように眼前に表示が現れる。

「Welcome drink!」


ベットのサイドテーブルにドリンクが現れた。

なんて便利なんだ、多分僕の好みも察してのものなのか?

一口、口にする。

フルーティーでほんのり甘い―――

その爽快さに頭の淀みが透き通ってゆく――――

ひと時の安らぎを憶えると、そのまま眼を閉じる。

いつしか眠りへと誘われてゆく・・・・・・・



~☆~*~☆~*~☆~*~☆~*~☆~*~



「よう、ナティス君!ようこそ我が星へ。」


目の前に人影が現れる。そしてナティスは絶句する。


それは、かつてとは全く異なる皮膚の色。

声色はかつての教授ににも似て・・・・


「やや!」


ナティスは驚きのあまり大声を上げてしまった。

というのも、なんとそこには浮谷が佇んでいたのだから!



「ナティス君が驚くのも無理は無い・・・私だって理解に苦しんでいるのだから。


そう、私は「宇宙船トルストイ」の中で宇宙病におかされてこの世を去ったのだから。そう、その筈だった。

しかしだ、どう言う訳か、この星「惑星ムソルグスキィ」に「炎の鳥」が到着すると間もなくして私は息を吹き返したのだ。

隔離されていたカプセルから脱出すると、眼前にメニューが表示されて・・・

鳥のハッチから降ろされた私はそれに従って草原を歩き始めた。

どれくらいの時間が経過したであろう、この星が夕闇に染まる頃、「桜」という何とも奇妙な植物のような宇宙人が目の前に現れて、そして彼女に此処へ案内されたのだ。

この宇宙空間では何もかもが夢うつつで、理解に苦しむよ、まったく!」


すっかり緑色に染まっている浮谷教授。

ナティスは声も出ないまま見つめ続ける。

浮谷はデスクの椅子に腰を下ろして話を続ける。


「どうやら私は此処にたどり着く間にすっかり日焼けしたようだ。君も驚いたろう、こんな皮膚の色になったらまるで植物になったような気さえするもんだ。しかし君も少し緑がかってきたようだな。どうやら我々は此処の住人として認められたのかもしれないな。ハハッ!」


浮谷の不思議な話を聞きながら、ふと、さきほどの浮谷を此処へ連れてきた「桜」という宇宙人のことが気になった。



「浮谷教授、その「桜」とう宇宙人は何か言ってましたか?」


「私もこれまでの経緯がよく理解できずに、この星に降りるまでのことを根掘り葉掘り聞いたものさ。つまり、我々にとって君は見方なのか、この星にたどり着いたのは一体何の作用なのか、何故鳥の誘引が起こってここへ導いたのか、とね。」


「そ、それで?」


「そのことについては何れ解りますの一点張りでね、中々口の固い娘だね!」


「いずれって・・・・」


「兎も角、どうやら敵ではないようだし、私達人類の考える思考形態のような私利私欲は持ち合わせて居ないのか、白雉なのだろうか。全く解らん!

おお、それとな、こうも言っていたぞ、我が師匠の立花博士も歓迎していますと。これには驚いたねぇ、何たって先にこの星に到着していたのだから。

それにしてもこの星の文明は遥かに進んでいるようだね。驚きの連続さ。」


「浮谷教授、アナタおかしいと思いませんか?アナタはとっくにお亡くなりになっていたのですよ。しかも立花博士だって1億年も前にこの星に到着していたのだから――――」


「な、なんだと!それではこの文明は・・・・おお神よ!」



ナティスの話を聞いた浮谷教授はあまりの驚きのせいでそこに突っ伏してしまった―――――






~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆















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