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第27章 鳥よ僕に囁いてくれ***

コスモの絆☆☆☆   第27章 鳥よ僕に囁いてくれ***


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.45



地球時間にして1億年もの未来に到達してしまったという事実に戸惑う一同。

一体僕らは何処を彷徨っていたというのだろう。

「惑星ムソルグスキィ」に到着した喜びとは程遠いそれぞれの思いは、いつしか絶望にも似た未来に足を踏み出すことさえ躊躇しているのであった。


嗚呼、この巨星に舞う金色の「炎の鳥」達よ、どうか私達に真実を享受してはくれないか。

ナティスには目の前にどこまでも広がる草原の大地に降り立ったことで、安堵どころか不安のみが視界を遮っていた。


宇宙人と化した幸恵の導きが現状全てであった。

僕らはそのテレパシーともつかない情報から逃げることはできない。

或いは作り出された錯覚を見せられているのであろうか。

或いは脳にプラグインされインストールされた残像を処理しているに過ぎないのであろうか・・・疑い出せばキリが無い。

目の前の全てを受け入れるように努力するしかどうやら無さそうだった――――



「ナティス君、そう難しい顔をしなさんな。状況はみんな同じなんだよ。」

相馬船長が表情の曇ったナティスを慰めるように言う。相馬は続ける。


「此処は一つ大きな心で受け止めてみようではないか。例えそういう振りでもいいから従わないと、これから巻き起こる事象に問題が生じる可能性も考えられる。」


「と、申しますと?」


「もし目の前の宇宙人である幸恵さんの気持ちに添えないことによって、反逆者のレッテルを貼られでもしたのならば、その後の君の、もとい僕らの未来は絶望的なものになるだろう。いいかね、郷に入っては郷に従えだよ。判るね。」


まるで子供にでも諭すようにそう告げると、相馬は半ば諦めのような表情で眼を瞑った。



「それでは皆さん出発です。この星は皆さん初めての訪問なので、これから私がご案内しましょう。」

幸恵がそう言うと、幸恵の乗っていた一羽の「炎の鳥」のハッチが再び開いた。


一同は先ほどまで乗っていた「宇宙船トルストイ」を捨てて、直接炎の鳥に乗り込んでいった。

これまでの宇宙病で減った人員のため、既に総勢30名の一行が乗り込んだ「炎の鳥」が再び地上から舞い上がる。燐粉を撒き散らしながら・・・・



「さてこの場所から暫く行くと、我々の住処である「マヤ地区」が現れます。」


ナティスは幸恵の言葉に耳を疑った。だが確かに「マヤ」と言った。

炎の鳥の内壁が全て完全視界になると、まるで宙を浮いているように地上の全体像が露となった。どこまでも続く草原の海。緑に包まれた大地は地平線まで茂っている。

どれ位の時が過ぎ去ったであろう、やがて彼方に丘陵が見え始める。

ぐんぐんとその丘が迫ってくるに従い、文明のそれと同じような、まるで遺跡のような街並みが眼下に映しだされてゆく。


鳥は低空飛行体制に高度を下げると、街並みがリアルに浮かび上がった。

遠巻きに遺跡に見えた文明は未来的な景色であったことが判別できる。

やがて一角の広いスペースに金色に輝く鳥の群れが集っているのに気付く。

そしてその空いたスペースへと間もなく着地した。



QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ

☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



一同はやはり見たことも無いその不可思議な光景にしばし呆然とする。

誰一人として声を出すものはもはや居なかった。


「お待たせしました、ここが「マヤ地区」の玄関口となります。」


鳥の後部ハッチが開けられてゆく。

空港のメカニックと思しき人々、そう、始めてみる植物星人たちがせわしなく行き来している。一様に緑色の皮膚をしているが、形状は人間とそう変わらない。

やがて一台のトランスポーターが到着する。一見流線形状のバスのようだが車輪は着いておらず、浮いている。


一行は幸恵に従って乗り込んだ。


「これからあなた方に滞在の拠点としていただくホテルに案内させていただきます。」


ここは巨大都市なのであろう、高層ビルが無数に立ちはだかっている。

窓外に広がる景色は誰もが見たことの無い未来都市であり、植物の形状をモチーフにしたような、まるで花畑にも似た、或いは森の中にでも彷徨いこんだような不可思議な建物が地平の彼方まで埋め尽くしている。


都市高速であろうか、やがてレーンチェンジしたトランスポーターが加速し始める。

そのスピードは圧巻で、リニアと同等の速度感覚である。

自動運転であろうか、操縦席は無く指定したルートへと僕らを乗せてゆく。

やがて目的地に近づいたのであろうか、スローダウンすると郊外路線へとレーンチェンジした。


そこはダウンタウンの様相で歩道には多くの人々、もとい植物星人たちが闊歩している。

只、地球人と異なっているのは、それぞれは目的意識があるが如く、会話するでもなくロボットのように目的の進行方向へと歩んでいる。

テレパシーで会話しているから人間のようなジェスチャーは必要としていないのか。

何とも不気味ではある。


ホテル前に車輪も無く浮いたトランスポーターが横付けられる。

自動でホテル入り口からダクトが接触し、車内から直接ホテルロビーへと降り立った。


「では私はこれで。後は執事ロボットの案内に従ってください。全ての質問への回答も行ってくれますよ。ごゆっくりお寛ぎ下さい。明日またお迎えにあがります。」


そういうと宇宙人幸恵はトランスポーターの中へと消えていった。


人影の無いロビーに取り残された30名の元地球人ご一行様は執事ロボットよりチケットを受け取る。チケットにはナンバーが表記されている。


「皆様ヨウコソ。ココハ、マヤ・プレーンホテルと申します。早速ですが皆様にはあちらの席に座っていただきます。チケットにあるNo.の席にご着席下さい。」


促されるままに執事ボットに従う面々。

一斉に着席すると、自動でシートベルトが着用されてカプセル状にシールドがそれぞれを包んだ。もう成すがままの一同には既にいちいち驚く気力も失せていた。

すると、カプセルは瞬間的にそれぞれの個室へと運んでいった。



QQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQQ

☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



ナティスはカプセルのシールドが開くと同時に部屋へと降り立つ。

カプセルは自動回収されるが如く、戻っていった。


室内は地球のビジネスホテル同様にベットとデスク、ユニットバスが備わっている。

ただ、大分様式が異なっており、使い方は皆目判らない。

すると中空に立体画像が現れ、「WELCOME」と表示される。

脳波に伝わるように音声が飛び込んでくる。


トイレを我慢していたナティスは探しに向かおうとすると、早速眼前に情報ツールが表示されトイレの方向へと促す。多分脳派を読み取られているのだろう。

情報に従い用を済ませたナティスはベットに身を投げ出す。

ここは地球に居たときよりも未来都市であると気付く。

壁に眼を向けると壁面が外界を映し出す。

そこは・・・・・


そこには未だかつて見たことの無い光景が只延々と広がっているのであった!―――――






~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆















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