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第23章 神秘の宇宙より⊿⊿⊿

コスモの絆☆☆☆   第23章 神秘の宇宙より⊿⊿⊿


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.40



「皆さん、「惑星ムソルグスキィ」の軌道周遊について、そしてこれから巻き起こる現実世界について皆さんの身に起こる「融和」の事象にさぞ驚かれることでしょう。この巨星ではこれまでの地球環境下での知見レベルでの解釈とは違う次元の事象によって成り立っております。貴方方が想像する世界とは遥かに異質の、そう、それが宇宙と言うものなのでしょう。先ずは皆様にはそこに臨む覚悟をお決めいただきたく存じます。」



何かに憑依された宇宙植物人CA桜はそんな言葉を一同に告げる。

一同は皆一様に困惑を隠せないで顔を見合す。


地球環境下で育まれたそれぞれ植物達はすでに宇宙環境下でのある意味進化を遂げていた。

にもかかわらず尚もその進化の知見をも上回るであろう「惑星ムソルグスキィ」の中へと加速度を増しながら突っ込んでゆくこの「炎の鳥」の目的とは一体?




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もはや宇宙人と化した立花博士は目の前の幸恵に問い続ける。


「幸恵、それにしてもこの「炎の鳥」の望んでいる「融和」とは一体どういうことなのだろう?」


「そうね、勿論私にも判りません。しかし、これから到着する新たな世界においては彼らの指令に従うしかないのでしょう。最も受け入れることが出来ればの話ですが・・・」


「そうだね、この鳥が何者かの手によって導かれようとも、この鳥の意志の範疇であろうとも、そんなことなどもうどうでもいいかな・・・・ならば自分にとって最適であるか否かを見極める権利は私達の権利として持ちあわせていよう。それを行使するのみかな。」


「老い先短い私達の運命の方向性は私達の手によって決まってくるものね・・・それがどんな運命になろうとも、私達の意志は私達が守るしかないようね。」


「我々を安全なところへ誘っていると信じ、そしてその未知の世界に臨む覚悟を決めようか。」


「そうね。アナタ、それって今までの生活と同じことじゃないの?」


「そうか、今までだって私達が自らの手で形作っていたのだから、相違ないね。そう、君との「愛」は変わらないさ。」


宇宙空間を彷徨い、いよいよ巨星「惑星ムソルグスキィ」に臨んで行く二人。

彼の地に希望を求めて。


鳥は尚も加速度を増しながら、徐々に巨星の軌道へと飲み込まれようとしている。




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宇宙船トルストイのLIVE放送でナティスたちの会話が続いている中、搭乗者は不安な面持ちで聞き入っている。これからの新たなる展開に、唯、成すべくも無く耳を傾けていた。



「船長、遥か後方に急接近する何かの物体を察知しました。」

相馬船長は流石助手がモニターに映し出されているある一点に集中する。


「こ、これは・・・立花博士か!」


「今しがた入ったAIの情報によりますと、どうやら立花博士の乗るシェルター船を飲み込んだもう一羽の「炎の鳥」が急接近している模様です。」


「そうか、追いついたのだな・・・どうやら無事でよかった、が、しかし、この接近速度ではこちらの「炎の鳥」を追い抜いてしまうのではないだろうか?」


「ははは、そうかもしれませんね。アッ、む、無線が入りました!」

流石助手が慌しく無線に出た。


「ごきげんうるわしゅう、皆様方如何お過ごしですか。わたくし、こちらの「炎の鳥」に居ります桜と申します。間もなく我が鳥はムソルグスキィ軌道上へと入ります。そちらの鳥さんを追い越しますのでご注意願います。」


「あ、あのう・・・アナタは?」

流石は知らない桜に問いかける。


「申し送れました、私達植物は立花博士のお陰でこのように宇宙植物人としてこの宇宙空間において進化した存在であります。私はこちらの鳥さんの司令を皆さんに伝える任務を遂行しておりまして、そして最終目的の「融和」へと導くためのお手伝いをしております・・・」


「ゆ、「融和」ですか?それって・・・・」


「最も私にもまだ理解できていませんが、どうやら鳥さんは私達との融和望んでいるようです。私はそのためのお手伝いを担っているのみです。」


ナティスは立花博士の安否を気遣う。

「で、立花博士は?」


「ええ、少々お待ち下さい。」


桜はそう言うと無線交信が切れた。

もう一羽の鳥は尚も急接近し、燐粉を撒き散らしながらその荘厳な金色の姿をモニターに映し出し始めた。


そのLIVE放送を固唾を飲んで見守る乗客たち。


と、ナティスが船長に切り出す。

「船長、もしや我々の「炎の鳥」は、もしかするとですが未だ若いがために眼下の「惑星ムソルグスキィ」への降り方を知らないのでは・・・・・ですから、後方に迫る鳥は親鳥であって、この鳥を追い抜いて降り方を伝授するのではないでしょうか。」


相馬は真顔でそんなことを言うナティスの言葉に微笑む。

「ナティスさん、その見解は正しいかもしれないね。すると親鳥が大気圏進入ルートを先行して導くのだね、ハハッ、中々興味深い!」


いささか馬鹿にされたような気になったことで相馬船長を睨むナティス。


「船長、間もなくもう一羽が追い抜きに入ります!」

流石助手がモニターに食い入りながらそれを告げる。


ようやく横に並ぶ親鳥と思しき「炎の鳥」が燐粉を棚引かせながら宇宙空間を舞う姿は荘厳この上なく輝いていた。


乗客の一同もその荘厳さにしばし呆気に取られている。

なんて神秘的な光景なのだろう―――





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Scene.41


「アナタ、お呼び出しよ。今鳥からのテレパシーが入りました。無線が繋がったのでシェルター船に戻るようにと。」


「そうかね、じゃ君も一緒に。」


「いいえ、いけません・・・・」


「何故だい?植物人達と会うのが怖いのかい?」


「そういうわけではありません。私はあの船に乗ってはいけないのです。」


「妙なことを言うな・・・まぁいい。すぐに戻るから。」

そういうと立花博士は幸恵のもとを後にする。



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☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



「博士、お待ちしておりました。今無線をつなげます。」

そう言うとCA桜が再び交信する。


「ア~ア~、ワシだ。どうやら君達の鳥に追いついたようだね。お久しぶり。」

親鳥と若鶏の如くランデブー飛行を続けている二羽の「炎の鳥」。


「博士、お久しぶりで御座います。これはどういった状況ですか?」


「そんなこと私にも判りゃしないよ。今更何が起ころうとも驚きやしないさ。そうそう、さっきな、妻と対面したよ。これには驚いたねぇ!」


「え、奥さん?無事だったのですか?それにしても何故・・・・」


「そうだね、これぞ神の成せる業かもね。どうやらこの鳥が地球から救い出してくれていたようだ。」

得意そうに言う立花。

ナティスは怪訝に表情が曇る。


「しかし妙ではありませんか?何故博士の奥さんを限定して地球から救い出したのでしょうか。シェルター船を誘引するよりも何年も前に火山活動によって人類は死に絶えたのですから・・・」


それを聞くと博士が動揺する。

「し、しかしな・・・私は確かに確認したのだよ。昔の話もしたから間違いはない筈。」


「ですが、もしも、もしもですよ、博士の脳波を鳥に読まれていて、それを元にバーチャル像を博士の脳にインストールした、なんてことは無いでしょうか?では奥さんは今そこにいるのですか?」


「い、いいや・・・」


「という事はですね、失礼ながら博士の奥さんを博士の記憶の中から取り出してそれを浮かび上がらせたのかもしれませんね。」


「そ、そんな・・・・・」



~*~*~*~*~*~



奇妙な事象を携えながら鳥達のランデブーは尚も続いている―――――





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///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
















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