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第22章 鳥は全てを知っている♪♪♪

コスモの絆☆☆☆   第22章 鳥は全てを知っている♪♪♪


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


Scene.39



「私達、何を信じたらいいの?」


立花博士の行く末を案じている植物達は情報収集の傍ら、これから巻き起こるであろう近い将来について議論を交わしていた。



「私はね、この鳥さんが新しい彼の地に我々を導いていった暁に、先ほど私達が察知することが出来た唯一の鳥さんの言葉、「融和」に向かって新たな文明を築く術を与えてくれると思うの。それは、かつて私達のいた地球と同様の、或いはそれ以上に全ての生きとし生ける物にとって平和な世界であると思うの・・・・」


「へぇ~、中々の理想論ではあるが、損得勘定みたいなものは無いのかなぁ?」


「え?損得?」


「そうさ、地球上ではおのおのの生物や人類の本能的な欲求によって弱肉強食を繰り返してきた事は皆もご存知の通り。であれば、この「炎の鳥」がもし生き物であったならばその本能に従って、自分のために都合の良い世界にしようとするのでは?」


「何だか怖いハナシね。そうすると、この鳥さんは自分の都合の良い・・・もしかして私達を利用するのかしら?」


「おいおい、さっきのAIの分析結果にもあるように、「融和」に向かって平和的な解決を共に行うのではないかと・・・要するにこの鳥は私達が危険な状況下に居た地球からシェルター船ごと助け出してくれたではないか!であれば、我々を安全なところへ誘っていると解釈するのが妥当だろう。」


「それもそうね。でも立花さんが心配・・・・」




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☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~



そう、私は皆の心配を他所に「炎の鳥」の中にこうしている。

何故か、目の前の幸恵と見詰め合っており・・・



「お帰りなさい、貴方。」


「幸恵・・・・一体どういうことだね?」


先ほどからオウム返しばかり続けている幸恵に向かって立花は質問を続ける。

すると・・・・



「貴方、お帰りなさい。会いたかった。」


やっとのことで目の前の幸恵は始めて感情を見せてくれた。


「オマエ、まさか宇宙人では?」


「貴方も地球に居ないのだから、私と同じ宇宙人ですよ。」


立花はハッとする。

そうか、俺も宇宙人に違いなかろう。

尚も質問を続ける。


「オマエ、どうやって此処に?ここは「炎の鳥」の中だぞ。」


「私も誘引されたの。鳥さんに・・・」


「そ、そうだったのか。一体これはどういうことだね?」


「これはね、鳥さんからの指令です。」


「指令?」


「そうなのです。私達かつての地球上としての人類は、現在は宇宙人となっているわけであって、今やそのように導かれてもいるのです。」


「それは、何故に?」


「私達を何かの理由で必要としているのではないでしょうか。」


「しかし・・・君は一体どんな方法でこの鳥の、その意志を把握することができたんだね?」


「それが、不思議なんですよ・・・何か頭の中にひらめき?のようなもの浮かんできたというか、なんて言ったらいいのでしょうか、そう、ある種のテレパシーかしらね」


「テレパシー・・・」


立花博士は幸恵の話に不思議な感情を憶える――――




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立花博士と幸恵との会話は続く。

この宇宙空間の狭間で二人は再会し、そして炎の鳥に尚も誘引され続けているーーー



「すると、我々は一体何処へ向かっているのだろうか?」


「そうね・・・きっと、「惑星ムソルグスキィ」・・・」


「なんと!本当か?」


「そう鳥は申しております。」


「なんだと・・・」



立花博士は言葉を失う。


いいや、予想しないでもなかったことのようにも思うが、ということは、「宇宙船トルストイ」と同じ軌道を通って行くのであろうか。


だとすればそれを誘引し、ムソルグスキィの軌道上を周回しているもう一つの「炎の鳥」にも出会うのかも知れない・・・



すると、二人の居る真っ白な居室がパッと閃光に包まれるや、辺り一面の景色が一変する。



それはまるでここ「炎の鳥」を透かした状態のように、一面が鳥の外側の景色である宇宙空間を映し出したではないか!



遥か彼方まで埋め尽くす星星や銀河達。

居室の側面のみならず内側全て、天井も床も無く、まるっきり二人が中空を飛んでいる様な状態となって――――


その速度は徐々に増してゆき、先ほどシェルター船が誘引され続けた速度を遥かに超えてゆく。

周辺の星星が凄い速度で後ろへと追いやられてゆく。そして・・・・



進行方向の遥か彼方にあの惑星は静かに、そして堂々と鎮座しているのであった。



「幸恵、あれかい?」


「ええ、あれがムソルグスキィよ。」


その堂々とした巨星はみるみる我々の目の前に迫り続けてくるのであった!





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「た、大変よ!」


「どうしたというんだ、桜!」


「どうやら我々はある星へと近づいている・・・」


「星?」


「そう、ムソルグスキィだって。」


植物達一同が騒然となる。


「とうとう我々の新たな星に出会えるのね。」


「なるほど。で、そこは安全か?」


「わ、分かりません。判るわけないでしょ!」


「さて、どうするかな・・・とりあえず情報を収集しよう。」


「どうやってよ、だってこの「炎の鳥」からは何も伝わってこないのよ。」


「ならば、シェルター船のAI情報解析は?」


「ダメです。なにせ鳥から発せられていると思しき妨害電波によって収集不能ですから・・・」



すると、桜が叫びだす。


「ど、どうしたんだ!」


桜が頭を抱えながらガタガタと震えだし、そこにしゃがみこむ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



暫くして桜が何かに憑依されたように、すっくと立ち上がる。


そして先ほどの恐怖の表情は一変し、皆のほうへと向き直るや笑みを浮かべるではないか。

そして話し始める―――――



「みなさん、ようこそ。」



その異様な表情に植物達一同は怪訝な様子で桜をみつめる。



「みなさま、これから「惑星ムソルグスキィ」に到着します。今から惑星軌道を周遊し、大気圏へと突入します。


尚、大気圏内ではこの「炎の鳥」は激しく揺れますので皆さんご用心を。


それでは暫くの間、宇宙空間の旅をご満喫下さいませ――――」



あたかもCAのようなことを話し始めた桜に、一同は困惑する―――――





~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~~


///// To Be Continued ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆















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