肉林、失敗!
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俺は今、最高に高ぶっている。
マユニ村の人たちは俺が出した条件を喜んで了承した。
マユニ村は見たところ農耕と酪農によって成り立っている。
それは裏を返すと、貧しさと切り離せないということだ。
現代社会のような、大規模農業が行えない時代、百姓は貧しさの象徴だった。
そこに宝をもたらす神が降りたらどうするか、村人は神の言うことを聞くほかない。
この村の女を俺は抱く権利を持っている。
自分の中の下衆な欲望の火は燃え盛る。
夜が楽しみだな。
「レオ様」
「なんだルインか、どうした?」
「村人の協議の結果、ルイン様の教会を建設するまでの間は村長の家で暮らしていただくことになりました」
「そうか、他には?」
「はい、食事に関しては1日2食、朝晩に村の主婦たちが作ってくれます」
1日2食か…、この貧しい村ではそれでも十分なのだろう。
だが
「いや、少ないな。1日3食にしろ」
「か、かしこまりました」
「それとルイン。お前は今日から俺の召使となれ。いいな?」
ルインのメガネの下に困惑の色が広がる
「しっ、しかし私は帝国に使える身。定期報告もありますしそれはできません!」
「なら仕事をやめろ、俺がいる限りお前は食いっぱぐれない」
「しかし!」
「お前は公務員だろ?代わりならいくらでもいるじゃないか、いいな!」
ルインはなんとか溜飲をさげ、「はい」とだけうなずいた。
「それじゃ、明日の朝にまた会おうな」
ルインに別れを告げようと背を向ける。
「あの!」
ルインに呼び止められる。
「この村の娘を部屋に呼んで…、その、何をされるんですか?」
あー、そうかそうか。
なるほど。
さてはこいつ童貞だな?
「ハッハッハッ、気に入った。
お前、今晩俺の宿に来い。いいものを見せてやる」
ルインはぎこちない動きで俺のことをサッと見た後、再び「はい…」とだけ呟いた。
楽しみだ楽しみだ!
特別ゲストがいる中できるなんてな!
俺はその足でまっすぐに、村長の家族のもとへ向かう。
「やぁ、テオドル村長。それとレオノーラさんも」
村長の妻は苦笑いをしながら挨拶を返してくれるが、村長は俺のことを睨みつけている。
よくわかってるじゃないか。
その通り、村長たちには用は無い。
俺があるのは村長の娘、ユキナだ。
「やぁ、ユキナちゃん」
村長の娘は、ガタイのいい村長の影に隠れるように、俺を見つめる。
やっぱり思った通り、なかなか愛らしい顔をしているな。
服こそ素朴な村娘のようだが、可愛がられているだけあって爪や眉の手入れが行き届いている。
少しガタイがよく見えるのは、きっと農作業を手伝っているからだろう。
程よく筋肉がついていそうだ。
「今晩、俺の部屋に来いよ」
ビクッと彼女の体が反応する。
異世界言も理解できる彼女だ、きっと博識だからこの誘いがなにを意味しているのかも知っているだろう。
「貴様っ!」
「おっと、村長。俺への態度は気をつけたほうがいいぞ。本気になればこの村を消し飛ばすのだって造作もないんだからな」
村長を牽制すると、彼は怒りをぐっと堪えた。
しかしその眉間は深く寄っている。
「それでいい。お互い、快適に生きていこうな」
俺は村長の肩を叩き、その場を後にする。
夕暮れ
「レオ様、夕食の準備ができました」
ルインの声で、目を覚ました俺はベッドから立ち上がる。
今晩のための準備は万全だ。
「あぁ、今行く」
階段を降りると、村長の妻であるレオノーラが豪勢な食事を用意していた。
席に座り見回す。
魚に、肉に、果物に、およそ農民の食事とは思えない。
「ずいぶんと豪華だな」
「そりゃ、レオ様が正式にこの村の神様になった日ですから!豪勢にもしますよ」
そう答えたレオノーラの顔は笑みの中に、何か諦めのような感情を忍ばせている。
当然か、なぜなら自分の娘の一大事なのだから。
「そうか…お前の娘。ユキナはどうした?」
レオノーラは一瞬真顔になるが、すぐに表情を壊すように笑みを浮かべながら
「あの娘は今、お化粧中です。レオ様に少しでも愛していただくために…」
死ぬ前までの世界を通しても、俺が抱く女の親と会話したのは初めてだが…
興奮するな。
娘の純潔を、突然やってきた圧倒的な力を持った男に奪われる気持ち。
特にこの村のことだ。生まれてから十数年、家族助け合いながら暮らしてきたのだろう。
本心を言えば娘を、俺に差し出したくは無い。だが抵抗などできない。
そんな親の葛藤を俺は容赦なく踏みにじる。
いいぞ!もっと見せろ!
その悔しさを押し殺した顔を!
滾ってきたな
「とにかくいただくとしよう」
俺は机の上の食事に手をつける。
「ルインと婦人も食べるといい」
「いえ、わたしらは…「俺が食べろと言っているんだ」
無理矢理二人を席につかせる。
「さてレオノーラよ、娘について話せ」
俺は娘についてとにかく話させた。
生まれるときは難産だったこと。
優しいが、作業や仕事は正確にこなす性格であること。
都会には一度も連れてったことがなく、外の世界を知らないことなど。
話を続けるほど、レオノーラの目は涙で滲んでいく。
フフフフッ!
いいぞ!
昔、AV女優の家族にインタビューする番組を見たことがある。
その時と同じような興奮を覚える。
「そうか、いい娘だなっ」
笑みを殺しきれない俺を見て、レオノーラは愕然とした表情を浮かべる。
「レオ様、あなたはなんて…」
言葉が出ないようだ。
そうさ、今からお前の娘はこの俺様に弄ばれるんだよ!
「ふん、食事は終わりだ。ユキナを俺の部屋まで連れてこい」
時は来た。
レオノーラは黙ってうなずいた後家を出て行った。
「ルイン、お前は部屋についてこい」
ルインと共に、二階に登る。
部屋に入り、俺は布団の上から小さな包みを取ってルインに渡す。
「これはなんですか?」
ルインは渡されたものをマジマジと見つめている。包みの中には半透明の薄いゴム片が入っている。
「なにって、避妊具だよ」
「避妊具!まさか、いまからユキナさんと…」
俺は歯を見せるほどの笑みで
「そのまさかさ」と答えてやる。
ちょうどその時、下の階の扉が開く音がした。
そして二人分の足音とすすり泣く声。
そして微かに会話が聞こえる。
「あぁ、ユキナ!この愚かな母さんを許しておくれぇ!」
啜り泣きは、怒鳴り声に変わる。
娘を守れないことをまざまざと知った母は感情を抑えきれていないようだ。
「お母さん、別に気にしないでよ。レオ様はきっと悪い方じゃないよ、それにもう覚悟できてるから…」
なんて健気な娘だろう。
ユキナはそのまま母親を慰め、家に帰るよう促す。
そして階段を上る音がする。
いよいよご対面だなぁ。
ガチャ
扉の先にいる少女は昼間の姿とは見違えるようだった。
薄く化粧した顔に、真っ赤な口紅。
切りそろえられた髪をしなやかに結っている。
彼女の綺麗な茶髪に映えるような、青いドレス。
手にはさまざまな装飾品が嵌められている。
「美しい…」
思わずルインが声をこぼす。
あぁ、まったくもってその通りだ。
彼女は美しい。
「レオ様、今夜はどうぞよろしくお願いいたします」
俺の前まで来て、ドレスの裾をつまみながら、シンデレラのように気品のある挨拶をした。
きっと家族や村人に教わったのだろう。
少しぎこちないが、彼女の生まれ持った美しさも相まって、とても映える。
「ユキナ、今夜のことをよく覚えておくんだ。これが大人世界だからな」
彼女が覚悟を決めて来てくれたのなら、こちらも最大限持てる技術を動員して抱かねば無作法というもの。
彼女は緊張しているのか、目を閉じて背筋を伸ばして顔をこちらへ向けている。
汗ばんだ体からの熱気はこちらを誘っているかのようだ。
俺は彼女の豊かな乳房に手をのばs
『異性との肉体関係を目的とした接触を確認』
ポアァァぁぁぁぁぁぁぁあああああ
!!!!!!!!!!!!!!!
バゴォッ!!!ベキバキバキィ!!!
俺の体は突如発された閃光により彼女と真反対の方向へ吹き飛ばされ、家の壁を突き破り、そのまま村の防護柵すら突き破り、森の中へ飛んでいく。
そのまま森の中の木を軽く十数本ほどなぎ倒し、威力のおさまった俺の体は最終的に木にめり込む。
「グッ、ガハッ」
そのまま抗えずに口の中から吐血する。
吐血!?
空から落ちても、大斧で首を刈られても、傷ひとつ付かなかった俺が!?
肉体に深刻的なダメージを負った俺はその場で倒れ込むと同時に、死後の世界での神との会話を思い出していた
『異世界への転移を許可しよう。ただし異性との愛を育む可能性がある場合、世界システムにそれを拒否、否定させよう』