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人は誰もが夢を見る  作者: 輝木吉人
剣の魔法少女
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第一話

第二章からやっとあらすじの魔法少女が出てきます、、、、、

人夢が授業の途中保健室に行ったっきり戻ってくることはなかった。戻ってきた坂上は、少しそっとしておいた方がいいと思って一人で戻ってきた。


おそらく人夢は早退したのだろう。





陽菜は彼を授業中ただやる気がないから寝ているだけだと思っていたが、あの涙を見るに、もしかしたら何か事情があったのかもしれない。


(あんな悲しい顔、、しないでよね。心配になるでしょうが、、、 )





放課後、戸締りの為教室の窓を閉めていた陽菜は、人夢の席の前に立つ。


「確か、野上くんは、、」


陽菜は席から見える山を見つめる。今朝のニュースを陽菜も知っていた。ある少女の遺体が山奥で見つかった事件。



「朝の如月春の事件と何か関連があるのかも、、、」


陽菜は拳を固く握る。そんな時、後ろから明るい声が出て聞こえてきた。



「陽ー菜ー。今日のパトロールはどうするの?中止するつもり?」


彼方は周りに誰もいないことを確認してから教室の扉を開けて言った。



陽菜は即答する。

「もちろん行くわ。あの山の付近にまだブゼリアンが潜んでないかを念のため確認しに行く。」


「じゃあ購買のドーナツ食べてる時間は、、、」

腹に手を当てる彼方は呟いた。


「ないわ。」

陽菜はまたまた即答する。


「野上くんから情報を得られるかも、、、と思っけど、あの様子じゃ話せる状態じゃなさそうだった。至急、私達だけで捜索するよ。」


彼方はにやける。

「やっぱり優しいんだね。陽菜。」

二人は教室を出て、バスに乗り込む。

陽菜はバスの中で今日も友達と遊ぶから遅くなると親に絵文字つきでメッセージを送った。

目的地はあの山だ。























山に着くと、山の入り口には、KEEPOUTの黄色いテープが貼り付けられており、前にはあくびをしている警察官が一人警備のために立っているだけだった。



二人は物陰からその様子を伺っていた。

「どうやら今は捜索してないみたい。入るなら今だね。早く調べないと痕跡が消えてしまうかもしれない。急ぐよ彼方。」





















二人は警察の目の届かないであろう場所から山に足を踏み入れ、整備されていない山道を登る。


ニュースを見ただけでは遺体がどこで発見されたのかわからないが、記事によると高いところから転がり落ちたと書いていた。

そのため、そこまで高いところではないのだろう。





しかし、陽菜達が探しているのはあくまでどこから落ちたか。である。そこでブゼリアンからの襲撃を受けた、となるとかなり高いところに穴の痕跡が残っている可能性がある。



陽菜達が森の中を抜けると大きな山壁に突き当たった。一面に広がる絶壁はとても登れる高さではなかった。


「あちゃー。ここは流石に自分達の足じゃ無理だね。」


彼方は日の光から目を手で覆い上を見ながら言った。


「変身するしかないか、、、言っておくけど、絶対に透明化を忘れちゃだめだからね。」



陽菜は彼方の方を振り返って言った。

「何かあの透明な状態だと気持ち悪いんだよー。ま、バレちゃうと問題になるし、しょうがないけど。」



二人はそれぞれ手をかざすと、上に光輝く穴が開き、そこから光が二人を包む。

二人は目を閉じて、手を広げる。


光始めた二人の体は徐々に、煌びやかな衣装を纏っていく。



「「ロストサイト」」



二人は唱える。透明化の魔法だ。これで周りの生物全てから自分達の姿を隠すことができる。しかし、向こうの世界の住人であるブゼリアンには姿が見えるため、戦闘時には特に意味を為さない。


光輝いた二人はものの数秒で再び姿を現した。


挿絵(By みてみん)


変身を終えて、陽菜はふりふりのスカートを必死に手で押し伸ばす。


「もう、このスカート丈はなんとかならないの!?」

「可愛いよ陽菜ぁ。まぁまぁ誰にも見られてないんだし大丈夫大丈夫。」

彼方は陽菜に後ろから抱きついて言った。


子供の時からふりふりスカートにキラキラした衣装に憧れてはいるものの、やはり実際に着てみると恥ずかしさを抑えることができない。制服のスカートですら恥ずかしいくらいなのに。



そんな陽菜は、彼方が信じられないくらい堂々としているのが不思議で仕方ない。

「もう、とっとと行くよ彼方。」


陽菜は彼方の手を引く。彼方はその引かれた手を硬く握る。

「オッケー。じゃあ飛びましょう、いや羽ばたきましょう!」


えいえいおーと彼方は一人で拳を突き上げる。


二人は輝く翼を生やし、足に力を込めて一気に崖に沿って飛び立った。









崖を登り、かなり高い所までたどり着いた二人が、しばらく探索していると、枯れ葉が積もっている場所に何かが通ったようにその部分だけ枯れ葉の山が薄い場所があった。

「陽菜、、、。見て。」


彼方は陽菜の肩を叩いて枯れ葉の山の一部を指刺した。

「これは、おそらく間違い無いね。」


陽菜は枯れ葉を一つ手に取って確認した。

茶色い枯れ葉に赤い血液が付着していたのだ。もうずいぶん時間が経っているが、間違い無いだろう。


「となると現場はこの上かな。」

彼方は前方の坂を指差す。


そこには赤い血の色の部分がある枯れ葉が続いていた。











二人が登って行くと、ある部分で血は途切れていた。近くには争った形跡も人が通った形跡もない。


「ここで止まっているとなると、、!はぁぁ!」


陽菜は前方に勢いよく手をかざした。

するとそこから徐々にバチバチと音を立てながら穴が開く。閉まってから時間がそんなに経っていなければ、陽菜達はこじ開けることができる。

向こうを覗くとぼんやりと向こうの様子が目に映る。


「やっぱりあったね、彼方。お願いなんだけど、少しだけ向こうの世界の周辺を探索しよう。」


「了解。ここまで来て山登って終わりなんて面白くないからね。」


二人は穴に手を入れて、そこから体をねじ込んで行く。暗黒の世界へと落ちていくように視界が歪み、上下左右の感覚が狂う。



呼吸ができない空間が少し続き、少しずつ向こうの世界の光が差し込んできた。

二人は向こうの世界へと手を伸ばす。








二人は並行世界に降りたった。

穴を抜け、足を下ろした場所には赤い血が染み付いていた。ここから現実世界に放り込まれたと見て間違いはなさそうだ。

「彼方。ここ、どの辺かわかる?」


陽菜は辺りを見回したが、記憶にない場所だった。どこかの丘の上だろうか。木が一本も生えておらず、至る所に花びらが散っている。

「多分普段探索してない場所っぽいね。この世界にも花畑なんてきれいな所があったんだね、、、。ま、当然か。地球なんだし、環境自体はほぼ私たちの世界と同じなわけだし。」

彼方は答える。

「この花畑、かなり荒らされてるように見える。それに、、、」


何かを見つけた陽菜は小走りで向かい、ある花の一部を観察する。黒くなっている部分があり、その先は焼け焦げてなくなっていた。


「この焼け焦げた後、、、間違いなくここで何者かが争った形跡があるね。それもかなりの爆発があったみたい。」


その言葉に彼方は思わず声のボリュームが上がる。


「何者かって、、、ブゼリアン達が野生動物と争っただけなんじゃ、、。でも確かにこれは明らかに炎の跡。私達の他にこの近くに人がいるってこと何じゃ、、、。」



そんな会話をしていると、向こうの方から黒い影が現れた。この世界に住む住人であり、二人の、いや人類の敵。


「ブゼリアン、、、どうする陽菜。」


陽菜はゆっくりと立ち上がり、スカートに付着した花びらを払いのけて呟いた。


「折角きたんだし、少しくらい処理しておきましょう、、、、。そうでもしないと春って女の子が可愛そうだわ。」


その数は近づいてくるにつれ、増している。

あの中に罪のない自分達と同じくらいの女の子が無残に殺したブゼリアンがいるかも知れない。

退く理由はなかった。


「陽菜。久しぶりに全力全開の本気出していいよね。私達の町で厄介事を起こすなんて、怒りのボルテージが高まって仕方ないし。」


彼方は右の拳を左手で包み、ポキポキと音を鳴らす。

「うん。見せつけてやろうよ。私達、人類はーーーーー」


ブゼリアン達が二人に気づき鳴き声を出しながら走って近づいてきた。


「ぐるぁぁぁぁ!」 「キシャシャ!」

二人は何もない空間から剣を取り出す。

その仕草は、夢の中で人夢が剣を再生させる動きに似ていた。



陽菜は剣を構えて襲い来るブゼリアン達に怒鳴りつける。


「あなた達に支配される程弱くはないんだから!!」




この作品はダブル主人公です。第二章では主に赤崎陽菜の話になります。


陽菜や彼方が魅力的なキャラクターになるように頑張って執筆いたします。

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