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81話 「ギフトの結果発表」

前回までのお話

神様はテレビを楽しんでいた。

 スキルは30秒ぐらい表示された後、僕の体にスウッと入っていきました。僕の名前、年齢、性別、最後にスキル一覧が表示されていましたね。



 無事ギフトを貰えたので、後で詳しく確認しようと思います!



 教会からの帰りは、みんなでアマイちゃんのお家に行って遊びました。ミカク家は王都の大きい商人って感じでした。ナンス家にもお店はありますが、作るのが専門だから商人というより職人でしょうかね。パパは売るのは他の人に任せて自由に作ってる感じですから。


 遊んで分かったけど、普通の赤ちゃんって成長が早いんだね。僕なんて数日前に立てるようになったのに、アマイちゃんとナジミちゃんは普通に走ってました。僕も試しに走って追いかけたけど全然追いつけませんでした。それはもう僕の完敗でした。これからは走れるよう特訓しましょう。


 ふむ、いろいろリアル赤ちゃんの参考になりました。それに楽しかったのでまた遊びたいですね。じゃあみんなまたね―。




 祖父母のお家に帰ると夕食の時間でした。お風呂に入り食べ終わった頃に父は話を始めました。おお、これは家族会議ですね。今回は僕も参加しますよ!



「では、今からメンテのスキルについて発表するぞ」

「「「「「「「「「「ざわざわ~」」」」」」」」」」」



 待ってましたー! と歓声が上がります。その後静かになると父にみんなの視線が集中します。


 ちなみに今僕は母に抱っこされています。母は結果を知っているせいかニコニコ笑っていますね。ほっぺをスリスリして甘えましょう。えいえい! 可愛いでしょ? でも僕はしっかり聞き耳を立てていますよ。そりゃみんなの反応が気になるんだもん。



「では発表する。なんと……メンテは私に似ているぞ。はっはっは!」

「「「「「「「「……」」」」」」」」



 ……あれれ? 誰からも反応がないんだけど……。そこは普通喜ぶ場面じゃないのかな?



「はっはっは。みんなどうしたんだ?」

「……そのセリフを聞くのね、もう3回目なのよ」



 この声はメイクばあばです。



「メンテちゃんも()()()()()()なの?」

「そういうことだ」

「この子もナンスなのね……」



 大人達から優しい目を向けられました。微妙な顔でおめでとうと言われるのですが、これは一体どういうことなのでしょう? ちょっと哀れみも含まれているような……。



「メンテちゃんは、パパと一緒のスキルが多いのよ」

「うぐ~?」

「大きくなったらパパに似ちゃうのかしら」

「メンテも俺たちの仲間だね」

「えへへ、みんな一緒~!」

「きゃきゃきゃ」



 子供たちが笑うとみんなも笑い出しました。変な雰囲気が吹き飛んでいきますよ。



「まあアニーキ―ちゃんもアーネちゃんも大丈夫だから問題ないわよね!」←メイク

「うむ、そうじゃな」←イブシ

「ほほっ。私は歓迎ですな♪」←タクシー

「もう慣れていますので」←カフェ

「へえ、ならよかったじゃないですか~」←レンタカー



 みんな感想を言っていきます。そんなの問題ないってね!


 でも、タクシーさんの感想を聞いたら非常に嫌な予感がしてきました。みんなが微妙な顔をしている中、なぜか一人だけウキウキとしているのです。これは絶対おかしいですよ。だってあの顔はポンコツモードのときよく見るもん。



「それはさておき、ここからが問題だ!」

「え? 暴走以外にも問題が?!」

「「「「「「「「ざわざわ~」」」」」」」」

「あぐぅ?(暴走?)」



 父が別の話題を振ります。そういえばスキルに”暴走(ぼうそう)”ってありましたね。



 って、ええええええええ?! 絶対これじゃん!



 僕だけでなく兄貴やアーネも”暴走”ってスキルを覚えているのでしょう。そういえば父はよく暴走しないでねと言われてましたね。もしかしてスキルの影響だったのでしょうか? そして、皆が微妙な顔をしたりタクシーが喜ぶ理由もなんとなく分かってきました。多分このスキルはハズレなのでしょう。ないほうがいいみたいです。


 僕は、この世界のスキルの効果までは詳しく分からないのです。この世界の知識が不足しているせいで名前から想像するしかありません。何のスキルがレアなのかも知らないのはそのためです。だってまだ歩き始めた赤ちゃんだもの。調べられるわけないじゃないですか。


 くそー、本当に暴走を覚えていたのか確認したいけど、僕にはギフトの使い方が分かりません。ぐぬぬ。どうすればいいのでしょうか?



「えぐぅううう!」バシバシ

「はいはい、おっぱいは後でね」

「んぐぅ……」



 ここは諦めるしかなさそうです。静かにして父の話を聞くしかありません。仕方がないので母の指でもちゅぱちゅぱします。ふぅ~、ちょっと落ち着きました。ちゅぱちゅぱ。



「……静かになったな。では、もうひとつの大事な問題について話すぞ」



 父は無駄にためて言いました。みんながまだかよ早く言えよと視線を送ります。





「…………………………メンテのスキルの中に”猫魂”というものがあった」





 ◆



「「「「猫魂?」」」」


「正確な読み方は分からないが猫魂で間違いない。そうだろママ?」

「そうね。私もこの目でしっかり見たわ」



 両親の発言でみんな困惑しています。聞いたことないとか何そのスキル? と疑問を浮かべています。まあ僕も何これと思ったんだけどね。



「調べた結果、ユニークスキルだということが判明した」

「「「「「「ユニーク?!」」」」」」

「えぐぐ?!(まじで?!)」

「そうなのよ。メンテちゃんはユニークスキル持ちだったの」

「「「「「「おお!」」」」」」

「うぐううう(いえーい!)」



 ユニークだと分かったらお祭り騒ぎとなりました。さっきの暴走の件とはえらい違いです。僕も知らなかったので一緒になってはしゃぎます。みんな喜んでいるけど、特にイブシじいじが嬉しそうですな。あの冷静なじいさんが僕を見て喜んでいますよ。ユニークスキルを使えるのは一緒だし、仲間が出来て嬉しいって感じだね。



「メンテがギフトを使えるようになったらもう一度確認したいと思う。それに効果については本人に聞かないと分らないからな」

「早く言葉をしゃべれるようになるといいわね」

「でも小さいメンテも可愛いから悩むところだ。このままで居てほしい気持ちもあるよ」

「あらパパも同じこと考えてたのね。ママも小さいメンテちゃんが可愛くて大好きなのよ」

「おー、ママ……」

「パパ……」



 両親も盛り上がって来ました。でも周りのざわつきが止まらないから気付いてないね。ユニークスキルって珍しいらしいからね。まあ暴走がなければもっと良かったのに。



 僕は早くスキルを検証してみたいです! で、このギフトってどうやって使うのかな? 今一度スキルを確認したいんだけど。



「えっぐうううううう!(誰か教えて下さーい!)」バシバシバシバシ!




 家族会議は盛り上がって終了した。



・猫魂 謎のユニークスキル

・暴走 性格に影響?

・他にも何個かある

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