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58話 「イブシは孫に遊ばれる」

前回までのお話

メイクは可愛い孫と遊びたかった。

 夕食の後、畳の部屋でイブシじいじと孫の子供達3人が遊んでいます。



「うおおー!」

「きゃー!」

「んぐうううううううううううううううううううう!」



 イブシじいじはごろーんと仰向けに寝転がっています。でも銀色のオーラが自由自在に動いで子供たちを持ち上げているのです。オーラで包まれた子供達はぶんぶん回されます。普通のたかいたかいでは出来ないような動きをしますね。僕は赤ちゃんなので優しい動きですが大興奮ですよ!



「そろそろ休憩してもいいかの」

「「ダメ~」」「えぐぅ~(ダメ~)」

「そうか……」



 そろそろ休みたいイブシじいじですが、子供たちはまだ満足していません。体力が有り余っているので、もっと遊びたいのです。それからしばらくオーラで遊びました。



「今日はもうおしまいじゃ」

「えー、もっとやってよ」バンバン

「まだ遊ぶのー!」ぴょんぴょん



 イブシじいじの上にアニーキ―とアーネとが乗って暴れます。アニーキ―はイブシじいじの胸の上に乗って腕や顔を叩き、アーネは腹の上で何回も飛び跳ねます。僕にはオーラで防御しているのが見えますね。そのせいかイブシじいじは全然痛くなさそうです。


 僕はハイハイでイブシじいじの顔のそばに移動します。



「ん? どうしたメンテ」

「んぐぅー」←顔をバシバシ叩く

「もっと遊びたいのかい?」

「あぐぅ!」←目キラキラ

「メンテは分かりやすい子じゃのう。でも疲れたから明日にな」

「えっぐうううううう!」



 顔をパンチしましたが効果ありませんね。なんて便利なスキルなんでしょう。目に見えるか見えないかの薄っすらしたオーラで防いじゃうんです。



「メンテもこっちに来て」

「うぐぅ!」



 兄貴がイブシじいじの上に乗せてくれました。僕は胸の上でお座りです。後ろから兄貴が僕を支えてくれますね。そのまま3人がイブシじいじの上に座って暴れます。



「じいじー」「遊んでよー」「えっぐうう!」

「がははは! 無駄じゃぞ」



 イブシじいじは動く気がないようですね。よし、僕の本気を見せてあげましょう!


 まずは、じいじの上を寝そべります。そのまま顔と顔を近づけ、目をキラキラ光らせてもっと遊んでよアピールです。



「うぐ~」

「どうしたメンテ?」

「かぷっ」

「うおおお?!」



 油断したところでイブシじいじの鼻をかぷりです。息が出来ないように全力でベトベトにします。どうせ防御されると思って歯で思いっきり噛みますよ。驚いていますが痛くなさそうですね。さすがユニークスキルです。


 このスキルに対抗するためにはあれしかありません。僕は赤ちゃんチートを使ってみます!



「うえええええええええええええええん!」

「いきなり泣きおった?!」


「どうしたのメンテちゃん。よちよち」

「イブシ、あんた何したのさ」



 僕の泣き声を聞いて、母とメイクばあばがやってきました。二人とも何か良からぬことが起きたと思っているでしょう。



「ん? 別にわしは何もしとらんぞ」

「いや、メンテちゃんがイブシを指差してるんだけど……」

「へ?」



 そうです。指を差して嘘泣きをしたのですよ。



「メンテが遊ぼうっていうのに、じいじが寝転がって動かないんだ」

「遊んでくれないからメンテ泣いてるのー」

「―――なんじゃと?!」



 アニーキ―とアーネの援護射撃をします。ここぞというタイミングで狙い打ったかのようです。イブシじいじは焦りだしました。



「ちょっと休んでいただけじゃ。ほれほれ、もっと遊ぶぞ」

「「やったー」」「えっぐ!」



 イブシじいじは誤魔化すために遊ばざるを得ません。やったね、作戦成功だよ! もっと遊んで~。



 こうしてメンテが嘘泣きをするたびにイブシは遊び続けるはめになったという。恐ろしい孫達であった。



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