表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/262

26話 「熱が出た」

前回までのお話

魔法おバカの3人がベビーカーで大暴走。

 今日はなぜかだるいです。僕の体はどうしたのでしょうか?



「メンテちゃん~」

「……んぐぅ」

「ほらほら、どうしたの?」

「……」



 母が僕のほっぺをとんとんします。なんだか返事をする気が起きませんね。



「ほらほらメンテ見てよ。いつもより赤い色だよ」

「……んぅ」



 兄貴ことアニーキーが魔力ボールに魔力を込めていますね。へえっていう感じです。



「犬さんだよー」

「……ぐぅ」



 姉のアーネが僕の顔に人形を押しつけてきますね。絵本よりは痛くないです。



「母さん、メンテの様子がおかしいよ」

「メンテがわたしを無視するー」

「いつもの元気がないわね……」



 僕が何らかのリアクションをしないと変に思われるようです。普通の赤ちゃんなのにね。



「カフェさ~ん、体温計持ってきて」

「っ! わかりました」



 母は僕の調子が悪いと判断したようです。多少ぼーっとするだけなのに大げさですね。



「メンテ熱あるの?」

「そういえばいつもより体温が高い気がします」

「私にはぼーっとしているように見えるのよ。一応熱を測っておきたいの」



 カフェさんがすぐに体温計を持ってきました。この部屋にあったようですね。


 うーん、何でしょうあれ。ただの棒ですよね?



「メンテちゃん、ちょっとじーっとしていてね」

「……ぶぅ」



 そういわれると体温計を取りたくなってきましたね。


 母が僕のわきに体温計を挟みます。僕がそれを取ろうと動くとカフェさんに押さえられましたよ。これでは手が体温計に届きませんね。仕方がないので諦めます。


 それから10秒ぐらいすると体温計が光りだしました。



「うぐぅ?」



 体温計の近くに数字が見えます。数字が空中に浮かんでいますね。


 もしかして異世界の定番のステータス的な何かかな? でも僕の名前はないし何だろうね。



「あら、38.4℃もあるじゃない。メンテちゃんお熱あるわよ」



 どうやら熱がありました。


 よし、僕か弱い赤ちゃんだから病気でつらいの! のアピールをしましょう。



「うぇえええええん!!」



「メンテ泣いてるよー」

「急に泣き出したね」

「ほらほらメンテちゃん、今日は休みましょうね。カフェちゃんお薬お願いね」

「急いで持ってきます」



 つらいよアピール大成功です。急にみんなが優しくなりましたよ。


 少し待つとカフェさんが飲み薬を持ってきました。



「奥様、こちらのポーションとスプーンをお使いください」

「カフェちゃん、いつもありがとう」

「うぇえええ……ん?」



 ポーション……? 本当に??


 ついにこの時がやってきました。異世界初の回復薬です!!



「えっぐー!!」



 めっちゃ興奮して暴れます。



「メンテ元気出たよー」

「いつものメンテだね」

「うぇえええええええええん!!」



 僕の様子を見ていた兄弟ことキッズが余計なことを言ったので、熱が出てつらい赤ちゃんアピールを再開しました。


 母は小さなスプーンでポーションをすくいました。そのまま僕の口に持っていきます。



「メンテちゃん、あーんしてね。お口開いてー」

「んだぁ!」



 元気よく口を開けました。体の動きを止めます。


 ポーション楽しみでしたからね!



「どうかしらね」

「……」

「メンテちゃん?」

「ん、おえぇええええ! ごほっ、ごほっ!!」



 苦っ!!! 赤ちゃんの僕には味が濃すぎてまずいようです。



「きゃあ、メンテ吐いたー」

「うおっ、大丈夫なの?」

「あららららら、カフェちゃん新しい服を取ってきてー」



 僕は飲んだポーションを全部吐いてしまいました。


 口の中はポーションではなくゲロの味ですね。次はもう少し成長してから飲みたいです。


 落ち着きを取り直した頃に、カフェさんが謝罪をしました。



「ごめんなさい、薄めるのを忘れていました」

「気にしなくても大丈夫よ、失敗は誰にでもあるからね」

「本当にすみませんでした……」



 そういえばカフェさんもポンコツっぽいところがありましたね。執事のタクシーと親子ですしね。最近忘れてましたよ。



「もう治ったのー?」

「フフッ、まだよ。今日メンテちゃんと遊ぶのはやめましょうか。明日になれば元気になるからそのときに遊んでね」

「うん、わかったー。メンテまたね」

「メンテ元気になってね」



 今日はアーネと兄貴とはお別れです。


 僕はベットに連れて行かれてそのまま寝ることになりました。みんな僕を心配しています。明日には元気な笑顔で笑わせたいものですね。




 よし、しっかり休もう!




 大きくなったらポーションの味を変えたいなあと思いました。だってまずいんだもん。



メンテがスローライフを目指すきっかけのひとつです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ