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150話 「1歳ハーフバースデー その2」

 僕メンテ。今日は祖父母が、僕の1歳ハーフバースデーのお祝いに来ましたよ。しっかりと甘え、可愛がられるように演技をするんだ。大きくなっても楽させてもらうために頑張ります。もっと甘やかしてー!



「ばあば」

「どうしたのメンテちゃん~?」

「だっこ。だっこー!」

「はいはい。おいで~」

「きゃきゃ!」



 まずはメイクばあばにに甘えましょう。抱っこされた後はおとなしくなる僕です。しばらくすると、メイクばあばが疲れてきます。そこで、僕はある必殺技を使います。



「……ん~」

「……(……よし、今だ)」



 くるん!



「急にびっくりしたわ。昔よりよく動くようになったのねえ」

「……(成功!)」



 そう、これが必殺技! 腕が疲れて持ち直そうとする相手より先に行動し、ずっと持ち続けらるような位置に動きます。僕はずっと抱っこされていたので、タイミングやらこの場所なら大丈夫だろうと見極めることが出来るのです。これでメイクばあばに永遠に抱っこをさせ続けますよ!



 くるん! くるん! くるん! くるん! くるん! くるん! くるん! くるん!



「……気のせいかしら? よく動くわりに軽いというか持ちやすくなるような。不思議な感じね」

「えぐぅ?」



 おっと、少し気付かれてしまいましたね。でも僕はおとぼけ顔で無視します。



「フフッ。メンテちゃんとお義母さんは相性が良いのよね」

「そ、そうかしら?」

「そうですよ。私が抱っこすると離れまいと暴れて大変ですから。上手に持てるお義母さんはうらやましいわ」

「はっはー。もうレディーちゃんったら」

「フフフフフフッ」「はっはーははははは!」



 とても気分が良さげなメイクばあばですよ。さすが母ですね!



 祖父母に甘えまくるメンテ。基本的にずっとくっ付いて離れないだけだ。やることはだいたい1歳の頃と同じである。だが半年ぶりの孫に大はしゃぎなのであった。



 ……おっと、忘れていました。ここは畳の部屋ですよ。僕のお家の中には祖父母の部屋があるのです。今は家の中で、祖父母と僕を含めた子供達が遊んでいますよ。ふれ合いタイム中なのです!



「お待たせしましたー」



 レンタカーさんがお土産を持ってきました。すると子供たちがいっせいに飛び掛かります。


 忘れている方がいるかもしれないので説明しますね。彼は祖父母の執事でタクシーさんの息子です。今回も一緒に王都から来ていますよ。



「わーい! 何この箱? ばあばー、これ何?」

「これはね、最近王都で流行っている洋服よ」

「やったー! 着ていい?」

「お菓子のお土産もあるから食べてからにしましょ……って何で今脱いでるの?!」

「着たいからー」

「えっとそうだけどね……、服が汚れちゃうから後でにしない?」

「え、嫌だ。今着たいのー!」

「はっはー、そうなのね。……レディーちゃん助けて!」

「フフッ。今行きますよ」

「きゃきゃ」



 アーネは自由なのです。あとメイクばあばが助けを呼ぶ姿は父とそっくりですね。笑っちゃいましたよ。



「えっとね、メンテちゃん? 少しだけ下に降りてくれるかなあ?」

「えぐえぐ(嫌だよ)」ブンブン

「ちょっとだけでいいから……ね?」

「えぐ(無理)」ブンブン



 メイクばあばが僕に抱っこ止めてもいいかと聞いてきたので、首を振って拒否します。アーネの自由さにこの場はカオスになりつつあります。


 少し離れたところには、兄貴がじいじと一緒にお土産を見ていました。



「おお。この杖すごそう……」

「それはダンジョンで拾った杖でのう。アニーキ―なら使いこなせるかもと思って持ってきたわい。これはわしからのプレゼントじゃ」

「じいじ大好き!」

「……うむ」




 だ、ダンジョン?!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




 今じいじの口からすごい言葉が飛び出てきましたよ。これはあっちに行くしかないでしょう。メイクばあばには悪いですが、大暴れしますね。



「えぐえぐぐぐううぐぐぐ!」バシバシバシバシ!!!!!!!

「いたたたたた、どうしたのメンテちゃん?!」

「えぐううううううううううううああああああああああああああああああああああ」指プイ

「え、あっちに行きたいの?」

「はあい! きゃきゃああああ!」←メイクに頭突きしまくるメンテ

「おげえ。ちょっと待って、まだアーネちゃんがね……」

「えぐぐううううああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

「痛い痛い、困ったわねえ……。レディーちゃん助けてー!」




「いやあ。着るのー!」

「ちょっと、ばあば困ってるでしょ?」

「これ可愛いから今着たいのーーーーーーーーーーー!」




「じいじ、これ使ってみてもいい?」

「うむ、少しだけじゃぞ」

「じゃあちょっと見てて。アニーキふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」



 ドゴォーー――――ン! ビリィ!!!



「うむ。なかなか……ってわしの大事な掛け軸が?!」



 ぴゅおおおおおおおおおおお! バキッ!



「しょ、障子が……」

「ふおおおおおおおおおおおおいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいああああああああああああああああああああああああ!」

「全然制御出来てないではないか?! アニーキ―、止めるんじゃああああああ!」

「ふぉうふぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」←暴走中



 スゴゴゴゴゴゴゴッゴゴオゴゴオオオオオ!!!!!!




 三者三葉、いろいろなところで騒ぎが起きていた。子供が多いとカオスになるものである。協調性? そんなものは知らないよ。自分がやりたいことだけやっちゃうのが子供なんだもん。親戚の子供が一堂に集まったらこうなるよねな感じである。


 祖父母は孫達に翻弄されっぱなしなのであった。毎度の恒例行事である。





「はっはっは。父さん母さんに子供達の面倒を見て貰えるから楽だな」

「ほほっ。お茶でも飲みますか。レンタカー?」

「はいはい、ちょっと待ってくださいね。今王都で流行のやつを持ってきたので……」

「おお、それは期待出来そうだ」

「これすごく高いんですよ。今日はあの二人メイクとイブシのおかげで買えましたよ」

「はっはっは、レンタカーも飲んじゃえばいいんじゃないか? あの二人の奢りだと思って」

「ほほっ。旦那様がそういうのであればレンタカーも飲みなさい」

「まじ? じゃあ私も飲んじゃいますね!」

「はっはっは!」「ほほっ!」「なはははは!」



 そんな騒がしい中ダンディ、タクシー、レンタカーの3人はゆっくり楽しむのであった。




 ぶぎゃああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!




「「「ぎゃあああああ!」」」←暴走したアニーキ―の魔法が3人に直撃





 ナンス家の記念日は、だいたいこういう感じなのである。次からは、1歳の頃との違いをアピールするメンテをお楽しみください。



 ◆



 おまけ


「メンテちゃん、エイプリルフールって知ってる?」

「えっぐうーう?」

「そう、上手に言えたわね。エイプリルフールは嘘を付いてもいい日のことよ。例えば……メンテちゃんはおっぱいを卒業しない」

「……ままぁ?」

「そろそろ卒業しない」

「ママ?!」

「明日卒業しない」

「まま、まんまー?!」

「フフッ。全部これが嘘になるのよ」

「まんまあああああああああああああああああああああああああああ!」



 今日もメンテとレディーの戦いは続く。



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