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15話 「町にお出かけ その6」

 僕が魔道具に感動しているとアニーキ―が戻ってきました。そういえば一人だけ別行動していたのをすっかり忘れていました。



「アニーキ―は何か気になるものがあったの?」

「聞きたいことがあればパパが教えてあげよう、はっはっは」

「俺はギルドと共同研究をしている内容にが興味あります」



 ギルド? もっと詳しく。



「ポーション改良計画のことか。魔道具で保存状態を長くすることはできた。それ以外にも新たな効果を付与できないかという内容だな。今のところは難航しているから詳しく話すことはできないな」

「最近新しいポーションができるという噂は本当だったんですね。この店に売っているのかと探しましたが見当たりませんでした」

「それはギルドで販売する予定だ。ポーションは魔道具というより薬だからな」



 どうやらこの世界には、ギルドやポーションが存在するみたいです。これらは異世界の定番だね!


 ギルドは何をしているのか聞けませんでしたが、成長したら行ってみよう。そう思いました。



「それとこれをメンテに」

「だぶぅ?(僕を呼んだ?)」



 アニーキ―は僕に向かって何かを渡しました。



「あなたは優しい子ね。ママ嬉しいわ」

「はっはっは、アニーキ―は立派な兄に成長してきたな」

「そろそろ必要になりますな」



 それはおしゃぶりでした。アニーキ―は自分の目的だけではなく、僕のために魔道具を探してくれました。もうアニキすぎます。これからは兄貴(あにき)と呼びましょう!



「えぐぅう~(兄貴~)」

「メンテ様も喜んでいますなあ」



 おしゃぶりを持ってバンバン叩いて遊んでいるとニンとアーネがこっちに来ました。



「これ買ってー」

「アーネちゃんパズル気に入っちゃいました」



 アーネは100ピースのパズルを持っています。遊ぶ前は10ピースですら難しかったのに、今では10倍もできるようになったとか。パパにパズルを何度もぶつけて買ってアピールしています。



「時間だしそろそろ帰りましょうか」

「ではパパが買ってくるよ」



 時間ですね。最後にニンさんに甘えようと思い、僕は兄貴に貰ったおしゃぶりをぶん投げます。兄貴には悪いですが、僕はこれよりニンとふれ合うほうが大事です!! アニーキ―は複雑な顔になりましたが、それはスルーです。



「ぐぅうえーーーーん(おっぱーーーーーい)」


「メンテ様がぐずりだしましたな。ベビーカーは嫌ですか、では奥様……? おや、違うみたいですね」



 僕はタクシーをニンの近くまで誘導しました。僕はニンと目が合うとずっと見つめます、キラキラとした目でじっとです。



「ええ、わたしですか?!」

「どうやらニンのようですな」

「きっとニンちゃんと別れるのが寂しいのね。抱っこしてもいいわよ」

「わかりました。メンテくんおいで」



「えぐうううううううううう(やったーーーーー)」



 いつものように胸にダイブしてグリグリからのクンカクンカです。はあ、はあ最高です!! 今日はさらにちゅぱちゅぱしましょう。服の上からでも僕は気にしません。げへへへへへへへ、たまりませんわ~。こういうところは赤ちゃんで良かったと思います!



「ちゅぱー。ぐふぅ~♪」

「ちょ?! メンテくんすごく舐めてきますよ」

「あらあら、お腹がすいたのね。こっちにいらっしゃい」



 母が僕をニンから離そうとしますが、それを無視してちゅぱちゅぱします。僕はただお別れが寂しいのです。



「ごめんねニンちゃん、もう少し落ち着くまでそのままでいてくれると嬉しいわ」

「うう……、わかりましたってメンテくん?!」



 我を忘れてに暴走しました。赤ちゃんが甘えているだけなので全然問題ないよね!



 ◆



 ここはナンス家へ向かう帰り道、僕はベビーカーに乗っています。アーネの歩くスピードに合わせているのでゆっくりです。


 町に出るといろいろな情報が手に入りました。異世界ということは分かっていましたが面白いですね。何よりこの世界は魔法が素晴らしい。おっぱいも最高に素晴ら……間違えました、どれだけ甘えても許されるのがいいですね!



「ばぶぅ~(この町は平和だなあ)」

「このまちはな」

「ぐぅう??(誰?)」



 誰かが僕の独り言に返事をしました。赤ちゃんの言葉がわかる人を見たことがありません。



「ん? お前は言葉わかるのかにゃ?」

「だぁ~(お前じゃなくてメンテだよ)」

「お前メンテっていうのか。少し右だよ」



 少し振り向くと目の前に猫がいました。汚れていて茶色っぽです。



「ぶう?(猫?)」

「人間としゃべれるなんて思わなかったぜ」

「ばぁ~ぐ(僕もだよ。あ、もう行っちゃうけどまたね)」

「にゃはは、またな」



 へえ。この世界の猫はしゃべれるんだね!


 ふわぁ、なんだか眠くなってきたよ。 ベビーカーに揺られてメンテは眠ってしまいました。







「フフッ、さっきのメンテちゃん見てました? すごくかわいかったわ」

「はっはっは、猫に驚いていたな」

「まるで()()()()()()()()()()()()()

「メンテは面白い子だ、はっはっは」



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