111話 「猫と交流する その7」
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称号一覧
・おっぱい new
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なぜか称号もらえました。newマークがついていますよ。わあお!
「何で増えたんだろう。でもこれはおっぱいだよ!」
「いろいろ言いたいことはあるけど……」
「じゃあ試しにこれ選んでみるね!」
僕はおっぱいを選んでみます。するとこうなりました。
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【 】
年齢 1歳
性別 男
称号 おっぱい
所持スキル
・エッグ
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うん、みんなが分かっていた通りの結果になりましたよ。どう見てもおっぱいですな。
「私これを見てどうしたらいいの……?」
「ちょっとした実験だよ。これ解除出来るのかな? ちょっとやってみるね」
僕は操作をしてみます。頭でイメージすると勝手に動きますね。だんだんと動かし方が分かってきましたよ。手動じゃなくても選べそうです。
これはまるでマイページのプロフィールを編集していくみたいな感覚ですね。ちょっと楽しいかも。
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【 】
年齢 1歳
性別 男
称号 なし
所持スキル
・エッグ
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「出来た!」
「消えたわね」
「これ自由に付け替え出来るみたいだよ」
「そう。よかったわね。やっぱりおっぱいは止めてほうがいいわよ」
「?」←首を傾けるメンテ
「……(メンテが何が? という顔してるわ。やっぱり精神は赤ちゃんのまんまなのね。そこは猫になっても変わらないんだわ)」
匂いこそ変わっても中身は全然変わらないんだなあ。本当にただのメンテなのね。とシロは思ったという。
「どうせならもっとカッコいい称号が欲しいなあ」
「例えば何かあるの?」
「おっぱいじゃなくてソムリエとか?」
「ソムリエ? 何それ」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ new
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「「……」」
お互いじぃーと見つめ合います。
「どうなっているの?」
「わかんない」
よく分かりませんが選んでみます。
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【 】
年齢 1歳
性別 男
称号 おっぱいソムリエ
所持スキル
・エッグ
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「あ、これ複数組み合わせて選べるよ!」
「そう。それは良かったわね(……良かったのかしら?)」
おっぱいに関しては突っ込まないことにしたシロ。何が彼をここまで動かすのだろうか。もう深く考えないでおこう。
「もっと称号欲しいなあ」チラッ
「例えば?」
「う~ん、そうだ! 強そうな猫ってどうかな? 最強とかチートとかよくあるでしょ」
「……何それ?」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
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「増えてないわよ」
「あれ? どうして……」
「私も分からないわ。ぷっ、メンテって強いというより可愛いだしイメージ出来ないわよ」
「えー、そうかなあ」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い new
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「「……」」
またまたお互い無言で見つめ合います。
「シロ先生……」
「何で私がしゃべると増えるのかしらね……」
僕がしゃべっても何も増えません。なのにシロ先生がしゃべると称号が増えていきます。何で?! といろいろ理由を考えていると何か出て来ました。これは……?
「あ!」
「どうしたの?」
「ヘルプが出て来た。説明あった。えっとね……」
「ヘルプ?」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い
・ヘルプ new
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「ええ……」
「また?! 今のはなしよ。というか何で私がしゃべると増えるのよ!」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い
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「え、急に消えちゃったわよ?!」
「そうだね。あ、説明が出て来たよ。なになに、称号はその個体特有の呼び名。たくさんの生き物に認知されるほど増えていきますだって」
「どういうこと?」
「ちょっと待って……」
僕の中で1つの仮説が浮かび上がります。これしかなさそうですし。
「多分だけど、僕のことをシロ先生しか知らないからかな? 今のところ秘密を教えたのはシロ先生だけだし。だから100パーセント認知されちゃう的な?」
「だから私が言ったことがそのまま称号になっちゃうってこと?」
「さっすが先生! 理解が早いね!」
「だから私は先生じゃないの……」
ふむふむ、これってチャンスじゃないかな?
「じゃあいっぱい称号つけてみようよ! これは実験だよ! 有意義でしょ?」
「え~、面倒だからあとでよくないかしら?」
「明日の朝ごはんは、高級なお肉……」
「何がいいの?」キリッ
グルメに目覚めたシロ先生はチョロいのです。
「僕ね、人間にはこの力を秘密にしたいんだよ。だからね、猫としか見分けがつかない称号がいいな」
「何で秘密にしたいの?」
「実はすごい力持ってますって隠す方がカッコ良くない? あとみんな騙せるもん。それにおっぱい大事でしょ」
「……よく分からないけど、力を隠したいのは分かったわ。メンテはただの猫になりたいのね」
「そうそう!」
おっぱいに関しては突っ込まないシロ。彼はおっぱいのためだから必死なのだろう。そう思うことにしたのである。
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い
・猫 new
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「……すぐ増えたわね」
「さすが先生!」
「いや、もういいわ……。私がいろいろつけてあげる」
「じゃあ実験だけど神様ってどうかな? 猫の神様だよ」
「かみさま?」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い
・猫
・様 new
・紙様 new
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「なんか字がおかしいよ?!」
「えっと、神様って何かしら?」
「神様は偉~い人だよ」
「へえ。それがかみさまなのね」
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称号一覧
・おっぱい
・ソムリエ
・可愛い
・猫
・様
・紙様
・髪 new
・髪様 new
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「そうそう、頭に生えてるえらくなが~いやつね……って毛のことじゃないよ?!」
「そうなの? 難しいわね……」
どうやら猫には通じない言葉もあるようですね。初めて会った時もスキルって何? と言われましたし。説明に時間が掛かりましたがいっぱい称号が増えました。
そして、最終的にはこうなりましたよ。地味ですが。
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【 】
年齢 1歳
性別 男
称号 黒猫
所持スキル
・エッグ
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「あれだけ増やしておいてこれ選んだのね……?」
「目立たない方がいいでしょ? さっきは興奮しちゃって王様気分になってたの。ごめんね」
「別にいいわよ。でも朝食忘れたら許さないからね。ところで王様って?」
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【 】
年齢 1歳
性別 男
称号 魔王
所持スキル
・エッグ
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「「……」」
僕とシロ先生は無言で見つめ合います。
「メンテ、あなた……」
「ち、違うよシロ先生! 僕が選んだんじゃないよ。王様って言ったのシロ先生だよね! 早くこれ取り消してよ~」
「でもこれはこれで……ね。すごく面白いから良くない? ぷふぅ~」
「にゃああああああああ!」
「ぷぷぷ~」
このあと二匹は仲良く追いかけっこをした。




