表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
110/262

110話 「猫と交流する その6」

「メンテ起きて」

「えぐぅ~?」

「もう夜中よ。みんな寝たわ。猫の変身について教えてくれるんでしょ」



 僕は起きて周りを見ます。ここは両親の部屋なのですよ。みんなぐっすり寝ているのでスキル使ってもよさそうです。



「……えぐぐぐぐー(猫魂)」



 僕は変身魔法を使って変身します。今回は魔法少女ならぬ魔法ベイビーメンテです。変身シーンはご想像にお任せします。



「な、何よ今の?! 前見たときと全然違うじゃないの!」

「これは変身魔法だよ。僕が猫になるときの演出だよ」

「演出なの?!」



 シロ先生は驚いていますが気絶はしていません。心構えの問題でしょうね。



 ※猫と猫同士の会話なので普通にしゃべっています。いつもみたいにえぐえぐ言いません。



「それにしても……」

「何?」

「本当に猫なのね。ちょっと動いた姿が見たいわ」

「いいよ」



 二人でベッドから飛び降ります。いや二匹かな? でも僕の心は人間のままなんだよね。



「本当にただの猫にしか見えないわよ」

「やっぱり?」

「メンテの力を知らなかったら普通の猫と間違えちゃうわね」

「へえ」

「いやいや、もっと驚きなさいよ……」



 僕の見た目は完全に猫みたいですよ。猫のお墨付きです。



「みんな寝てるからね。起こさないようにここでしゃべろうよ」

「いいわよ」



 では猫魂を調べましょう!



「その前にひとついいかしら」

「いいよ」

「あなた本当にメンテ?」

「え?」

「え? じゃないわよ! あなた全然匂いが違うじゃないの!」

「匂いって何?」

「人間のメンテと猫の姿とでは全然違うわ」

「え、本当?!」



 全く分かりませんでした。でも自分の匂いってあまりわからないものだよね。



「どうしたら信じてくれる?」

「そうねえ……。じゃあ私がメンテって分かるようなことを言ってみて」

「僕らしいこと?」



 なんか僕が別人なんじゃと疑われているようです。別人というか別猫かな。



「そんなこと言われても……」

「じゃあ好きなものは何?」

「おっぱい!」

「……メンテね。疑ってごめんなさい」

「別にいいよ。こちらこそごめんね、おっぱい先生!」

「間違いなくメンテしか考えられない発想ね」



 よく分かりませんがすぐ誤解はすぐ解けましたよ。でも僕っぽいって何だろうなあ??



「それは変身っていうより人間とは別の生き物になっていそうね。いったいどうなっているの? 何か調べる方法があれば分かると思うのだけれど……」

「あ、そういえばこの姿でギフト使ったことないや」

「ギフト?」

「自分のことを鑑定する力だよ。ギフトを使えば、自分の知らないこともいろいろ分かるんだよ!」

「へえ、人間にはそんなものがあるの。便利そうね」

「その鑑定のおかげで猫に変身出来るって知ったんだよ」



 そうです、すっかり忘れていました。この姿になってから一度もギフトを使おうと考えたことがありませんでした。猫になっていても使えるのかな?




「じゃあ使ってみるね。ギフト!」




==========

【 】

 年齢 1歳

 性別 男

 称号 なし


 所持スキル

 ・エッグ

==========




「………………え?」



 何これ?? ギフトは使えたけど、意味が分からないという結果になりました。鑑定の中身がおかしいです。エッグってなんだよ。猫ですらないじゃん。バグってるのかな?



「何か分かったかしら?」

「よく分からないことなら分かった!」

「どういうことよ……」



 僕も理解が追い付いていません。



「シロ先生、これ見える?」

「この白いやつ?」

「そうそう」



 シロ先生に僕のギフトを見せます。



「1歳とか男とか見えるわね。あれ? 何で読めるのかしら? 私、字なんて知らないのに……?」

「読めるの?!」

「読めるっていうか見たら感じるというか……。何なのこの力? 不思議ねえ」



 これは新事実です。猫でもギフトが見れるようです!



「じゃあ説明するね。最初にある【】の中には本来名前が入るんだよ。僕が人間の姿だと【メンテ・ナンス】ってなるんだ。でもこの姿だと空欄だから名前がないみたいなんだ。まずこれがよく分からない。人間と猫とでは名前が違うのかな……?」

「じゃあ、あなたはメンテじゃないってこと?」

「う~ん、分からない」



 ははっ、さっぱり分かりませんな。



「僕は猫から人間に戻ると眠くなっちゃうの。赤ちゃんは寝ている時間だからね。だから人間のギフトはあとで見せるよ」

「分かったわ」



 とりあえずここは保留です。次に行きましょう!



「次はこれ。この称号だよ」

「称号?」



 そうです、称号です。これは人間のときにありませんでした。



「ん? 何これ」



 よく見ると称号の空欄には、小さな逆三角形みたいなマークがあります。▽←こんな感じのやつです。そこを集中して見ていると、急に画面が切り替わりました。



==========

 称号一覧

 なし

==========



 うお、びっくりした……。

 って何もないじゃないですか。無駄に驚いちゃったよ。



「何もないわよ」

「そうみたい」

「でも称号って何のことかしらね?」

「呼び名っていうか名称のことだと思うよ。すごいことをした人に贈られる栄誉ある名前みたいなね」

「それだとメンテは”おっぱい”がいいんじゃない?」

「いいね!」

「どんだけ好きなの?!」



==========

 称号一覧

・おっぱい new

==========



「「……えっ?!」」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ