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全部解っていた筈なんだ

作者: 佐伯黒百合

本当は解っていた

自分が何者にも成れないこと

中途半端なこと

愛しても愛されないこと

何も望めないこと

頑張れないこと

期待しちゃいけないこと

出しゃばっちゃいけないこと

調子に乗っちゃいけないこと

全部、全部、いけないことだった


自分なら夢を叶えられると思った

いつか、誰かの希望になれる物語が書ける様になると

誰かを助けたかった

結局深入りしてしまって自分が殺されるだけだった

それでも書き続けた

いつか誰かが理解してくれると思ったから

理解してくれる人は助けを求める人じゃないと気付かなかった

もう只の馬鹿だった


自分なら誰かを愛せると信じていた

好きだよと言って、好きだよと返された

嬉しい筈なのに心は冷めていった

虚しくて、ボロボロと何かが剥がれていった

ただ無言でも構わないから寄り添ってくれる人が欲しいだけだった

そんな人は異性の中に居なかった

昔、そんな同性の子がいた

もう会えるとは思っていなかった


悲劇のヒロインなんて柄じゃない

誰かを助けるヒーローなんてもっての他だ

村人cが妥当だっていうのに

なんでスポットライトの下に出てきたのかな

解っている癖に

自分が強くなれないことだって

女の子じゃないことがいつまでも続く訳じゃないって

誰かに理解されることが無いってことも

ただ、静かに嵐が過ぎるのを待つしか出来ないことだって

もう嫌だった

無力なのも、弱者なのも、見誤られるのも

そんな風に見る奴なんかみんな死んじゃえって

死んじゃえって、死んじゃえって、死んじゃえって

自分にしか言いたくない癖に

自分が足枷付けた癖に


ぐるぐると、無限のループ

雨の日の東屋に

閉じ籠ったまま

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