現状の確認 3
主人公の素性は、今のところ語る予定はございません。
「いかん、いかん。ついテンションが上がってしまった。
落ち着け。落ち着け。ただの落書きかもしれないし。
まだ自分の物って決まったわけじゃない。
ふぅ……。でも、期待するなって方が無理だわな」
『ステータス』なんて聞いたら、そりゃあいろいろ想像してしまう。
レベルとかスキルとか、……もちろん魔法もだ。
こんな訳からかん状況でなりふり構ってられないからな。
【イージーモード】絶賛熱烈歓迎中だ。小屋を出た瞬間に何かに襲われ、ジ・エンドなんてごめん被りたい。
逸る気持ちを抑えつつ、ページを捲った。
「どれどれ?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『生活魔法』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「魔法キターーー!!……って。それだけかいっ!!」
目次や説明文的なものもない。
『魔法』って言葉はメチャクチャ嬉しい。あるんだなって期待してしまう。
『生活』って前に付いてるのがビミョーなんだが。
チートの匂いが遠ざかっていくような………
ツーー
「あれっ?涙?汗?」
嬉しいのか悲しいのか釈然としない思いに身体が反応したのか、一滴の液体が頬を伝っていった。
ナビゲーターとまではいかなくても、初期の簡易チュートリアルくらいは欲しいよなぁ。なんて思ってしまうのは、便利さに慣れすぎてしまった弊害だろうか。それとも偏ったゲーム脳?
サービス精神溢れる生活に漬かってきた日本人特有の、甘ちゃんな考えであることは否定できないな。
気を引き締めていかないとな。
「まっ、自分でどうにかしろって事だわな」
『魔法』があるかもしれない。使えるかもしれない。
この事だけでも一歩前進だ。
見て、聞いて、触れて、感じて、考えて、行動して、
結果は自己責任。
当たり前の事だけど、改めて肝に銘じとこう。
早くも【イージーモード】は否定されてしまったか。
……残念。
読んで頂き、ありがとうございました。