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82:お見合いの席に突入の日

短くて、ごめんね。

お見合いの場所が懐石料亭『ジョニー』であると純菜から聞いた一行は、中古のマーチに乗り込んで出発した。


「わー!」


「きゃー!」


「あはははは!」


達也のらしくない乱暴な運転に、同席した3人が悲鳴と笑い声をあげる。

ちなみに「すっげー!」と喜んでるのが凛だ。


こんな派手な運転をしたら、当然だけどパトカーに見つかるわけで。


ファン、ファン、とパトカーが追いかけてきた。


「そこの赤いマーチ、止まりなさい!」


そうなのだ!

白いジャケットを羽織るぐらいホワイトがすきなくせして、車の色は赤なのである。


でもしかたない。

中古で状態の良い『白い』車がなかったのだから。


「「 達也さん、ストップ! 止まってー! 」」


翔子と純菜が悲鳴を上げるけど


「止まったら捕まるじゃないか! 捕まったら間に合わなくなるじゃないか!」


興奮しきった達也は聞く耳をもたなかった。


ファン、ファン、とパトカーが3台に増える。


と!


前方の信号が赤になった。


交差点の左右から車が動き出す。


けど、達也は車を止めるつもりがこれっぽっちもなかった。


「死んじゃうううううう!」


「いやああああああああ!」


左右の車の、その鼻先を掠めるようにしてマーチが猛速度で駆け抜ける。


ファン、ファン、とサイレンを鳴らしていたパトカーが車列の陰に隠れて見えなくなる。


後部座席で翔子と純菜に挟まれて座っている凛は


「映画みたい!」


リアウインドに顔をべったりくっつけて大興奮だ。


ちなみにタックとチックはといえば、早々に目を回してます。


「おおおおおおおお!」


「「 きゃーーーーー! 」」


「あはははははは!」


達也はさらにアクセルを踏み込むのだった。






懐石料亭ジョニーは、その名前の通りにアメリカはアイダホ出身の亭主が料理長を務めているお店だ。

斬新な懐石料理をだすお店として、お金持ちがこぞって遣って来ているのだ。


そのジョニーの個室で若葉はお見合いをしていた。


相手の四菱の御曹司おんぞうしは、とても真面目そうな男性ひとだった。

年齢は29歳と聞いている。若葉とは10歳の差だ。


「知っているでしょうけど、こちらの若葉さんはアイドルをしてましてねぇ」


仲人さんが話を振るのだけど


「はぁ、知っております」


と御曹司の反応はかんばしくない。


これでお終い。

お話が続きゃ―しない。口下手というレベルじゃない。


仲人さんはちょっとばかり疲れた顔をしていた。


これで話題を提供したのが何度目だかも分からないぐらいなのだ。

最初は無難に趣味からはいって、学生時代のことやらを持ち出したのだけど、ず~~~とこんな素っ気ない感じなのである。


もはや御曹司がお見合いに気乗りじゃないと誤解してもおかしくないほどだった。


これには同席している御曹司の両親も、若葉の両親も困り顔である。


「言葉少なですけど、無駄にお喋りをする男性よりは、よっぽど好感が持てますわよね?」


と仲人さんが若葉に話を向ける。


「そうですね」


と言いつつも、若葉は『この人が将来の旦那様なのか』と思えば暗澹たる気持ちにならずにはいられなかった。


どうしたって楽しい家庭をきずける気がしないのだ。


これが達也さんとなら、簡単に想像できるのだけど…。


仲居さんが遣って来て、お膳をさげる。


すると


「あとはお若い方だけにしましょうか」


逃げるように仲人さんが言って、部屋には御曹司と若葉だけが残された。


御曹司がジ~と若葉のことを見詰める。


若葉は緊張感に身じろぎしてしまった。


御曹司はまばたきをしないので恐いのだ。


ガタリ! と御曹司がテーブルに手をつくようにして立ち上がった。


「若葉さん!」


「はい」


と応えたときだ。


キキー! というタイヤの音と ガシャン! という何かがぶつかる音が聴こえて、個室から見える庭に見覚えのある見すぼらしい車が飛び込んできたではないか。


というか?


「達也さん?」


若葉は気が抜けたみたいに、ボロボロになったマーチに乗っているその人の名前を口にした。


達也がドアをあけて、ヨロヨロと出てくる。


「達也さん!」


名前を呼んで、若葉はその人のところへと駆けたのだった。

これでも書くのに2時間近くかかっているという驚愕の事実。

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