表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/128

26:リンの得点の日

短いですが、書けたので。

30秒ほどが経っただろうか。


バツン! と照明が灯ってステージに明るい光を投げかけた。


しかし、そこにあの女の子はいない。


「アンコール!」


観客席から吠えるような声が盛り上がる。


オーディションなのだ。

なのにアンコールである。


それだけリンが魅力的だったということだった。


アンコールの雄たけびに押されるように、スタッフはリンを探し求める。


けれども、リンの姿は見つからなかった。


実は…。

リンは時間切れで、凛にもどってトットとトンズラこいていたのだ。


筆者ですら忘れかけていた設定である。


「変身していられる時間ってどーなんてんのさ!」


大慌てにトイレに駆け込んだ凛は言ったものだ。


「変身時間は、君が誰かを笑顔にしたらしただけだよ」


「今日は幾らか笑顔にしたみたいですし、次回はもう少し長いあいだ変身していられるんじゃないかしらね?」


変身時間 = 笑顔貯金。だったのである!


こうしてトイレで凛に戻ったのはいいが、この後でリンを大捜索していたスタッフに見事に発見されて


「どうしてこんな場所にいるんだ?」


とキッチンに忍び込んだ野良ネコのように摘まみだされることになる。


スタッフはみんながみんな泣きそうな顔で金髪の女の子を探し求めた。

もっとも本人が摘まみだされているのだから、見つかるはずがない。


「いません! 見つかりません!」


悲鳴のようなスタッフの声で、これも泣きそうな顔をしていた司会者は仕方なしに採点を審査員にお願いすることにした。


ブーイングが球場を大きく震わせる。


逃げ出したい気持ちを抑えて、司会者は進行を優先する。


この司会者。

リンの番で照明が落ちるのをあらかじめ知らされていたのだ。


だから思う。


「そりゃ~、怒って帰っちゃうよなぁ」


と。


そうして、更に思う。


「こんなことなら、はした金なんか貰わなければ良かった」


と。


彼もまた、リンの歌をもう1度聴きたかったのである。

なによりも、観客が暴動を起こしそうで超こわいのだ!


点数は。

9。9。9。9。


藤堂家から取引をされていた先生方は満点を出すわけにいかない。かといって、低い点数では見る目がないと思われてしまう。

だからこその9点だった。

苦渋の9点だったのである!


観客からブーイングどころか罵声すらとぶ。


これには先生方も首を竦めた。


だが、ここで姫宮若葉が


「10点です! 姫宮若葉さんが、本日初めての10点を出しました!」


ここぞとばかりに司会者が盛り上げる。

観客の興奮をなだめようと声を張り上げる。


これが功を奏した。


観客がブーイングの代わりに拍手をする。

さすがは姫宮若葉だ、見る目がある! と大絶賛である。


これで増し増しに先生方は立場をなくして首を竦めた。


「さて、あとは皆さまの声援と拍手が点数となります!」


もちろん50点。


にはならなかった。


某仮装大賞式の点数パネルがうんともすんとも上がらないのだ。


すわ、故障か!


スタッフの血の気がひく。


しかしコレは故障でも何でもなかった。


思い出してほしい。

リンが歌い終わった直後のことを。


観客は、天使の姿と歌声に感動して、しわぶきのひとつもしなかったではないか!


だから0点なのである。


そうスタッフからカンペで知らされて、司会者は本気で泣きそうになった。

ダッシュで逃げたくなった。


だって、どんなに説明したところで観客が納得してくれるとは思えなかったのだ。

自分だって納得してないのだから。

どんな大きな拍手や声援よりも、あの静寂のほうが感動をあらわしていたのは、誰だってわかる。


…分かるけど。システムでは0点なのだ。


司会者は決死の思いで伝えた。


「エントリーナンバー36、リンさんの総合得点は46点です!」


これは36人の参加者中の最低得点だった。


罵声が司会者に降り注ぐ。


だが彼はプロだった。


「続いて、スカウトをお願いします!」


なんと! 札を上げたのは1社だけだった。


中小は、あんな規格外の女の子を扱えるはずがないと及び腰になってしまい。

大手は、リンはMISAKIグループが手を付けているのではと穿うがったのだ。


何故か?

一連の出来事。照明が落ちて、謎の光が降ってきた。これをMISAKIグループによる演出だと疑ったのだ。


ならば、入札するだけ馬鹿らしい。

そう考えてしまったのだ。


だったら札を上げたのは……神宮寺達也だった。アポロ・プロである。


この瞬間、アポロ・プロはリンに対する独占的な交渉権を手に入れたのだった。


……もっともリン本人は姿を消してしまっているのだけど。

これにてオーディション編は終わりかな?


アニメだったとした3話目でしょうか?

なのに、もう26話。

展開が遅いのか、それとも投稿する文章が少ないのか。


次回! 家に帰るまでがオーディションな日!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ