【お題】たいたんの嫁ココ
たいたんのお仕事は大地を支える事です。
たいたんの身長はそれはそれは大きく、大地を支えてもまだ余裕がある程に力持ち。
今日も彼は神としてのお仕事に励みます。
そんな力自慢なたいたんですが、実はとても寂しがり屋さんなのです。
おっと、今ちょっと地震が起こりましたね。
これは、たいたんがケータイで奥さんに電話を掛けている合図なんですね。
彼は地表になるべく影響を与えないようにと、肩と頬で挟むようにしてケータイをホールドするのですが、ばっちり影響が出ちゃう辺りがたいたんの可愛い所です。
さて、ちょっとたいたんと奥さんの会話を盗み聞きしてみましょう。
「もしもしぃ?たいたんだよぉ?」
「ぁ、あなた、どうしたの?お仕事の最中じゃない?」
「う~ん、でも、ただ大地を担いでいるだけだし。暇なんだよね~」
「ぁ、んっ…いけません、たいたんのお仕事は大勢の命もその肩に背負っているのです。真面目に…あっ…お仕事してください」
「ねぇ、なんか息が荒いよ?風邪?」
「そ、そう、ちょっと朝から体調が悪くて。それよりも、誤魔化さないでください。ちゃんとお仕事しないと怒りますよ」
「ん~、分かったよ」
…たいたんの奥さんは、彼の電話に怒ってしまったのでしょうか?唐突に通話を切ってしまいました。
ちゃんとお仕事しないと更に嫁の機嫌が悪くなってしまう、そう思ったたいたんは大地を担ぐポジションを微調整しつつ気合を入れました。
その動きで地表では震度7の地震が起こります。
そんな大災害は置いておくとして、気合を入れたそばからたいたんのケータイが鳴り、彼のやる気を奪いに来ました。
しかし、基本的にそういう着信とか無視できないたいたんは姿勢を上手いことしてケータイを取り出し、その画面を見ます。
お友達のクロノス君からのメールでした。
そこにはこのような事が書かれていました。
『たいたんの奥さんがゼウスの野郎と浮気している』
たいたんは何が何だか分からず、一瞬頭が真っ白になりました。
どくどくと脈打つ心臓を無視し、メールの最後の方にあったアドレスをそっと開きます。
『たいたんの嫁ココ』
それはゼウスのツイッターのアドレスでした。
そこにあった最新の呟き…そこには、たいたんの嫁がゼウスと同じベットに横たわっている姿が映し出されていました。
ゼウスの顔はどこか誇らし気にピースサインまでしている始末。
こうして、ティタノマキア(たいたんの戦い)は起こりました。
数多の神々を巻き込み、多くの人類の命を奪い後世に神話として語り継がれることになるこの大規模な戦争は、地表の災害を逃れた一人の少女‐ひつじ‐によって終わりを迎えるのですが、それはまた、別のお話…
NTR!!NTR!!