【お題】今日のお汁男
お汁男さんは同じゲームで遊んでくれているフレンドさんのあだ名です。
「今日の天気は晴れ時々曇り、所によりお汁男が降るでしょう」
TVのお天気お姉さんがいつもの様にそんな事を言っている。TV画面に映っている日本地図とお天気マークのそれを眺めていると、左上の時刻が7:57になっているのに気付いた。
そろそろ出かけないと高校に遅刻するなぁ。そんな事を思いつつ玄関に向かう。そうだ、今日はお汁男が降るかもって言っていたなと思い出し、傘立てに挿してあった金属バットを手にした。
重いから嫌なんだけど。
雨の日は髪の毛が纏まらないから嫌い。お汁男の日はもっと嫌い。
・・・
通学路、同じ学校の生徒をチラホラと見かける。男子は気楽よね、お汁男の心配をしなくてもいいんだからさ。
ドドドドドドドドドド…
急に後ろからけたたましい音が迫ってきた。
「あー、めんど」
独り言ちても仕方ない。後ろを振り向いてバットを構えた。
「うわ、最悪。ゲリラお汁男じゃん」
真っ黒なお汁雲から滝のように降り注いでいるお汁男が見えた。局所的な集中お汁男だ。
その地域にバストDカップ以上の女性が多いと稀にこんな事が起こる。
空から降ってくるお汁男にぶつかると運命を感じられて付きまとわれてしまう。
ぶつかる前に殴り飛ばす。建物の中に入ったぐらいではお汁男からは逃れられないし、諦めてくれない。ちゃんとお断りバッティングをしないと離れてくれないのだ。
「あーあ、今日は遅刻かなぁ」
のんびりと先を行く男子達に恨めしい視線を向けるも、ゲリラお汁男は止んでくれるわけじゃない。
はぁ、今日は朝から憂鬱だ。