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学園長の整理整頓

説明が多い……すみません……


あと、作者はメンタル面はお豆腐なので、お手柔らかに……



ブックマークなど、ありがとうございます。





少し、俺の話をしよう。


以前話した通り、フルネームは瑠紫安リュシアン・セイヤード・ひいらぎという。父が日本人、母がフランス人のハーフだ。


セイヤードは母の旧姓で、フランスの名家の名前だ。

父方の柊は日本でも有数の大財閥の家。



そんな大層な家柄の御曹司と令嬢の出会いは当然ながら――――偶然だった。


父が留学したフランスで母と出会い、お互い一目惚れ。家柄が釣り合っていたこともあって、親もあっさり結婚を了承、とかそんな落ち。



まあ、そんなこともあったらしいが、俺は孫バカ甥バカを発揮した母の両親とその姉により、幼少からフランスと日本の行き来を強いられた。


ちなみに母の姉はセイヤード家を継いだ。

未だ独身で祖父たちを心配させているが、子供はいるので跡継ぎの問題はない。




8歳の時、今度は父方の柊家が経営している学園の小等部の編入試験を受けさせられた。


合格して、初めて清園学園の門をくぐった2年生の始業式の日が俺の運命の日。



ここはあの(・・)ゲームのカバーのバックグラウンドになってた学園だ、って気づいた。


前世で姉達と妹がハマり、一時期家のそこら中にこの学園の絵が書かれた、攻略本やら設定資料やらが転がっていたじゃないか。




その日家に帰って、俺は必死にゲームのことを思い起こしていた。

何せ8年以上も前に見たものだ。なかなか出てこない。


攻略対象に複雑な過去持ちやトラウマ持ちなどがいなかったのがせめてもの救いだった。

ゲームの内容はただ、色んなタイプのイケメンと身分差の恋を成り立たせること。


まあ、玉の輿ストーリーだ。


だからヒロインは当然一般家庭の出であり、攻略対象と悪役令嬢達は全員がある程度の名家や財閥の生まれ。


そしてゲームの舞台の清園学園は小等部から大学、大学院まで揃った、エスカレーター式のいわゆる御坊っちゃま御嬢様学校。




これはゲームの攻略キャラをまとめた物だ(名前を覚えていなくて、それらしい人物を調べてまわって探し出したものもある)



すめらぎ朝賀あさが

メインヒーローの王道王子様キャラ。大財閥、皇家の御曹司。眉目秀麗、文武両道の完璧男子。金髪碧眼。ヒロインと同い年。


とどろき琉斗りゅうと

無口で硬派なクール系イケメン。武道の名門、轟家の三男。高身長で、黒髪に紺の目。歳はヒロインの一つ上。


あかがね燈真とうま

社交派スポーツマンの爽やかイケメン。銅家の長男。高身長で、赤茶色の髪に青い目。歳はヒロインの一つ上。


おおとり誠司せいじ

一匹狼のワイルド系イケメン。名門、鳳家の次男。銀髪黒目で見た目不良で授業もサボるが、成績はトップクラス。ヒロインと同い年。


ゆずりは水鳥みどり

チャラい優男風イケメン。轟家に並ぶ武道の名門の跡継ぎ。亜麻色の髪に翡翠の目。チャラい。ヒロインと同い年。


はなぶさ葵郁あおい

冷たい美貌のツンデレ担当。英家の長男。白金色の髪に青い目。自分にも他人にも厳しい真面目くん。ヒロインの一つ下。


ひいらぎ紫安しあん

隠しキャラ。大人っぽい魅惑の美男子。柊財閥の御曹司。生徒会長、その裏では学園長。茶色の髪に深緑の目。ヒロインの一つ上。



とまあ、設定に関してはこんな感じ。



攻略対象は皆が皆とても目立つ容姿をしていたから、非常に見つけやすかった。


にしても、外国の血があるという設定になっていたのは、しあんと鳳誠司だけだったのに、凄く鮮やかだ。解せぬ。

俺、ハーフ設定なのに負けてるんだけど……



悪役令嬢はというと


春日谷かすがや美桜みお

悪役令嬢その1。キャピキャピ系ギャル。ストレートの黒髪に黒目。新興企業の社長令嬢。ヒロインと同い年。


如月きさらぎ玲奈れいな

悪役令嬢その2。THE・お嬢様。縦巻きロール。茶髪茶目の如月財閥の御令嬢。ヒロインの一つ上。



悪役令嬢の色は普通だな。


でも2人は俺より出番が多かった。

まあ攻略キャラは始めに全員紹介されて、ルートに入ると他のキャラはほぼ登場しないので、全てのルートで登場する2人はどの攻略キャラよりも多くお目にかかるわけなんけど。



因みに家格は、皇、如月>柊≫英、鳳>轟、杠>銅>春日谷、って感じだ。

皇、如月、柊は大財閥だけど、どの家も一般の家庭とは一線を介する名家だ。




ヒロインのことに関してだが、これがわからない。


名前は変更可能だったから不明。

デフォルト?当然覚えてるわけがない。

容姿もわからない。

スチル?とかもよくある、攻略キャラがメインでヒロインの顔は見えない仕様になっていたから。


一般の家からの特待生入学で目立つが、入学前に見つけることは不可能だ。




その時の俺は8歳の頭で必死に考えた。


攻略対象はどいつもが将来、相当な財力やら権力やらを持つことになるだろう有望株だ。


そしてゲームには、逆ハールートがあった。

実際、逆ハールートに入らないと隠しキャラ(紫安)は登場しない。


シナリオの強制力はどれ程あるのかはわからない。

ゼロかもしれないし、抗えない程のものかもしれない。


それでも逆ハールートに入って攻略対象7人を味方につければ、校内に限っても、いったいどれ程の力を持つことになるのだろうか。

ヒロインが気に入らないというだけで、生徒を退学まで追い込めてしまうかもしれない。

事実、悪役令嬢達は、どのルートでも退学させられていた。



そんなこと、許すものか。ふざけんな。



俺からしたら悪役令嬢より、ヒロインの方がよっぽどたちが悪いように思える。

自分の持つ力も正しく把握することも、判断することも怠る愚か者だ。


今の俺の目にはヒロインはそう映る。




最後の懸念は、俺以外にも転生者がいるかもしれないということ。

転生ものの定番だしな。




それから俺は半年だけ清園学園に通い、イギリスに留学した。

柊の祖父達は残念がったが、高校からまた通うと約束したら大喜びで休学という扱いにしてくれた。


その時両親は、


「大丈夫かしら。日本の高校では生徒会が権力を持つのでしょう?高校から通うとなると、知り合いも少ないでしょうし……」


「心配ないよ、ルーシェ。琉斗君もいるしね。不安なら、生徒会でもてが出せないようにすればいい。そうだね……学園長になるかい?ルーシュ」


とこんな会話で俺の学園長就任が決まった。


ってかゲームの紫安ってそんな理由で学園長やってたんだ……




イギリスで俺は飛び級に飛び級を重ねて大学を卒業した。


それを可能にした紫安のハイスペックにはつくづく脱帽だ。

俺も相当頑張ったけどな。


そしてゲーム通りに高校の入学式前に帰国。




俺の目的は、主人公に攻略対象の攻略をさせないこと。

そしてこの学園の覇権は表も裏も俺が握る。


他に転生者がいてもボロなんて出してやらない。






ゲーム開始まで、後1年。




さあ、前準備に入ろうか。







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