見えてくるもの。
【この前はごめんね。
もう一度謝りたくて。】
あの出来事から10日間程経ってから私はメッセージを送った。
遅いってわかってるけど、椿からもなんの連絡もないままが過ぎわたしは何故かモヤモヤしていたのだ。
先輩とは仮のままだけど普通に進んでるし
仕事も順調だしなんにもモヤモヤするとこないのに。
1時間後…
ピロンっ
【何に謝ってるの、】
えっ…
なにこの意外な返事…
【椿に変な態度とってお店飛び出しちゃったこと。】
【あっそう…別にいいんだけどね】
なんかいつもと違くない?!
【何かに怒ってる?…】
【なんにも。
ただモヤモヤしてた】
【…わたしも同じ。
なんなのかな……】
椿とは出会ってまだ日は浅いけど
思っている事や感じる事がよくシンクロすると思っていた。
【なんなら今から会って話すか?
とかいってな。】
【ぢゃあ今から椿んちに行く
とかいってみたりね。】
【女が軽くそうゆうこと言うなよな】
【ジョーダンだもん】
【飯食った?】
【まだ。椿は?】
【俺もまだ。
今から準備してくから飯食いに行こうぜ】
そういえば今まで夜ばっか会ってたから昼間の椿ってどんな感じなんだろう…
わたしはモヤモヤしていたはずの気持ちより
今度はソワソワしてしまっていた…
そんなに緊張することもないはずなのに……
椿は1時間程でマンション前まで来てくれた。
『久しぶり。
思ってたより元気そうぢゃん。』
『椿こそ、全然元気そうだね。』
車に乗り、少し走らせた所にあるレストランに入った。
『ここ、俺の父親の知り合いの店なんだ。
けっこう美味いよ』
そういい、店長と会話をしながら奥の個室へと案内された。
『このお店ってよく雑誌に載ってたりするよね。』
『みたいだな。
俺は知ってるだけでほとんど来ないけど』
ホントかな…
とかいって何人も連れて来てるんぢゃないの…
『椿ってさ……
今まで何人と付き合ってきたの?』
『急に?!』
『うん。気になったから。』
『うーん……
まぁ、人数は多い方だと思うけど
ちゃんと本気で付き合ったのは1人かな』
本気が1人…!?
『その、ちゃんとってゆうのはどうゆうちゃんと?』
『だから…普通に好きで付き合って年単位で付き合ったってゆう意味。
…そいつと一緒に生きてるような恋愛が1人ってこと』
自分から聞いておいて何故かモヤモヤする私…
聞かなきゃ良かったかも……
すっごい特別な1人なんだ……
『ふーん…そっか。』
『そうゆうスミレはどうなの、』
『私は………
わからない……』
『は?
分からないほど多いってこと?』
『そうぢゃなくて……』
今までの人達との付き合いが本気だったのかと自分で考えてみても分からない……
『ちゃんと好きだったのか分からないってゆうか……』
『…うん。』
『人として好きとかはあってもそれが恋なのか愛なのか
分からない…のかな。』
『……
そか…まぁ難しいよな…』
わたしは頼んだ紅茶を飲みながら過去を思い出していた。
『愛って…どうゆうのかな?…
どうゆう感情をもったらそれは愛なんだと思う?…』
思い切って聞いてみた
『また難しいこと聞いてくるなぁ…
…でも…俺が勝手に思ってるのはでいうなら、
相手にも与えるし、相手からも与えられるものって感じかな。』
『ぢゃあ…
恋は?』
『……嫉妬ぢゃね?』
『嫉妬…?…。』
『あくまでも俺が思ってることだからわかんねーけど、
だいたい好きなのかもの始まりって嫉妬してる自分に気づくとこから始まるような気がする』
わたしは過去の自分を思い返してみた
嫉妬されて窮屈に感じることはあっても
嫉妬して相手をとがめたことなんてなかった
でも好きな感情はあったはず…
椿の定義でいくなら
わたしは好きではあったけど恋焦がれていなかった
そうかもしれない……
ぢゃあこの前の椿のお店を飛び出しちゃったあの時の
わたしや、
しかも今こうしてモヤモヤしてるわたしって……
『おーい?
なんか考えこんで大丈夫か?』
『あっ!
ゴメンゴメン!……色々思い出したりしちゃって…』
とそこへ私たちの前に美味しそうな料理が運ばれてきた
ので気を取り直して食べることにした。
『そういえばこのあとどっか行く?
時間があるならの話しだけどさ。』
『うん。わたしは時間平気。
今日仕事は?休み?』
『そっ。今日は久々の休み。』
『でもオーナーだから休もうと思えばいつでも休めるんでしょ??』
『まぁね。
でもやっぱそういうわけにはいかねーぢゃん。
別に今オンナいるわけでもないしねー』
へぇ…意外…
彼女がいたら彼女の為に休みにしたりするんだぁ
『なんか景色の良いとこ行きたい…』
『景色の良いとこってちょーザックリぢゃん。』
『だって景色の良い場所で遠くを見て癒されたい気分なんだもん』
『時間的にもう少しで夕方で夜でもないしなぁ…
まっとりあえず車走らせて行ってみるか。』
私達は食後のデザートとコーヒーを飲んでしばらくしてからお店を出た。
わたしの要望の景色の良いとこってどこに行くんだろう…
椿は車に乗るとナビをいじり始めた。
初めて行くとこなのかな
『30分くらい走りまーす』
『はーい。お願いしまーすっ。』
この30分の間、なにか聞いてみようかと思ってわたしは考えていた。
『椿ってさ、普段友達と遊んだりするの??』
『そりゃー遊ぶよ。』
『何して?』
『だいたい飲みだね。
最近は俺の仕事が忙しいから俺の店に来て閉店後に飲んだりとかだけど。』
『そうだったんだぁっ。クラブとか行ったり出会いの場みたいなとこいっぱい行ってるかと思ってたよ!』
『昔は行ってたけど大学卒業してからは一回も行ってないなぁ。
てか出会いの場ってなんだし笑
俺はそんなふうにうつってるの、笑』
『うん。笑
1番最初の印象が、遊んでそーだなって思ったからその感じがね、笑!』
『まぁいいんだけどさ笑!
そうゆうスミレの普段は?』
『わたしは仕事終わりに友達とご飯行ったり遊びに行くかな!あんまり休日は遊ばないかなぁ。特に最近は。』
『それはあいつと毎日いる的な感じで?』
『違う違う!
わたし休日はゆっくりしたい派なんだよねッ。』
『ふーん。
ぢゃあ今日はダルかった?』
『きょっ今日は偶然にも元気な日だったから平気なの!』
椿はイタズラっぽい顔で笑った。
きっと私がなんて言うか分かって聞いてきてるんだ。
『はいはい。今日は付き合ってくれてありがとう。
てかガム食う?』
椿がダッシュボードからガムを取り出そうとした時
指にはめていたリングが見えた。
『あっ…その指輪、かっこいいね。
普段からしてたっけ??』
『俺は出掛ける時しかしない。
あんまアクセ付けないんだけど、この指輪は俺も好きなんだよね』
『なんかいいなぁ。そうゆう特別的に好きな物があるって。わたしにはないなぁ。』
『とかいっていっぱい良いモン持ってそうぢゃん』
『まぁ…良いものはそれなりに持ってるけど、
かといってそれが特別好きかって言われたらそうでもないってゆうかね…。』
『へぇ。
てゆうか昔の男からもらった物とか取っておくタイプ?』
『うーん。捨ててはないなぁ。
クローゼットにあるみたいな感じ!
椿はどうなの?』
『俺は捨てる派。』
『えっ!意外!』
『普通は残してるとか言うよね。』
『うん。
でも何で捨てちゃうの?』
『いやっ思い出は思い出なんだけど、
未練なんかないのに未練がましいような気がしてくるから捨てる。例え香水1つでも、友達にあげるか捨ててきたんだよねー。』
はっきりしてるとこは椿のイメージだけど
香水1つでもそうだとは…
でも完璧にその時の感情を忘れるためにもそうゆう方が
ラクなのかなー。
『なんか椿ってホントにギャップ人間!』
『なにそれ!』
わたしはこの車内に入った時から
運転中の椿の笑った横顔を何度も見てしまう…
女心をくすぐる笑顔とはこうゆうことなんだろうか
『てかあとちょっとで着くよ!』
わたしは窓から外をのぞくと
そこには大きく広がる湖が見えた。
椿は車を駐車場に止めて少し歩こうと行った。
『やばい…何年ぶりだろ。』
『昔来たの…?』
『たぶん…小学4、5年の頃かな。
家族みんなで来たよ。』
てっきり女の子と来てるのかと思ってた…
『そうなんだ。
ぢゃあ椿にとって懐かしい光景だね!』
私達は湖が綺麗に見える場所の看板を見つけ
そこを目指して更に歩く事にした。
つづく。




