近距離
『やっぱり立派なマンションに住んでるんだねぇ!』
『こんなの大したことないし。
てかスミレのマンションも女の子が憧れそうな綺麗なマンションぢゃん?』
『全然いたってふつーだよ。
椿んちは見るからに凄い!』
先輩のマンションも高層マンションで素敵だったけど、椿のマンションはそれを超えていた。
地下駐車場に入る際はセキュリティコードを入力して通過してから、24時間体制の駐車場管理者に預ける。
ロビーに入ると、椿はクリーニングに出していた洋服と郵便物をフロントから受け取り部屋へと向かった。
エレベーターの行き先は最上階である30階だった。
〔やっぱりお坊ちゃんは違う‥‥!(◎_◎;)〕
『このエレベーターって部分的にガラス張りになってるから外が見えるんだね!
怖いもの見たさで外の景色見ちゃうよ!』
『怖いもの見たさって、俺んち入ったらどうすんの。
30階だからこっから見る景色どころぢゃないよ。』
そんな話をしてるうちにエレベーターは静かな音であっという間に最上階へと着いた。
椿を先頭にエレベーターを出て右奥へと向かうと、
Kuryuの文字が見えた。
『はい。どうぞ。』
『おじゃまします‥。』
玄関に入り、大きな内ドアを開けると
そこには狭く細い廊下などなく
ワンフロアを贅沢に使ったリビング広がっていた。
『‥‥ホント凄い‥‥!!その言葉に尽きるよ‥‥!
‥‥しかも綺麗にしてるんだねっ!!』
『そおか?
そもそも俺マンションてあんまり好まないからさ。
掃除は気になって我ながらちゃんとやってるとは思う。』
『こんな凄いマンションに住んでるのにマンション好まないとか贅沢なこと言ってー。』
『俺のオヤジが用意したマンションだし‥‥
というかこのマンション自体がオヤジが所有してる建て物だから余計なのかもな。』
『さすがお父様だね!
久利生家が羨ましい‥‥!!』
『こんなつまんねー話やめよーぜ。
つか適当にラクにして。
好きに飲み物のんだり食ったりしていいからさ。』
『えっ‥‥
椿はどこ行くの??』
『風呂。
さすがにスッキリしたい。』
『‥!あ!
そうだよね!ゴメン、気が利かない事聞いちゃって‥‥!!』
椿はそのままお風呂へと向かって行った。
〔なんかちょっと緊張する‥‥ε-(´`; )
何もないとはいえやっぱりね‥‥‥‥〕
わたしは大きな窓から見える景色を眺めながらある1つの事を考えた。
〔そういえば‥‥‥
なんで椿は今日私を遊びに誘ったんだろう‥??
特に意味はないのかな‥‥??〕
〔にしてもこの景色‥‥。
綺麗な夜景って中々見れるものぢゃないよね。
‥‥‥先輩の時も思ったけど、
この部屋で椿も誰かと一緒に過ごしてたんだよね‥‥きっと。
‥‥もしかして今もフリーだって言いながら私を家に呼んでるみたいに女の子連れ込んでたりしてっ‥‥!
だとしたらなんてゆーチャラさだっ( *`ω´)!!〕
〔でも椿のかっこ良さぢゃ女の子もチヤホヤされたら一晩限りでもイイって思っちゃうのかもなぁ。〕
わたしが色々考えているとシャワーから出てきた椿の声がした。
『好きにしててよかったのに。
オレンジジュースでいい?』
濡れた髪の毛をタオルで乾かしながら言ってきた椿はいつも以上にカッコ良かった。
『あっ!
うん‥‥!ありがとう。』
『そーいやさ、俺の店に入る斗真いるぢゃん?』
『うん。斗真くん?
今日もお店で挨拶したよ!』
『あいつがスミレの事気になってるらしいよ。』
『え!?なにそれ。
あり得ないでしょ。』
『他のスタッフ情報だからどうだか知らないけど
〝スミレは難しい女だからやめとけ〝ってまわすように言っといたから。』
『ちょっとなにその言い方ー。
‥‥まぁ別に良いんだけど‥‥!』
椿はジュースを飲みながらソファーに座り、
わたしはクッションを抱えながらソファーにもたれた。
『けど‥‥‥
私って難しい女なの‥‥?かな‥?
まだ会ったばかりの椿にそう言われるって。』
『さあな。』
『さあなって!』
『まぁ2つ分かってるのは、
1人暮らしの男の部屋に来ちゃうってことと
意外と俺には自然体に近い自分をを見せてンのかなってことかなー』
〔椿って遠回しな毒舌で攻めてくるよね‥‥(◎_◎;)
〔自然体に近いっていうのは確かに当たってる気がするけど‥‥!〕
『てかあいつとどうなの?
あの、、宮原とかいうヤツ。』
『先輩?
…うーん。別にフツーかな…?』
『フツーってなにが?』
『特別な出来事はないけどってこと!…
でもこの前、先輩が体調崩したからお見舞いに行った時
ハグされた…!!』
『ハグ!?!』
『そう、ハグ!!』
『……お前さ、犬をハグするみたいな言い方してるけど
要するに抱きしめられたって事だろ……』
『うん…そうだけど、、
先輩は具合い悪かったし熱のせいみたいな……ね。』
『ふーん……』
椿はちょっと機嫌悪そうにしていた。
自分で聞いてきたくせに。
『ちょっとー。
急に静かになっちゃってなんなのー。』
『スミレって軽いオンナなんだなーと思って。』
『!!
軽くなんてないから!!』
『証拠は?』
『しょっ…証拠なんてないけど、、、!
でも、付き合ってないのにカラダの関係はもった事ない!』
すると椿は一瞬時が止まった。
『ぷっ……
あははは!
ゴメン!思わず笑っちゃって!』
『なんなのー!』
『普通に真面目な答えが返ってきたからつい、!』
『椿って意外とからかってくるからなぁ!』
『ゴメンゴメン。』
両手を合わせてゴメンのポーズをしてきた。
椿のそのイタズラっぽい笑顔が女心をくすぐるよね。
『てゆうか、あの新しく入ったスタッフの女の子って
元々椿の知り合いかなにか??』
『えっなんで?』
『うぅん。
なんとなーくそう思ったから。
ちょっと知り合い感が出てた気がして。』
『まぁ…、知り合いの知り合いみたいな感じではある。』
『そうなんだぁ。
あの子、椿に気がありそうな予感!!』
『いやいや、それはあり得ないから。』
『なんでそう思うの?』
『そう思うからそう思う。
それに俺年下の子とかあんまり好きぢゃないし。』
『え!意外!
すっごい年下から人気あって付き合ったりしてそうと思ってた。』
『それが苦手なんだよね。
年下の子ってキャーキャー言ってきて落ち着きないってゆうかなんてゆうかさ……。
付き合ったりするのは無理。』
〔どちらかというと年下とばっか付き合って、俺について来いタイプだと思ってたからちょっとびっくり(゜ω゜)〕
『でももし、その年下の子がすごく大人っぽくて良い子だったらどうする??』
『……それでもないかなぁ。
俺さ、妹がいるからなのかやっぱ妹っぽくしか見れないのもあるのかも。』
『あ〜そっかそっかぁ。
確かにそうゆう話しはよく聞くかも!』
それから私たちは夜中だというのに時間を忘れて話し続けた。
気がついた頃には朝方の4時をまわっていた。
椿も午前中からお酒の仕入れや中の仕事があるらしく、
私も普通に仕事があるので車でマンションまで送ってもらった。
『今日はホントありがとね。
なんか色々話せて楽しかった。』
『俺も。』
『椿ってさ…意外なとこ沢山あるよね。』
『そうか?』
『見た目だけで接するより、ちゃんと話して
久利生 椿っていう中身を知った方が椿の良さが出ると思った!』
『それはどうも。』
『うん。
ぢゃあ、またね!…』
私は車から出ようとした時だった。
突然私の目の前に椿の顔があった。
!?
これは……
『あいつの、ハグなんて忘れろ!』
『えっ……と
うん、、ぢゃあね……。』
『ぢゃな。』
まさかのキス……!?!
いやいや!!
今の今までそんなそぶり全くなかったぢゃんか(°_°)!!
ハグまでは良いとしても付き合ってないのにキスなんてしちゃっていいの!?!
わたしの頭の中はキスの事でいっぱいだった。
久々だったというのもあり、部屋に入ったあともドキドキが止まらなかった。
つづく。




