Another Story ★ Takuto
大学卒業後、今の会社に勤めて6年が経つ。
6年という時は遅いようで早かった。
小学1年生が6年生になるまでが意外と早いように
俺の6年もあっという間だった。
けどここ最近は
‥‥仕事もプライベートもマンネリ化ってゆうか‥‥
2年付き合ってる彼女は俺の事をあまりわかってないし、俺も彼女のことをイマイチわかってない。
お互いの事をあまり干渉しないカップルの代表という感じがする。
この前も家に泊まりに来た時、スマホがテーブルの上にありバイブが鳴った。
別に見たいと思ったわけぢゃない。
たまたま目線の近くにあって偶然にも見えてしまった。
【原田 修也】
まさに今、男からのメッセージが届いていた。
別に異性とのやり取りくらいは普通だろう。
職場の人間かもしれないし、昔からの友達‥とか。
ただ、問題はその文章。
【この前はありがと。まじで楽しかった。
また会いたい。】
‥‥‥そうか。
‥‥‥2人で会って、この男は相当喜んでいる。
‥‥‥浮気に近い事をしたのだろうか。
今泊まりに来て風呂入って、これからあいつは何をしたいのか‥‥。
こんな気分ぢゃ俺は何もしたくない。
俺は断った。
彼女は、なんで?どうして??
と聞くばかりだった。
それは自分の胸に聞いてくれ。
男から、また会いたいと言われたその日何があったのか。
どの女の子も俺の何を見てるんだ‥‥
イケメンで優しくて包容力があるよねって‥‥
ありきたりな言葉。
俺はもっと肩を並べて歩きたい。
歩幅を揃えた付き合いがしたい。
‥‥‥‥‥
けど自分自身がそう思える相手にまだ出会ってないから言う機会がない。
今の彼女ともきっともうすぐ別れがくる‥
そう予感していた。
『宮原くん!ちょっとこっちへ。』
『あっはい、部長。』
仕事も順調といえば順調だが、言い換えれば
つまらない。
もっと上を見ないといけないな‥‥‥
『彼がね、この社内1人気のイケメンで有名の
宮原拓斗くんだ。』
俺は部長に呼ばれ、部長の横にいる女性を見て
今までと違う何かが俺を襲った。
『初めまして。
今年の4月入社予定となります、咲坂 菫と申します。』
『はっ‥‥‥初めまして。
宮原拓斗です。』
『宮原くんには先に紹介しておこうと思ってな。
あのお嬢様学校の時ヶ丘大学卒業でトップ成績で入社だ。
彼女の教育担当をキミに任せるから4月からよろしく頼むよ。』
『学生時代、アルバイトなどしていなかったので
社会に対する能力がなくご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いします!』
俺は簡単な返事しか出来なかった。
彼女に見とれてしまっていた‥‥
色白で清潔感があり
綺麗な髪に綺麗な肌に綺麗な顔立ち。
彼女のような女性らしい姿に見とれない男はいるのだろうか。
『宮原‥‥先輩と呼ばせていただいてもよろしいですか?‥‥』
『あっうん。
‥‥‥どう呼んでもらっても大丈夫ですよ。』
『ありがとうございます!
‥‥さっき、部長さんがおっしゃってましたけど
素敵な方ですね。宮原先輩は。』
この子‥‥今会ったばかりでなんでそんなこと言えるんだ‥‥‥
『俺は‥‥全然ダメですよ。
‥‥今会ったばかりでなんでそう思うんですか?』
『年下の私にずっと敬語で話してくれています。
同じ目線と礼儀で会話してくださっている気がしてそう思いました。
‥‥会ったばかりで言う事ぢゃないと思うんですけど。
でも、こうゆう方が私の担当をしてくださると思うと嬉しくなってつい‥。』
同じ目線‥‥か。
『咲坂さん‥‥。
なんか‥おかげで元気が出ましたよ。』
『??‥いえ!
私は事実をお話ししたまでですので、お礼なんて。
あと、今後は先輩の話やすいようにしてください。』
『うん。
ありがとう‥‥。』
実は他の会社から引き抜きの話がきていた。
でも彼女と今こうして出会ったことで気持ちが動き出した。
俺自身が遠ざけていた仕事への気持ち。
それと、咲坂さんに仕事を教えたい気持ち。
咲坂 菫という1人の女性を知りたい気持ち。
待ってるだけぢゃ状況は変わらない。
自分が変わらなきゃいけない。
この数ヶ月後、
俺は彼女に別れを告げた。




