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恋あい気分  作者: ハム子
16/50

天秤




『具合いはどうですか?』


『ずいぶん良くなったかな。

朝は39度くらいあってさ。さすがに辛すぎて病院行ってクスリもらってきたよ。』


そう言いながら先輩は薬の袋を見せてくれた。


『熱って本当に辛いですよね‥‥。

でもちょっとラクになったなら良かったです‥!

‥‥あっ

そういえばこの書類、部長から預かってきたものです。』


『うん。ありがとう。』


〔さっきの人‥‥

元カノって感じの雰囲気出てたよね‥‥

聞いてもいいのかな‥‥〕


『てゆうか‥さっき、ごめんね。

気にしなくていいから。』


〔!!おっ‥‥先輩から言ってきてくれた(^^)!〕


『‥‥いえっ

むしろ時間も遅くなったりわたしの方こそ連絡もしていなかったので‥‥』


『咲坂さんは何も悪くないよ。

‥‥何カ月か前に別れた人なんだけど。

ここ最近連絡来てて、全然返してなかったら今日いきなり来たっていう感じで‥。』


『‥先輩はモテますし、優しいので気になっちゃうんでしょうね‥‥。』


『けど俺は未練なんてないよ。』



〔意外とキッパリ言い切るんだっΣ(・□・;)〕



『それは何年も付き合った相手でもですか?‥‥』


『そうだね‥‥

どちらかというと年数とかよりその相手によると思うし

実の無い付き合いに等しかったなら

例え何年付き合っても忘れられるかな。』


〔なんか今日の先輩、いつもよりはっきりしてるというか‥‥覚醒してるというか‥‥Σ(・□・;)〕



『なんだか今日の先輩はいつもとちょっと違いますね。』


『そうかな‥‥?

久しぶりに元カノと会ったせいでなにかが違うのかな。それとも単に熱があるからなのか‥‥』


『でも‥‥

そんな先輩も魅力的です。』


『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。』


『わたしは、会社での先輩しかほとんど知らないので

‥‥なんか、また1つ先輩を知れた気分です。』


『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。』



先輩は何故か黙っていた。

そしてさっきまでとちょっと違う雰囲気に変わった。



『‥‥‥‥‥‥?

先輩‥‥??どうしたんですか‥‥?

気分が悪いんですか?』





わたしは先輩に近づき、先輩の視野に入ろうと

横に座っている先輩を覗くように顔を寄せた。









『‥‥』







その瞬間、わたしは何が起こったのか分からなかった。








‥‥‥‥先輩の腕が私の肩を抱いていた。








『先輩‥‥‥。』







『付き合ってもないのにごめん‥

あり得ないよね‥。』







これは風邪のイタズラなのか

それともこの姿も先輩の1つなのか







『‥いえっ‥‥‥。

そんなことありません‥。』


『‥‥‥‥そっか‥‥

冷静なんだね‥‥。』


『っ!全然冷静なんかぢゃないです‥‥!

けど‥‥先輩になんて言ったらいいか分からないんです‥‥ただそれだけです‥‥』








私を抱きしめる力が弱まる事はなかった。



〔言葉で伝えられないなら‥‥‥‥〕







私も先輩の背中にゆっくりと腕を回した。







『中途半端なことしてゴメンね。

でも‥‥

‥咲坂さんて魅力的な人だし‥‥

2人きりでいて何もしない男なんていないと思う‥』




私は先輩の胸に顔をうずめながら

首を横に振った。




『もう少しだけ

このままでいて欲しい‥‥』



『はい‥‥‥。』











それから先輩の抱きしめる力が徐々に弱くなり

眠りへとついたのかな‥‥

近くにあった毛布を先輩にかけて

先輩の寝顔を見つめた。




〔それにしても綺麗な肌だなぁ(>_<)

女性顔負け。パーツも整ってるし‥‥。

先輩はホント美形中の美形だ‥‥!!〕



先輩の寝顔を見ながらさっきの出来事を思い出した。



〔てか!!

あんな時はどうしたらよかったんだっけ‥‥(>_<)

1年もああゆうことないと忘れちゃう‥(>_<)〕



でも‥‥

先輩もあの元カノともこの家で一緒に過ごしてたんだよね。


今先輩が寝ているソファーに

2人で座ってテレビ見たり話したり


あのキッチンでだって

2人で一緒に料理作ったり


お風呂にだって

2人で一緒に入ってたかも‥‥‥‥‥






そう考えると嫌でも思い出があるよね。



わたしは改めて部屋を見渡した。





〔ブブーっ〕




静かな部屋でスマホのマナーモードが鳴った。




〔あれっ‥‥

このアドレスって‥‥〕



【俺。

店のこのパソコンが壊れて、バックアップ機能からシステム復元してみたらお前からメールきてた。

てか俺メールきてること知らなかった。悪い。】



〔俺って‥‥´д` ;

まぁ椿ってわかったからいいんだけど(^^;;〕



【大丈夫だよ!

でもお店のメールは全部チェックしなきゃダメでしょーー】


【いやっ毎日してるのに何故か俺読んでない。

つか俺のスマホに連絡しろよな。】


【わたし、椿のスマホのアドレス知らない(^^;;】


【俺はスミレの連絡先全部知らないけど】



〔Σ(・□・;)

そうだったんだ‥‥!!私教えるの忘れてた‥´д` ;】


【教えた気でいました‥ごめんなさいm(_ _)m】



わたしは椿に自分の連絡先を送った。



するとすぐに椿のスマホからメッセージがきた。






【今日、店来いよ。

連絡遅くなったからおごる。】



すると先輩が思いがけない事を聞いてきた。



『あのバーの男の事、どう思ってるの‥‥』



〔このタイミング(゜O゜)\(- -;〕


わたしはタイミングの良さにカラダがビクッとなってしまった。



『急にごめん。

今ふと目が覚めていきなり思ったんだ‥‥』



『いえ‥!

ちなみにあの男ってゆうのは、バーのオーナーのことですか‥‥??』



先輩は頷いた。



『うーん‥‥

そうですね‥‥‥特に特別な感情もないですかね‥

ただ、優しい人だとは思ってます。』


『‥そっか‥‥。

なら安心した。』


『どうしたんですか?

先輩らしくないぢゃないですか?』


『‥‥

今日はまだここにいてよ。』



わたしは椿からメッセージに

行くか行かないかまだ返信していなかった。



寂しげな先輩を前にして

行く気分にもなれないけど


椿の誘いも受けたい自分もいた。













『はい。

‥‥まだこのまま居ますので、安心して下さい‥。』




私は先輩を選んだ。




『ありがとう‥‥。』












つづく。



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