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「ずっと夢だと思っていました」


 落ち着いたハンは、心配するキチを帰すと、イオと差し向かいで座った。

 随分泣いた後なので、腫れぼったい目元をしている。だが少なくとも話す気力はでたらしい。先ほどよりも随分ましな表情になっている。

 イオが煎じた薬草茶をすすりながら、ハンはぽつぽつと話しだした。


「十五になった夜に、初めてあの人の夢を見ました」

 とても奇麗な男の人だった。そう言うハンの目元が微かだが赤く染まる。


「見た事も、会った事もない人で、どうして夢にみるのか不思議でした」

 その日以来、ハンは毎晩のように見知らぬ男の夢をみた。

 色の白い、青い瞳の男。


 ハツユキだ。あの無駄に整った蛇に違いない。

 どういうわけか、ハツユキに限らずカガシは美しい容貌の者が多い。

 ありゃあ、メスをたらし込むオスの飾りだよ。蛇神様だって、動物と変わりゃあしないんだ。

 いつだったか、村の婆様たちがそう言っていた。

 ハンの反応を考えると、それも頷ける。伴侶を得る為に、美しい容貌は確かにひとつの武器になる。

 ゆいなの村にそのような垢抜けた男はいない。ハンは産まれてこのかた村の外を知らない。


「もしかして、これから会う人なのかもしれない。そう思いました」

 そう言うハンの頬全体は、朱色に染まりだした。

 恐れながら、惹かれているのが一目瞭然だ。


(違う)

 話しを訊きながら、内心でイオはかぶりを振った。

(これからじゃない。もう会っているんだ)


 ハンがその事実を知る術は無い。

 ハツユキが三百年もの間待っていたことを。

 人には考えもつかない年月だ。長い時を生きられるカガシだからこそだ。だがイオにはその情熱は、いっそ妄執だと思えてしまう。


「あたしに向かって何か言っているんです。でも……なんて言っているのか、あたしには聞こえません。優しい目をして、一所懸命言ってくれているんです。……それから、おいで。おいでって。手招きをして……」

 ハンは知りたかった。

 会いたくなっていた。

 青い瞳の若者に。

 だが所詮は夢のなか。いくら手を伸ばしても若者に届きはしない。

 夢が続いてひと月がたった頃だ。ハンは奇妙な点に気がついた。 

 朝起きると布団が汚れている。足の裏を調べると、土塊で真っ黒になっている。

 これはどうしたことだろう。

 自分は何をしているのか、まったく覚えていない。さすがにハンも気味悪くなった。


「毎日頭がぼおとして。家の仕事も満足にできなくて。母さんに注意されて……」

 気がつくと、頭も躯もふらふらになっている。

 母にいくら説教をされても、ハンにはどうしようもなかった。いつもの時間に床についている。

 ハンは六人兄弟だ。八歳の妹と同じ布団に寝ている。決して夜更かしなどしていない。

 なのに実際は、昼間に動くのもしんどくなってきている。目の下のくまが消える日がない。

 心配した母に詰め寄られ、ハンはとうとう夢の話しをしてしまった。


「笑われる。そう思ったのに、母さんは真面目に話しを聞いてくれました。その時は気のせいだって。年頃になるとそんなこともあるって。そう言ってお終いだった。けど……」

 ハンが考えていたほど、母親は楽観視をしていなかった。

 両親はハンには内緒で、寝ずの番をした。

 そこで二人は、娘の異常なさまを見たのだった。



 ハンは微笑んでいた。

 楽しくて楽しくて仕方ない。そんな笑みを口元に浮かべ、娘は布団から抜け出すと裸足で外に出た。

 母親は夢の話しを信じたわけではない。

 悪い男に騙されて、外で躯をつなげているのかもしれない。そう考えていたのだ。

 娘の単純な頭で、訳の分からない夢の話しを作り出すのなんて無理にきまっている。大方それだって、相手の男に知恵をつけられたのだろう。親に隠れて男がいる。それだってうんと悪いことだ。

 だが二人の最悪の想像は間違っていた。男などどこにもいなかった。

 ハンは一人で芋畑をぬけ、村はずれの荒れ地まで歩いて行く。

 薄い夜着で、両手はゆらゆらと胸の前で揺れている。目はぽっかりと開いているが、視線は定まっていない。

 二人の知っている娘の姿はどこにもない。


 第一逢瀬に荒れ地を選ぶ酔狂な者がいるわけがない。

 あそこはおっかない場所だ。

 ゆいなの村は決して豊かとはいえない。遊ばせておく土地など、どこにもない。にもかかわらず、がらんとした平な土地が村はずれに広がっている。

 草も生えない。動物も近寄らない場所だ。

 開墾したようにも見える真っ平らな土地は、しかしいくら苗を植えても育ったためしがない。水をやっても、飼料を与えても、苗は真っ黒に腐ってしまうのだ。

 そんな荒れ地でハンは楽しげに歩き回っている。しまいには地面にうずくまり、けたけたと声をあげて笑っている。しかもその声には普段の娘からは考えられない艶があった。

 ハンは頭をやられているのか。

 恐る恐る近寄った父親は娘のはだけた懐から、さっと飛び出す黒いものを見た。長く、細い。その影の目玉は冷え冷えと光ってみえた。



「魔物に取り憑かれた。父さんはそう言って、あたしを部屋に閉じ込めました。夜にはつっかえ棒までして」

 両親は隣村まで行って、有名な神社から札を買ってきた。すると、しばらくは夢も夜歩きもぴたりとやんだのだ。

 しかし。代わりに恐ろしいことがおこりだした。



 話しを聞き終えたイオは、小屋の前に広がる荒れ地に立っていた。

 村人が忌み嫌う土地は、明るい午後の日差しを浴びながらも、どこか寒々しい空気をまとっている。

 村人が背を丸めながら働いている馬鈴薯畑はすぐそこだ。

 なのに向こうは、決して視線を合わせない。必死で見てみぬ振りを続けている。

 ここでハンは人知れずに、逢瀬を繰り返していた。

 しかしハツユキは言ったではないか。ハンの瞳は、わたしを映さなかったと。

 あれは全てでたらめだった。自分の同情をかう為の芝居だった。だとしたら成功だ。

 あたしはまんまと、蛇の純愛話しにひっかかったのだから。

 だが、どうしてだ? リュウのあたしをどうして連れてくる必要がある。村にはいるだけならば、誰でも良かったはずだ。むしろあたしはカガシの天敵だ。それをどうしてだ?

 片膝をつくと、長い間イオは地面を見つめていた。黒々とした乾いた土地をほじると、じんとした冷たさが指先から伝わってきた。


 ※ ※ ※ ※ ※


(まただ)


 夜半。

 集落から離れた場所に建てられた小屋の前に男はいた。

 真っ白い。

 裸足の足が地面を踏む。


(また、懲りずに札をはっている)


 男の青い瞳が、剣呑に細められた。

 小さな小屋の戸口はおろか、窓枠にまで、びっしりと札がはりめぐらされている。

 さらに今夜は、小屋の周囲に見慣れぬものまである。

 榊だ。円陣に榊を地面に突き刺し、小屋全体を囲っている。結界のつもりらしい。

 だが生憎であったな。

 男の薄い唇が、歪んだ笑いを浮かべた。

 夜の自分が、これくらいの封印札で抑えられるとでも思ったのだろうか? 愚かな奴だ。ハンの父親といい、人間とはまったく忌々しい。

 自分とハンとの間をさく者は許さない。

 アレは自分のものなのだ。前世からの縁をたちきるなど、誰にもできはしない。

 白い足は、イオのつくった円陣へ躊躇なくはいる。

 途端に円陣から光がほとばしり、榊の小枝が一斉にしなりだした。


「しゃらくさいわっ」

 怒りにまかせて、男の足が榊を踏みにじる。


「これぐらいのもので、わたしをどうこうできると思ったか!」

 今夜は特別な夜だ。

 三百年前。

 カンノと引き離されたあの日から、ずっと待っていた。

 もう一度ひとつになる為に。

 その為だけに、自分は生きながらえてきたのだ。カンノに対する思いがなければ、土塊の下でとっくに朽ちていた。この思いを邪魔する者を許しはしない。

 この日の為に蓄えていた力。

 弱々しい存在に甘んじてきた屈辱をはらすのだ。


「うおおおお」

 男の荒々しい雄叫びと共に、榊が倒れ、円陣がくずれる。

 さあ、あとはハンを浚うだけだ。

 三百年前に奪われたものを、返してもらおう。



 ハンは震えていた。

 冷たい布団をかぶり、ただただ札を握りしめ、震えていた。

 背中も胸も汗でしとどに濡れている。

 なのに、躯はしんから凍えてしまったかの様に震えが止まらない。

 怖い。

 怖い。

 怖い。

 あんなに優しい目をした人だったのに。

 なのに変わってしまった。

 父さんがお札をはって、つっかえ棒をした。ぐっすり眠れたのは二、三日だった。

 それからは悪夢の連続だ。夢の若者は様変わりをしてしまった。

 怒りで顔は歪んでいる。

 口を開くと、二股に分かれた長い舌が伸びてくる。

 夢で逃げるハンを、どこまでも追いかけ捕らえる。途端に首筋をがんっと殴られ、気を失いそうになるのだ。

 だが、恐ろしさで目を閉じられない。そうしてしまったら、二度と目がさめないかもしれない。

 その恐怖がハンの正気を保っている。

 若者の両腕が万力の強さでハンの躯を締め付ける。

 胃が逆流して、吐きそうだ。思わず開けた己の口のなかで、何かが蠢くのを感じて、ハンは悲鳴をあげ目を覚ます。その連続だった。

  


 男は小屋の扉に手をかけた。

 魔除けに封印札など、造作も無かった。

 脆弱なこの姿に惑わされて、自分を侮ったらしい。せいぜい明日になったら悔しがればいい。

 アレの姿はこの村から消えるのだ。やっと元に戻れる。

 男の口元に浮かんだ笑みは、残虐な色に染まっている。



 みしっ。みしっと床板を踏みならす足音が聞こえてきた。

 夢ならば、若者は気がつくと現れている。

 なのに今夜は違う。

 小屋の引き戸が開けられ、冷たい夜気が流れ込んで来た。湿った土の臭いがハンの鼻をかすめる。荒れ地の土の臭いだ。

 昼間にここを訪れた札師の言葉を思い返す。

 大丈夫。

 ハンは渡された札を、千切れんばかりに握りしめた。

 小屋には自分しかいない。札師も夕刻には出て行ってしまった。

 ここへキチ以外の人間がやって来るのは滅多にない。

 若者が様変わりしてから、悪夢にうなされ半狂乱になるハンを恐れた家族から、この小屋に移された。荒れ地のなかに建つここが、何と呼ばれているのか、ハンだって知っている。

 移り病や、罪人がでると使われる忌み小屋だ。

 だが来たくないとは言えなかった。

 今は末弟のキチが、日に二回飯をもって来てくれる。それだっていつまで続くか分からない。厄介者を喰わしていく程、ハンの家族は裕福ではない。


 先週は目つきの怪しい男がやってきた。

 男はハンを見るなり、これでは売り物になりはしない。憑き物を落としてから声をかけてくれ。そうせせら笑うと、すぐにも出て行った。

 外で誰かの溜め息が聞こえた気がした。

 あれは父だったのか。兄だったのか。考えたくはないが、そうであっても責める気にもなれなかった。

 いっそこのまま、若者に捕われてしまおうか。

 疲れた頭で、そう何度も考えてみた。しかし今は恐ろしかった。

 一歩一歩近づいて来る足音に身がすくんだ。

 首筋の赤痣が、じくりと痛みだす。

 痣などハンにはなかった。若者が豹変してから、できたのだ。

 夢で、いつも決まってここを殴られる。気が遠くなる痛みで、頭が朦朧となる。

 助けてと伸ばした両手が、若者の変化した長い躯で巻き取られる。

 そして呼びかけられるのだ。

 甘ったるい声で。

 息も絶え絶えでもがき、目を開ける。薄汚れた小屋の天井が見えて、やっと息をつく。

 朝がきた。

 目が覚めた。

 そう安堵する毎日である。

 次の朝日を見られるのだろうか?

 両手で握りしめていた札の鈴が、ちりんと軽やかになった。その途端。ハンの躯を覆っていた布団が、ぐっと押さえつけられる。

いつの間に止んでいたのか。

 もう足音は聞こえない。

 変わりに、何かがハンの上に乗っている。


「ひいいっ」

 耐えきれずに、か細い悲鳴が喉から漏れる。


「カンノ」

 優しげな声で、布団越しに撫で回される。人間では考えられない、長い腕はすっぽりとハンの躯をとらえてしまう。


「カンノ」

 夢でも呼ばれた名だ。


(違う。わたしはハン。カンノじゃない)

 涙でぐちゃぐちゃになった顔で、ハンは首を横に振った。

 ハンを押さえつけている力が、ぐっと強まる。


「やっと。やっとだ。もう離さない」

 白い指先が、布団の端から入ってきた。

 異様に長い爪だ。

 布団が持ち上げられると、できた隙間から床が見えた。真っ暗だと思っていた室内は月の淡い光が差し込んで、変に白っぽくみえている。

 ああ、今夜は満月だった。そんな悠長な考えが、ほんのひと時頭をよぎった。月をあおぐ為に顔をあげたハンは、こちらを覗き込む者と目が合った。

 青い双眸。

 妖しい魔物の瞳が、じっとハンを見つめている。

 瞬きをしないその瞳がにいいっと細められ、「みつけた」嬉しそうに男が呟いた。


「いやあああ」

 咄嗟にハンは握りしめていた札を、男の顔面に投げつけて布団からまろび出た。

 恐怖で腰があがらない。

 尻をついたまま、ハンは床の上を這った。

 逃げなければ。それだけで頭のなかは一杯だ。なのに、躯は思うように動かない。

 母さん!

 父さん! キチ!

 誰でもいい。助けて!

 背中が中途半端に開けられていた襖に当たった。

 振り返る。

 すぐそこが隣の板間だ。開け放たれた戸口から、外が見える。

 狭い小屋だ。戸さえくぐれば。外に出られさえしたら。

 戦慄わななきながら伸ばされたハンの手は、しかしそれ以上は動かなかった。

 ハンの長い髪が後ろからがっ、とつかまれる。痛みではない。恐怖で悲鳴があがる。


「ひいいい」

「なんて悪いことを覚えたんだ」

 若者の頬がハンの耳にあたる。

 その顔を見上げて、ハンは心底後悔した。

 見なければよかった。

 声は優しいままなのに、顔は怒りで歪んでいる。


「こんなものを僕に投げつけて。どういうつもりだ?」

 そのまま力まかせに抱きしめられる。夜着越しに、若者の冷たい肌の感触が伝わり、重なった肌が粟立つ。寄せられる頬にも、血の通った暖かみがまるで感じられない。

(この人は、やはり人間ではないのだ)

 父さんの言った通りであった。


「こんなに震えて。可哀想に。すぐに僕のところへ連れていってあげる。まずは邪魔なものを無くしてしまおう」

 若者がハンの目の前で札を握りつぶす。

 若者の手のなかで黒い炎があがり、札は消し炭となった。


「あんなに僕を愛してくれたのに。忘れるなんて酷いよ。カンノ……」

 耳元で若者が呟く。

 愛おしくてたまらないと。

 甘い声で。

 夢と同じだ。しかし今夜は目が覚めるとは思えない。

 ハンはついに絶望で瞳を閉じた。それを諦めと感じ取ったのか、若者はうっすらと微笑むとハンの胸元に手を伸ばした。

 その時だ。

 小屋全体を一気に光が包み込んだ。若者にもハンにも咄嗟に何がおきたのか分からない。


「上手い具合にひっかかってくれたねえ」

 あざけりを含んだ声が部屋に響いた。


「くそっ」

 若者が悪態をつく。

 目を開けようにも、あまりの光の強さに顔をあげられない。ハンの方はといえば既に気を失っている。

 仕方がない。

 若者はハンの躯を床におろし、両手で自らの顔をかばった。

 伏せた視界いっぱいに、いつの間に張り巡らされたのだろう。包囲陣がまわっている。

 小屋を囲んでいたものとは、あきらかに違う。桁外れの強さだ。

 二重にかけられた輪の文字が、左右逆に回転している。

 輪の内側からは回転しながら、光と共に水煙があがる。見えない壁があるごとく、水は二人を囲うようにして嵩を増していく。


「陰には陽。天には地。偶数には奇数。清には濁。リュウのカガシ封じの陣だ。油断したのは、あんたの方らしいねえ」


「誰だっ」

 戸口に誰かがいる。

 光の向こうに立っている。


「誰だなんて、つれないねえ。あたしに声をかけたのは、お前さんだろうに」

 のっそりと小屋の中にはいって来たのはイオであった。

 土足で板間まで入って来ると、陣のなかの二人を見下ろす。

 苦しいのだろう。

 若者の端正な顔は、今や歪んでひきつれている。それでもハンを手放す気はないらしい。ハンの上にのしかかったままだ。

 小刻みに震える姿は、既に足下から変化が解けている。着物の裾から飛び出したのたうつ蛇の尾が、イオに向かって打ち鳴らされる。

 飛沫ひまつがあがり、さらに若者の顔が苦悶に歪んだ。この陣の水は若者にとっては毒だ。人であるハンにはなんら影響を及ばさないが、若者はもって数分といったところだろう。

 小屋の周囲のわざと解けやすい結界も。

 ハンに持たせた札も。

 全てはおとりだ。この封印陣に誘い込む為の。


「あたしゃあ、面倒なのは好かない。あんたがこんな騒動をおこさなければ、手間をかけずに帰っていたんだ。まあ何も殺すわけじゃあない。イドの向こう側も結構過ごしやすいらしいから、行っておくれ」


 イオは一枚の札を差し出した。

 札がカガシに反応し、紅い文字が浮かび上がる。

 人里にいるカガシを封印して歩く趣味はない。そんな面倒なこと、いくらだされたって御免こうむる。しかしこのカガシは駄目だ。ハンに対する執着が強すぎる。

 気絶したままのハンにしがみつく若者に向かって、イオは札を投げつけた。カガシ封印のイドの札は、まっすぐに光のなかへ吸い込まれる。


「カンノ!」

 そう叫ぶと、若者の瞳が絶望で閉じられる。

 だがそこへ、「駄目だ!」

 鋭い叫びがおこった。


 イオの放った札は、突然現れた白い手によって跳ね返された。必死な形相で若者を守った手の主を、イオは呆然と見返した。



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