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非凡に憧れた少年

作者: 榊 みかど

駄作です。それでも読んでくれるという方のみどうぞ!

少年は、とても非凡に憧れていた。


少年こと佐藤誠。16歳。容姿、頭の出来共に可もなく不可もない。どこにでもいる至って普通の男子高校生だ。

まぁ、敢えてあげるなら非凡なことに物凄い憧れをもってるぐらいだ。小説やアニメでは異世界転生や召喚ものを好み主人公を自分に置き換えて想像する、ちょっとアイタタな平凡な男子高校生だ。



そんな彼は今日もまた特に何もなく平凡な休日を過ごしていた。まぁ、頭ん中は背後から暴漢がナイフを持って襲いかかってくるところを華麗によけ逆に撃退するという妄想に浸ってたわけだが。

しかし、ついにあだ名が「平凡」とあだ名までもが平凡なキング・ザ・平凡な彼にもやっと奇跡がおきたのだ。

異世界召喚

佐藤誠がいつも夢見ていたそれが現実になったのだ。

いや、正確には巻き込まれなんだが。

まぁどちらにせよ彼にとって人生に1度の奇跡なのだ。

目が覚めた彼はテンションMAXながらも瞬時に事態を把握した。それは、まぁ何度も夢に見た異世界召喚だからな。

巻き込まれたの姫巫女の召喚だった。

そして要らないと判断された彼はあれよあれよというまに城下町のとある一家に預けられた。



とある一家は、八百屋をしている老夫婦だった。城に野菜を入荷してるときに王に目をつけられ彼を押し付られたのだ。

だが、そんな一家にとって邪魔者である彼にも老夫婦はまるで孫のように可愛がってくれたのだった。

そんな彼らのことを誠も慕い、恩を返そうと仕事を手伝い穏やかな時間を過ごしていたのだが。

ふと、気づく。あれ?異世界まで来て何をしてるんだろうと。非凡に並々ならぬ執念を持っている彼は、異世界まで来ても平凡に野菜を収穫し売っている。

悩んだ彼は、最近仲良くなった魚屋のシンに悩みを打ち明ける。

「俺さ。異世界まで来ても普通に生活してんだけどこれってなんなの。俺って呪われてんの。平凡に生きろって」

と、まぁ悩みというか愚痴を言っていたわけだが。

「あれじゃね。平凡もずっとなら非凡になるんじゃね?」

異世界に来たなら充分非凡な存在になれたんじゃね?とか色々ツッコミはたくさんあったが我慢してシンはそう言った。というか実際めんどくさくなったのだろう。

だが、誠にとっては世界の真理が解けたと言っても過言ではない言葉だった。



それから、非凡なことを望まなくなった彼は以前より明るくなり老夫婦たちとの仲もますます良くなって仕事の手伝いも前より意欲的になり店も大きくなった。順風満帆の平凡生活だがこんな生活も悪くないと思うようになったのだった。









それから2年後。ある事件で老夫婦を亡くしその復讐を果たすために皮肉なことに非凡な日々を過ごすことになるなんて誰が予想できただろうか。

少なくとも、今幸せそうにしている彼には考えもしないことだろう。

非凡に憧れてるけど、1番平凡に執着してる少年。


非凡になりたかったら裸で街を歩くとかすればある意味非凡になれますよね(笑)

まぁ、そこまでは行き過ぎかもしれませんが。


変わりたいと思うけれど自分では実行しない彼が変わる原因になるのは老夫婦のおかげでしょうね。

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