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我が心のままに  作者: 通りすがりのバッタ男
3/3

逃亡

「ですからこの写真がなのよりの証拠ですって!!」

決して広いわけではない開けたオフィスに甲高い女性の声が響き渡る。自らの席で仕事に集中しているもの、はたまた忙しさのピークが過ぎコーヒーを楽しむもの、仕事の電話をするもの、全員が一転を向く。

「だからって確実な証拠がない以上は記事にはできないよ。さっ由美ちゃんこっちの仕事に専念してよ。」

ピリピリと怒りをあらわにする女性に突きつけられた書類をぐしゃぐしゃに丸めた。

「有名人の結婚疑惑なんていつでもできるでしょう!!」

そう言ってオフィスを勢い良く飛び出した。


槙野由美

大手新聞会社に勤める記者である。

彼女がいま取り上げているのはとある企業の疑惑問題である。

世界的エネルギー企業「ガイアボルト」の兵器開発疑惑である。

日本発祥のガイアボルトは度重なるエネルギー不足問題の解決のために新発電期間サイクロン発電を作り出したのであった。

巨大な人口竜巻によりモーターの回転率を通常の30倍のスピードで発電するというものだ。

しかしガイアボルトは元々紛争地域に武器を売り込む違法産業であったため裏の悪い噂がたえなかった。

今では対紛争地域用の人造兵士も作っているという都市伝説的なものもある。


しかし、それを調べるのにはもう一つの理由があった。

「優希・・・どこに行ったの。」

槙野 優希

ロボット光学に携わる研究者であり由美の弟である。

元々は老人介護用のロボット製作をしていたが数年前にガイアボルトに引き抜かれ作業用ロボットの制作スタッフになったと言われている。

しかしそれ以来優希からの連絡は途絶えていた。

「きっと、きっと何かあったんだ・・・・。」

ガイアボルトのことを調べていればきっと優希のこともわかるはずだ。

そう信じて様々な場所に飛んだ。

そして先月、ついに確信的な写真の撮影をした。

アフリカのとある紛争地帯で発見された人型の謎の機械、そして・・・ガイアボルトのマーク。

しかし結果はこれだ。

『ココカラサキハタチイリキンシデス。』

最近ロボットが増えた。

もしかして・・・優希が・・・・・・?

何時もの帰り道、薄暗い路地を通る。

危ないけどマンションまでここからが一番近い。

いつもと変わらぬ道。

しかし今日は違った。


誰かが座っている。

傷ついた腕からはバチバチと火花が漏れている。

「ロボット・・・?」

黒い装甲、武装だらけの体、そして腕の付け根にあるガイアボルトのマーク。

「やっぱり作ってたんだ。」

写真を取り出す。

時刻は午後14:00まだいまから会社に行けば間に合う。

その時、路地の壁が突き破られる。

『ハッケン。ハッケン。』

不気味なロボットだ。

獣のような足、不気味な尻尾、強靭な爪の生えた両腕、恐ろしい真っ赤な眼差し、恐ろしく醜い姿だ。

『ハッケン。ハッケン。至急排除。』

そのグロテスクなロボットが座りこんだロボットに近づいて行く。

『排除、排除。』

首に手を掛けると勢い良くバイクのほうに投げ飛ばした。

道路を砕いて落ちてゆく黒いロボット。

「なんてこと・・・・。」

『目撃者、証拠隠滅、排除セヨ。』

爪を広げてロボットがよってくる。

「いや、助けて。来ないで。」

怯え、震え上がる由美、そして謎のロボットは腕を振り上げた。

だがその瞬間、振り上げた腕は吹き飛んだ。




カラン・・・・。



小さな金属の落ちる音。

そこにいたのはショットガンを構えた先ほどの黒いロボットだった。

『キサマ、起動シタノカ!?』

『・・・、ZVW-098。』

目標を変えて098という番号のロボットが飛びかかる。

そのまま路地のさらに奥へ吹っ飛んで行く。

上になったのは黒いロボット。

下のロボットにショットガンを連続で撃ちまくる。

しかし悶える098も振りほどこうと爪で引っかきまくる。

耳障りな引っかき音とともに大量の火花が飛び散った。

転がる黒いロボットに追撃をかけようと098は追いかける。

その時腰の付け根に弾丸を一発当てる。

その時、その場所から大量の燃料が漏れ出す。

その時火花のでた自分の腕の傷を押し付けた、それに引火し炎上し出す。

そのままもがきながら爆発して行く。

「何・・・・何よこれ・・・・・・。」

『わからない・・・・。』


つづく


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