目覚め
・・・・。
ふと視界が明るくなる・・・・・
ここは・・・一体どこだ・・・・・・?
わからない・・・、なにも感じられない・・・・・・。
感じられない?
なぜわかる、感じられないのに何故わかる?
視界が慣れてゆく・・・、どうやらここは何かの中のようだ・・・・。
その時、
目の前のハッチが空き出した。わからない、なにが起こっているのかは全く検討がつかなかった。
ハッチが完全に空いた時脇腹のストッパーのようなものが解除された。
地面に足をつける。
ゆっくりと腕を上げる、しなやかに動く腕は自らの顔をゆっくりと触って行く。
近くに大きな鏡のようなものを発見した。
ゆっくりと歩き出す、
ギィギィとモーターの摩擦音が起こる。
少しずつ近づいて行く鏡、薄暗い部屋では1mほどの距離からでは姿を確認することができなかった。
鏡からわずか30cmほどの距離になると謎の赤い光が見え出す、その位置は顔部分の視界に当たる部位のようであり自分の姿の全貌が赤黒く見え始めた。
鏡の前に立つ男 ・・・いや、男であるかすらわからないその姿。
武装強化された黒いボディ、不気味な赤い目、悪魔・・・いや、鬼・・・とでも言うべき姿であった。
『・・・・・hdsじゅxかkdshjsbsj。』
意味のわからない羅列のような音声が口からもれる。
どうやら人語は喋られないらしい。
静かに歩き出す黒い影は部屋の出口と思われる扉に手をかけた。
そこにはドアノブも鍵穴も見つからない、どうやら内側からはあかないようだ。
ふと右腕の手首に違和感を感じた、妙に隙間のある何か溝がある・・・・、そう思い触っているとその溝が開き手首から銃口のようなものが現れた。
その銃口を扉に向けて撃つと爆発とともに扉に大穴が空いた。
その中途半端な穴をこじ開けて外に足を踏み出すと長い廊下のようなものが広がっていた。
しばらくすると廊下の天井についた赤いサイレンが発行し出し警告音のような耳障りな音が響き出した。
長い廊下の扉を二つほど破壊し歩き続けていると目の前の扉が空いて青いものを身にまとった二足歩行の生物が三人ほど現れ銃を構えて威嚇し出した。
その姿を見るとデータが現れ始める。
“霊長類人科目ヒト”
「止まれ!!」
一人のヒトと呼ばれる生物が全身を小刻みに震わせながら近づいてくる。
「止まらんと撃つぞ!!」
“音声データ、声帯発声データ受信。”
『・・・撃つ・・・。』
「うわああああああああ。」
泣き叫ぶ人間はその影に向かって銃を乱射する。それに釣られるように後ろの二人も乱射を始める。
乱発される銃声音と火花があたりを包み込んで行く。
しかしその黒いボディには傷一つついていない。
その装甲をみた人間はさらに泣き叫び後ろの扉にかけ走る。
「うわああああああああああ!!開けてくれええええええ!!」
その人間達に静かに歩み寄って行く。
『何故・・・怯える・・・。』
歩み寄り一人の首に掴みかかると一気に力を加えた。
そのまま硬直すると下半身から大量の水のようなものが流れ出してくる。
すると狂ったように一人が殴りかかってくる。
その拳を受け止めた時拳は泥だんごを握りつぶしたように弾け飛んだ。
血液と肉片があたりに飛び散り激痛により男は悶え苦しんでいる。その苦しむ男の首を両手で掴み右方向に一気にねじる。
首は一回転すると接着面の取れたからだが首から落ち背骨と血管だけが出てきた。
隅で怯えるもう一人に近づく。
だがそいつの口からは大量の血が流れ出て後頭部には弾丸と思わしき穴が空いていた。
死体の足が扉の締まりを阻みそれをこじ開けてさらに奥へと進んで行く。
奥の開けた場所に百人ほどの人間が武器を持って配備していた。
人間達は入るや否や一斉に銃撃を始める。
しかしただ右手首の銃を構えて棒立ちする黒い影。
『・・・こう使うのか・・・・。』
同じように銃を乱射し出す一体はその正確な射撃で次々と前方の大群を撃ち殺して行く。
真っ白い部屋は鮮血と肉片で次々と汚れて行く。
最後の一人の頭を撃ち抜いた時血だまりがそこに広がっていた。
その時すぐ横の壁から何かが飛び込んでくる。
その何かとともにさらにその左の壁を突き破って別の部屋に行く。
『ターゲット発見、至急排除ニカカル。』
『PZ-6型か。』
人間の1.5倍ほどある身長、そして右手には巨大な爪、左腕にはチェーンソーを備えたサイボーグが立っていた。
そのサイボーグはチェーンソーを構えて突進をかけてくる。その腕をうまく掴み後ろに投げ飛ばす、すると壁を突き破ってさらに奥の部屋へと向かった。
その奥の部屋は車庫のようだった。
様々な武装を積んだ車が止まっている。
すると正面より少し右寄りの地点から猛スピードで車が飛んで来た。
それを正面から食らうとそのまま下敷きになる。
すると頭を掴まれ無理やり持ち上げられる。
チェーンソーを振り上げいまにも切りかかろうとした。
その時回るチェーンソーに向かって弾を一発打ち込む。
チェーンソーの歯がたまによってつまりチェーンソーが止まる。
その隙をついて脇腹に蹴りを入れる、よろけたサイボーグは爪を立て顔を狙ってくる。
その手首を掴みしたから抉るようなアッパーを食らわせた。
その衝撃で顔に亀裂が走る。
そしてその日々の間に指を突っ込み顔の走行を無理やりはがし出した。
回路がむき出しになった顔面に銃弾を浴びせまくるとそのまま煙を吹いてそのまま動かなくなる。
そして一番近くにあった装甲バイクに跨ると指先から電流を流し無理やりエンジンをかけた。
『電動モーターか・・・・。』
壁を突き破ると外には星空が広がる荒野であった。
バイクとともにその影は闇夜に姿をくらませた。
つづく