表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

暑いのか? 

8月17日 木曜日 晴天


「今日は猛暑日になりゅ予定なおで水分補給はこまめにとってくださひ、それでは各地にょ雨予報ですー」

顔以外に何で選ばれたのだろう滑舌の悪いお天気お姉さんが熱中症で死ぬ人がいるかもしれない今日の朝を笑いながら全国のお茶の間に届ける。


今日は世間では猛暑日という日らしい、カーテンを開けてみるとむせ返るような埃が喉、鼻を攻撃する。


窓の向こう側では俺より若いであろう20代前半くらいの男がスーツを着て暑そうに携帯電話の操作をしている

ああ、今はもう携帯電話じゃなくてスマホって言うのか。


「よぐ・・」

俺は咳払いをして喉の奥の痰を排除した。

「よぐ・・・・ウッウッン!」

声が出ないのは仕方がない、寝起きな上に2日ほど声を出すという行為を怠ってきた上にこの朝日に照らされ舞う埃。エアコンの風に飛ばされて間もなく空気となった


「よくやるよ・・・・」

少しカッコつけた感じになってしまったがまぁいいでしょう多分これが俺の最後の言葉だと思うから。

下の階では俺を除いた家族 父、母、妹が朝食を摂っている、妹が試験の結果がよかったのか何かは知らないが時折、母親の笑い声が聞こえる。


俺は床を思い切り踏んだ、所謂 「床ドン」というやつだ。

その後、下の階から笑い声が聞こえる事はなくなりかわりに母親の泣く声が聞こえてきた


「もう嫌!!なんでああいう風になっちゃったの!?私、なにかしたの!?」


これはいつもの俺の朝である、いつもと違うのは俺は今、寝起きという事だけだ。

昨晩の夜はネットゲームのフレンドが全員ログアウトという事もあり初心者を馬鹿にしたり女キャラのプレイヤーにネット上ではあるがセクハラのような事をしたりするいつもの遊びもできずにしかたなく母親に買いにいかせた少年誌を読んでいると気がついたら深夜0時には就寝していた。


朝6時半に起きてPCの電源を入れるとフレンドが殆どイン状態になっているので声をかけてみる事にしたが返事がこなかった。こういう事はネットゲームではよくある事で俺自身も無視をする側になっていた事もある、とにかく俺と同じでこいつ等は人の嫌がる事、悲しむ事が大好きなのだ。だからわかる、一番恐れていた事、多分昨日の夜あたりから計画はしていたのであろう、今考えれば廃人ニートであるコイツ等のログアウトが一斉に被る、そんな事はあり得ないのだ。おそらくログイン非通知か何かで密会していたのだろう。理由はただ1つ、楽しいからである、俺にもよくわかる。


「おい・・・まじかよ・・・無視かよ」


ショックだった、多分人生で一番かそこらへんくらいショックだった。少し泣いた

自殺を決意するのに時間はかからなかった。


「死ぬわ」 とゲーム内のチームチャットに打ち込むとすぐにPCの電源を切った、奴等は今頃慌ててるに違いない。ざまあみろ


俺は自分の部屋で自殺できそうな道具を探した、できるなら楽に。痛いのは嫌いです


それで遺書には「信頼していた仲間に裏切られた、ショックが大きい。死にます。ああああ」

いやこれは全部カタカナにした方が雰囲気がでるな・・・「シンライシテイタナカマニウラギラレタ、ショックガオオキイ、シニマス。アアアア」

ああああとは俺のオンラインネームだ。

これを誰かが発見してなんらかの形で奴等が知る事になればいい。


ドラマや映画などで睡眠薬を大量に飲んで死ぬというシーンがあるがアレは本当なのだろうか。もし本当なら楽そうだし幸いにも俺がこの生活を始めて親に進められて心療内科に通院してた時の睡眠薬や気分を向上させる薬や気分を落ち着かせる薬などが沢山ある。


俺はその薬の袋を手に取り1つ1つ左手に置いていくあっという間に山盛りだ、眠剤と効鬱剤の山盛り。


飲み物・・・これでいいか。

温くなったサイダーを右手に山盛りになった薬を左手に。さようならー



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ