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スピンスピンでスピンしたらしいです



 「そういえば、学校があったんですよねぇ」

 『唐突にどうしたのさ、アヤメ』

 「いえ、ほら私の住んでいたところにも学校はあったじゃないですか。それで、こっちの学校はどんなのかを思い出していまして」

 『へぇ。それで、どうなんだい?』

 「いえ、私たちの方とあまり変わりませんねぇ。特にあのテスト」


 一応、この世界にも『学校』という施設は存在します。

 基礎課程学校と専門課程学校。

 基礎課程学校というのは、いわゆる小学校から高校あたりです。

 専門課程学校というのは、いわゆる大学から大学院あたりです。

 で、この二つは何が違うかというと、入学の査定があるんですよ。

 基礎課程学校というのは、情緒が芽生えたと判断し、教育を受けられるだけの人間であればだれでも入れます。また、卒業に関しては十年生を無事終えられると卒業なんですが、これには裏技がありまして、飛び級も存在します。そして、落第……というよりは、落年というのもありまして、あまり成績が酷いと、年度に関係なく一つ下の学年に降ろされるそうです。ですが退学というのは存在せず、自らの意志でないと卒業できません。ま、普通に頑張っていれば卒業は簡単なんですけどね。

 そして次に、専門課程学校です。

 これが酷い。

 入学審査には、まず基礎課程学校を卒業していること。そして、毎年行われる『王立中央試験』というものに合格しなければなりません。これ、私たちの世界でいうところの『センター』というものです。

 科目は選択制ですが、大学としては合計点数が五百点越えていればよろしいらしく、一科目二百点換算されるテストであるということで、最低でも三科目は受ける必要があるんです。

 で、なにが酷いのかと言えば、色々存在します。

 『異ヵ国語』。これは聴き取り、単語、文章、長文の分野が存在しますが、時折長文を読むと酷いことがあります。例えを上げるならばというよりも、実際に受験した学生が叫んでいたのは、『なんでミートソース作るのにキムティ入れるんだよ!』や、『とりあえずオレ、文章に書いてあった通りに家帰ったら一発いっとくか……』など。はい、よくわかりませんね。ええ、後者の人なんて遠い目して清々しい顔していますけどさっぱりですね!

 次に『国語』です。あ、読みは『くにご』です。こちらは、論文、小説、古語、などなんですが、一応この国に生まれてるんだからこれぐらい楽だろ?とか思いますでしょ? これ逆でして、最難関なんですよ。小説が。またも例文。『フェーヤー?フェーヤー……チョッ、弱ったな。もう俺駄目だわ』。『うわぁあああああああああ、スピンスピンでスピンってどういうことだよぉおおおおおおおおお!!!』。これは……悲惨。なんというか、これ聞いただけでなにかあったんだと思うぐらいですからね。

 で、『数式』。これは……まぁ、私専門じゃありませんし?知りませんし? というわけで、例文『ひゃっはあああああ! ついに、ついに数式にも≪Pat≫様が降臨為されたぞぉおおお! あっはっはっはっはっはっは! はぁ……浪人か』。よくわからんですけど、あの≪Pat≫様?は結構有名らしいです。なんでも受験生にとってはそれが出てきたら諦めろというぐらいにアレらしいです。


 「ああ、私ここじゃ学生じゃなくてよかったぁ」


 見事に他人の視点からの感想です。

 本人様方には申し訳ございませんが、世の中どう対処するよりは、どう回避するかを考えた方がいいということかもしれませんね。まぁ、逃げた分だけ後々つけは回ってくるんですが……


 『あ、そうそう。今度アヤメに新年を迎えた際の祝詞をお願いするって手紙が来てたよ』

 「………………それ私知らないんですケド?」

 『さっき来たばかりだしね。あ、でもこれ三日遅れてるから、明日あるみたいだよ』

 「さて、寝るか」


 こんな感じに。

 とりあえずは、もう寝ましょう。ええ、寝ましょう。明日は明日で考えましょう。今日は今日でおしまいですよ。おやすみなさーい。


 『うわ、本当に寝た……』



―人―


勉強って、やっぱ真面目にやったとしても柔軟性とか応用力とか慣れとかないとだめですね。ええ……。

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