街に行くと大体何事かに巻き込まれるんですよねぇ
「そろそろ、街に行く必要がありますかねぇ」
現在、私は自宅の地下倉庫に来ています。
大体そこには日々の食糧だとか貯蔵物だとかがあるわけなんですが、どうもこの前買った時から大分経っていたようで、食糧がほぼ尽きていることに気づきました。
私の家は一番近い街から少し離れた森の中にあるわけなんです。
家を街に建てればよかったじゃないかって? そうもいかないんですよ、いろいろと。
「さて、朝食べる十分な素材もないみたいですし、今日は街に作り置きしておいた薬草などを売って、そのお金で食糧を買い込みましょう」
『だったらボクもついていきたいんだけ「ダメです」……なんでさ?』
「どうしても。お留守番してなさい」
『そしたらボクのご飯が無いけど……』
「ああ、ポメちゃんのご飯ならありますよ。ほら、ドッグフード」
『一応、んぐんぐ、ボクそれ慣れないんだけど』
「とか言っておきながらしっかり食べてるじゃないですか」
『まぁ空腹には勝てないのが恨めしいよね』
「それじゃあ、いってきまーす」
『いってらっはーい。もぐもぐ』
あの子、もうちょっとプライドは無いのかと思ったんですけど、ペットの時点でプライドも何もないでしたね。
「さてさて、街に到着しました。とりあえずは道具屋に行きましょう」
顔馴染みになっている道具屋で持ってきた薬などを売っていきます。もちろん交渉は大事ですよね!
「毎度ありー……」
店主さんの敗北した顔を背中にして私は道具屋を出ます。今回はちょっと絞り切れなかったなぁ。
とりあえず、まだ食べていなかった朝食兼昼食にするとしましょう。買い出しはその後ですね。
「おい、そこの嬢ちゃん! ちょっと待ちな!」
「……はぁ」
やっぱり、来ましたかー。
「嬢ちゃん中々持ってそうじゃねぇか」 「痛い目見たくなければ、着てるもんも含めて全てそこにおいていきなっ!」 「そ、そうだぜ! 大人しくしてほうが、いいぜ!」
「……………」
「怖くて声も出ねぇか?」 「無理もねぇかもなぁ! ひゃっはっはっはっは!」 「あ、あっはっはっはっは」
なんていうか、どうしてこう人の多いところで少しでも人気がなくなると私はすぐに絡まれるんですかねぇ? 訳が分かりませんよ……。
「へっへっへ、嬢ちゃん。大人しく荷物を置いていったら、殺さないでおいてやるぜぇ」 「ま、その代わりちょーとその体を好きにさせてもらうけどなぁ!」 「か、かくごしろよぉ」
「て、なんだよ、胸ちいせぇ! 俺はF以上じゃ犯る気にもならねぇよ! ガキがっ!」 「んだよ、てめぇ! おれはBBAには興味ねぇんだよ! 身長二十センチ下げてAA以下になって出直してこいや!」 「え、お、俺は十分なんだけどなぁ」
ほう、ほほう。そうですかそうですか。
「覚悟は、出来ているでしょうね?」
「ああん、なに言ってるんだっ、クソアマがっ!」 「さっさと帰れやBBA!」 「え、ええと、ええと」
よし、こいつら全員ただでは済まさん。三人目の奴は仕方がないがその二人といたのが運のつきと思ってなさい。
「おら、さっさと身ぐるみおいへごっ!」 「兄貴! おいてめぇBBおぶらぁっ!」 「ふ、ふたおふぅ!」
「よし、お前らのしょうもないその神経をどうにかする前に私はお前らを殴る」
こういうときは、釘バット最高ですね♪
よし、とりあえずは殺すのはめんどいので星にするだけで勘弁してやろう。
「非殺傷付加。弾き飛ばし強化。ダメージ量、外的要因軽減。ふっ、きっ、と、びっ、な、さい!」
「おうぐ!」 「あべら!」 「おひぃん!」
描写とかメンドいんで、とりあえず三人は星になりました。一応魔法使ってあげたんで死なずに空の旅の真っ最中でしょうね。
さて、買い物いきましょうか。
それにしても、いっつもいっつも街に来ると何かに巻き込まれるのに、慣れっていうのは恐いですねぇ。