最近の日常はこんなものです
基本的に少女の私生活は波乱万丈なわけではないですよ?
「う、うぅむ……」
眠い。
でも、さっきから朝陽が窓から差し込んで私の顔面直撃なんですけどやめてくれませんかねぇ?
あ、ダメですかそうですか、わかりました。布団被って顔隠すことにします。
「………………」
なんでしょう、朝陽によって布団の中が、蒸してきて……ああぁ、暑い!
「わかりました起きます起きますから!」
やっぱり自然には勝てないようです。仕方なく起きるとしましょう。目も覚めてしまいましたし。
あ、着替えるので描写はありませんよ?
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「ふぅー」
とりあえず着替えて顔を洗って、さっぱり。
さて、朝ごはんにしましょうか。
『あ、起きたようだね、アヤメ』
「はい、おはよう。ポメちゃん」
『朝ごはんは?』
「んー、久々に『ソメ』にしようかと。あれお米と同じ作り方で食感似てるし」
『あれか、じゃあほら、味噌汁入れたアレを作ってほしいな』
「りょ~か~い、っと」
さて、朝ごはんを作りましょうか。ココに来る前から自炊はやってるし、これでも料理は出来るんですよ?
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「ごちそうさまでした」
『ごちそうさま』
今日の朝ごはんは私がソメに川魚の塩焼きに味噌汁。で、ポメちゃんにはその作った味噌汁にご飯を作った……まぁ、ネコまんまです。なんで米なくて味噌あんの?みたいな反応されそうですけど、まぁそれはおいおいということで。
『今日は特に用事がない日だけど、アヤメはどうする気だい?』
昨日はまぁ、触手系植物さんの退治で夜も遅くに帰ってきたわけでして、そういった日は特にやることないんですよねぇ……。
「じゃぁ、今日は森にでも行ってちょっと薬草でも採ってきましょうか。お金にもなりますし」
『そうかい。それなら、こっちは出かけることにするよ』
「はいはい、私に迷惑は掛けないでくださいね? ポメちゃん」
『そんなにアヤメに迷惑かけるようなことをしてるかい?』
「私がココに来た原因、なんでしたっけ?」
『そいつは反省してます……』
やれやれ。
ポメちゃんはそのまま家から出ていきました。まぁこうなると探したところで見つからないので探す気もありません。私も別段気にしてませんからね。私に迷惑掛けに来なければ。
さて、私はとりあえず薬草摘み用の道具を持って森に行くとしましょうか。
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「はぁあああん、もふもふ!」
「あおん!?」
ああなんですかこの毛のもふもふ感触れば綿のように柔らかくて温かくてそれに日向ぼっこをしていたのかこの太陽の匂いという奴ですか?ああこのぬくぬくはやっぱりいいものですね最高ですね至高ですねこの世にこれ以上のものはありませんよね異論は認めませんよ反対する人がいたら私の釘バットでガツンしますよってああもうそんなことよりもこのもふもふを堪能することの方が大事でしたねしませんがとりあえずしばらく私はこのもふもふを堪能することに集中するので失礼しますね。
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「ふぅ……堪能した」
「…………」
なんというか、ちょっとこねくり回してもふもふしすぎたせいか、この子ぴくぴくしてるんですけどまぁ大丈夫でしょう。
さて、私も本来の目的に戻らないと。もうちょっと奥に行かないと良い薬草とかはないですからねぇ。
「それじゃ、いつかまた会いましょうね」
とりあえず、そういうことなので未だに悶絶してる子は置いておいて、いきますか。
「――と、いうわけで崖っぷちぎりぎりのほうまで来たわけですが」
とうわけもなにもなく、まぁこう言っておいた方がいいかなぁ、とかそんなことが頭に浮かんだので独り言をつぶやいたわけですが、とりあえずはあれから半刻ぐらいは時間過ぎておりまして、太陽も丁度真上らへんにきておりますですます。
おや、あそこにあるのは、『香野草』ではありませんか。珍しいですね。
アレは触媒によっていろいろな効果を発揮するそれなりな万能植物なんですよねー。けど、高いところに生えるのとかいろいろ条件が面倒なんで採れることが滅多にないんでチャンスですね。
「よっと……へ?」
おや、なぜだか今私の身体は無重力状態です。しかも、眼前には木のてっぺんがたくさん見えるわけで、それが森だと気が付くのにレーコンマウン秒。
えーと、これってもしかしてもしかしなくても……。
「あいきゃんふらーい!?」
その瞬間、身体は一気に風を受け、服やら髪がはためきまくり。
うーん、でもこれあいきゃんふらいというよりも、あいあむふぉおる? ああ、もうちょっと英語の勉強はしておけばよかった!
まずは、空中で姿勢を整えましょう。そして私がいたところを見ます。はい、状況把握完了。
とりあえず、ここまでのいきさつを簡単にしますとですね、私花摘む→地面崩れる→私巻き込まれる→あいきゃんふらい←今ここ。って感じですね。
「とか冷静に考えているわけではなくてっ!」
刻一刻として私の身体は地面へと近づいていきます。それはもう、速度を増して。
いえ、私が地面に落ちたところで被害は無いんですよ、私の身体自身に。
ですがね、私の持ってるものとか、私の服とか、あとは森とかの被害が尋常じゃないことになるんですよね……。
ほら、森の中にクレーターなんて作ろうものなら自然破壊だとか、生態系破壊とか、なんかそういう厄介なことになるじゃないですか。
というわけで、どうにかしてどうにかしましょう。
「せー、っの!」
パァン!とかそういう空気抵抗が壁になってそれを私の足が蹴りつけているという現象を起こしてとりあえず今の落下速度を減少させます。そしてこれをもう一回っ!
うん、大体スピードは落ちてきましたね。あとはこれを適度にやれば大きな被害も出ずにみんな助かります。
え、魔法? ああ、あれは私魔法の使用条件が厳しいんですよねぇ。はい、冗談です。忘れてただけです。べ、別にいいじゃないですかっ! 結果的にみんな助かってるんですから、それでいいでしょう!
「ふぅ、危ない危ない」
とりあえず、無事地面に着陸。
うーん、これからまたこの上に行くのもなんですね。
もう、今日は家に帰ってお昼食べて、調合でもしてあとはのんびりとしましょうかね。
とんでも少女ですね。
うん、少女?